2～3歳時はラジオNIKKEI賞（GⅢ）で2着したもののトップクラスは遠い存在で、クラシック三冠への参戦は叶わなかった。ちなみに同期の三冠馬コントレイルは同じ矢作芳人調教師の管理馬だった。
転機が訪れたのは4歳秋。吉田豊騎手とコンビを組んで、積極的に飛ばして逃げる戦法を確立してから素質が開花した。
5歳時には中山記念（GⅡ）を離し逃げから追随を許さず完勝。続くドバイターフ（G1）でも逃げ脚は衰えず、大接戦の末に1着同着となって海外でG1を初勝利した。
宝塚記念（GⅠ）、札幌記念（GⅡ）ではハナに立つのに手間取って持ち味を活かせなかったが、天皇賞（秋）（GⅠ）では好スタートから飛ばしていって捨て身の大逃げで場内を沸かせた。最後はイクイノックスに捕まったものの2着を確保。世界レベルのスピードと底力をアピールした。
6歳時にはダートのサウジカップ（G1）に挑戦。飛ばして逃げるケレン味のない走りは初のダートG1でも変わりなく、追撃を振り切って世界最高賞金レースを制覇した。芝とダート両方で国際G1を勝ったのは日本調教馬ではこの馬が初めて。天才肌のコントレイルと入れ替わるように強くなったこの馬を、矢作調教師は「努力家の馬」と称賛した。