2021年 重賞レース一覧秋華賞
改修工事が進められている京都競馬場に代わって、秋華賞(GⅠ)は創設26回目にして初めて阪神競馬場で開催されることとなった。
ローズSで2着に逃げ残ったエイシンヒテンが先手を主張すると、その直後に単勝オッズ1.9倍の断然人気を背負うソダシがつける。正攻法でライバルたちをねじ伏せようという位置取りだ。
が、この大本命を相手に逆転の機会をうかがう存在がいた。父は2005年の三冠馬ディープインパクト、母は2010年の牝馬三冠馬アパパネを持ち、「春より一段階上がっている」と鞍上・戸崎圭太騎手にスケールアップを感じさせた馬、アカイトリノムスメである。
「スタートよく二の脚もついて、いいリズムで走れた」と戸崎騎手も納得のポジション、ソダシを目標に据えられる好位5番手から6番手の外を、アカイトリノムスメは折り合って進む。道中はそのまま淡々と流れたが、3コーナー過ぎでペースが上がると、アカイトリノムスメも進出を開始。直線では渾身のスパートで前を捕まえに行く。
残り200メートル。遂にソダシを交わし、粘るエイシンヒテンも捉えたアカイトリノムスメは、内から馬群を割ってきたローズS1着馬アンドヴァラナウト、外から急追する紫苑S覇者ファインルージュとの追い比べにも競り勝ってみせる。桜花賞4着、オークス2着と敗れた春の悔し涙を晴らす待望のGⅠ初制覇と、そして母に続いての秋華賞制覇を成し遂げる先頭ゴールである。
「まだ成長すると思う」と言う戸崎騎手の言葉を信じるなら、古馬になってもヴィクトリアマイルを勝利した母のように、アカイトリノムスメの将来も明るいはずだ。自身の名とともに母の名も高めるであろう今後の走りに、大いに期待したいところである。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手名 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師名 | 単勝人気 |
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1 | 12 | アカイトリノムスメ | 牝3 | 55.0 | 戸崎 圭太 | 2:01.2 |
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35.9 | 448(-2) | 国枝 栄 | 4 | ||
2 | 14 | ファインルージュ | 牝3 | 55.0 | C.ルメール | 2:01.3 | 1/2 |
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35.5 | 494(-2) | 岩戸 孝樹 | 2 | |
3 | 9 | アンドヴァラナウト | 牝3 | 55.0 | 福永 祐一 | 2:01.4 | 1/2 |
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36.1 | 432(-4) | 池添 学 | 3 | |
4 | 5 | エイシンヒテン | 牝3 | 55.0 | 松若 風馬 | 2:01.6 | 1 1/2 |
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36.9 | 452(0) | 渡辺 薫彦 | 10 | |
5 | 6 | スライリー | 牝3 | 55.0 | 石川 裕紀人 | 2:01.7 | クビ |
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35.9 | 432(+4) | 相沢 郁 | 15 | |
6 | 2 | ステラリア | 牝3 | 55.0 | 武 豊 | 2:01.7 | クビ |
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35.7 | 490(+8) | 斉藤 崇史 | 9 | |
7 | 10 | アールドヴィーヴル | 牝3 | 55.0 | 松山 弘平 | 2:01.8 | クビ |
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36.7 | 434(+4) | 今野 貞一 | 6 | |
7 | 15 | アナザーリリック | 牝3 | 55.0 | 津村 明秀 | 2:01.8 | 同着 |
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36.3 | 490(+8) | 林 徹 | 8 | |
9 | 16 | ミスフィガロ | 牝3 | 55.0 | 藤岡 康太 | 2:02.0 | 1 1/4 |
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36.0 | 420(+4) | 友道 康夫 | 12 | |
10 | 4 | ソダシ | 牝3 | 55.0 | 吉田 隼人 | 2:02.1 | 1/2 |
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37.3 | 474(+2) | 須貝 尚介 | 1 | |
11 | 1 | スルーセブンシーズ | 牝3 | 55.0 | 大野 拓弥 | 2:02.3 | 1 |
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37.1 | 430(0) | 尾関 知人 | 7 | |
12 | 7 | サルファーコスモス | 牝3 | 55.0 | 川田 将雅 | 2:02.4 | 1/2 |
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36.9 | 468(+2) | 中内田 充正 | 11 | |
13 | 11 | ユーバーレーベン | 牝3 | 55.0 | M.デムーロ | 2:02.7 | 1 3/4 |
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36.3 | 464(+2) | 手塚 貴久 | 5 | |
14 | 8 |
エンスージアズム
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牝3 | 55.0 | 岩田 望来 | 2:02.7 | クビ |
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36.4 | 430(+6) | 安田 翔伍 | 16 | |
15 | 3 | クールキャット | 牝3 | 55.0 | 和田 竜二 | 2:04.3 | 10 |
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38.8 | 514(-10) | 奥村 武 | 13 | |
16 | 13 | ホウオウイクセル | 牝3 | 55.0 | 丸田 恭介 | 2:04.5 | 1 |
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37.8 | 428(-8) | 高柳 瑞樹 | 14 |
ハロンタイム | 12.8 - 11.6 - 12.2 - 12.3 - 12.3 - 12.0 - 11.5 - 11.3 - 12.3 - 12.9 |
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上り | 4F 48.0 - 3F 36.5 |
1コーナー | 5,4,10(1,9)12(3,7)(6,15)(2,14)(8,16)11,13 |
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2コーナー | 5-4,10,1(9,12)3(7,15)6,14,2,16,8(13,11) |
3コーナー | 5,4(1,10)(9,12)(3,7,15)(6,14)(2,16)(8,11)13 |
4コーナー | 5,4-10(1,12)9(7,15)3,14,6(2,16)-(8,11)-13 |
勝馬 | アカイトリノムスメ [牝3・黒鹿毛] 父:ディープインパクト 母:アパパネ |
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馬主 | 金子真人ホールディングス株式会社 |
生産地 | 北海道勇払郡安平町 |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 7戦4勝 |
獲得賞金 | 222,680,000円 |
主な勝鞍 | 重賞2勝目 2021年 デイリー杯クイーンカップ(GⅢ) |
騎手 | 戸崎 圭太:初勝利 |
調教師 | 国枝 栄:3勝目 2010年 アパパネ 2018年 アーモンドアイ |