今週の注目レース

阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)

阪神競馬場 1600メートル(芝・外)馬齢 (牝) 2歳オープン

出走馬情報

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アランカール

牝2歳

調教師:斉藤崇史(栗東)

  • 父:エピファネイア
  • 母:シンハライト
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

ウッドチップコースの調教でもしっかりと動くが、それは体幹の強さによるもの。430キログラム台の小柄な馬体は、母シンハライトや母の父ディープインパクトから受け継ぐもので、軽い芝での瞬発力勝負こそが持ち味のタイプだろう。できれば良馬場で走りたい。

前走のオープン特別・野路菊S(阪神・芝1600メートル)を制し、2戦2勝のキャリアでGⅠの舞台へと進む。父はすでに活躍馬を輩出しているエピファネイアで、母はオークス馬のシンハライトという血統馬。だが、そのような血統的な背景がなかったとしても、調教で見せる動きの良さだけで高い評価を受けていただろう。一頭だけ次元の違う走りを見せた前走後に、北村友一騎手も「追い切りから初戦と違う瞬発力や反応の良さが出ていました。冷静に走れていましたし、今後もこのような競馬ができればいいですね」とコメント。3戦3勝でGⅠ制覇となれば、来春の主役候補も決まりということになりそうだ。

アルバンヌ

牝2歳

調教師:田中博康(美浦)

  • 父:アドマイヤマーズ
  • 母:プティフォリー
  • 母の父:Australia
ここに注目!

少し頭の高い面はあるが、しっかりとした伸びを見せた過去3戦の内容から、それが問題になることはないだろう。関東馬ながら、デビュー戦は今回と同じ阪神・芝1600メートル。コース経験があることはプラス材料になりそうだ。

前走の1勝クラス・サフラン賞(中山・芝1600メートル)で差し切り勝ちを決め、収得賞金の加算に成功。勝負どころから徐々にポジションを上げ、出走馬中最速タイの上がり3ハロン33秒7(推定)をマークしたレースの内容も優秀だった。手綱を取ったC.ルメール騎手も「テンションは高くても、自分の仕事をわかっているようでリラックスして走ってくれました」と、レース内容を褒めていた。父は今年の桜花賞、秋華賞を勝ったエンブロイダリーと同じアドマイヤマーズ。初年度産駒からGⅠ馬を輩送り出した新鋭の種牡馬にとっても大事なレースとなりそうだ。ちなみに、父も阪神・芝1600メートルのGⅠ・朝日杯フューチュリティSを勝っている。

スターアニス

牝2歳

調教師:高野友和(栗東)

  • 父:ドレフォン
  • 母:エピセアローム
  • 母の父:ダイワメジャー
ここに注目!

ロードカナロアを退けてセントウルSを制したエピセアロームを母に持つ血統背景。スピード豊富な本馬のこれまでの内容からも、いずれはスプリント路線に舵を切りそうだ。同世代が相手なら適性より能力重視の見方は可能だが、距離はクリアすべき課題となるだろう。

2戦目の未勝利(小倉・芝1200メートル)を7馬身差で圧勝。着差だけでなく、時計的な価値も高かったことから前走の中京2歳Sでも1番人気の支持を受けたが、2歳コースレコードで勝ったキャンディードにクビ差かわされて2着。期待された重賞制覇は果たせなかった。もっとも、3着馬には7馬身差をつけており、上位2頭のみが突出していた印象のレース内容。騎乗した松山弘平騎手が「中団で脚をためることができましたが、最後は勝ち馬の決め手がすごかったですね」とコメントしたように、悲観するような結果ではなかった。すでに時計勝負への強さを証明していることは、開幕2週目の馬場コンディションで武器になりそうだ。

タイセイボーグ

牝2歳

調教師:松下武士(栗東)

  • 父:インディチャンプ
  • 母:ヴィヤダーナ
  • 母の父:Azamour
ここに注目!

マイルGⅠを2勝した父のインディチャンプはステイゴールド産駒らしい気難しいイメージもあるが、キャリア23戦で6着以下は香港マイル(G1)の1度のみ。本馬の安定した成績も堅実だった父の影響を感じさせる。今回も好勝負必至だ。

前々走の新潟2歳Sでは、勝ったリアライズシリウスと4馬身差の2着。見た目は完敗だが、3着だったフェスティバルヒルは次走のファンタジーSで重賞勝ちを果たした実力馬だった。本馬もそれに匹敵する力を持っていると考えていいだろう。前走のアルテミスSは3着。騎乗した佐々木大輔騎手が「ゲート内で潜る仕草を見せていたので、やらないように固めていたら、出遅れてしまいました」とコメントを残したが、その状況でも出走馬中最速の上がり3ハロン33秒7(推定)をマークした。過去4戦の多彩なレース運びが大一番で生きてくる可能性は十分にありそうだ。GⅠ制覇を期待したい。

ミツカネベネラ

牝2歳

調教師:鈴木伸尋(美浦)

  • 父:モーリス
  • 母:ナスカザン
  • 母の父:ダイワメジャー
ここに注目!

新潟への遠征経験があるとはいえ、関西圏での競馬は今回が初めてで、GⅠ当日でたくさんのファンが競馬場へとやって来る。前走で見せていたようなテンションだと少し心配だ。落ち着いてレースに挑めるかどうかが鍵になるだろう。

前走のアルテミスSでは、9番人気の低評価に反発して2着に好走。騎乗した津村明秀騎手も「2戦目でテンションは高かったですが、なんとか我慢してくれて、走れば素直でした。こういう馬場(稍重)も苦にしなかったですし、立派な2着だと思います」と、パートナーを称賛した。雨の影響を少し受けた馬場コンディションが向いた部分はあるが、タイトな流れでも最後まで脚が上がらず。マイルの距離もクリアしたと判断していいだろう。父モーリス、母の父ダイワメジャーはどちらも単純なスピードだけでなく、タフな状況でも強さを見せる馬だった。GⅠの大舞台で輝きそうな配合と言えるだろう。

ショウナンカリス

牝2歳

調教師:加藤士津八(美浦)

  • 父:リアルスティール
  • 母:ロシアンサモワール
  • 母の父:American Pharoah
ここに注目!

北海道の滞在競馬でもなかなか馬体重が増えなかった馬。京都への長距離輸送のあった前走での10キログラム増には驚かされた。もちろん、太めと感じる部分はなく、全てが成長分と思えるもの。2度目の関西遠征になる今回に向け、大きな収穫だった。

勝ち上がりはデビュー3戦目の未勝利(札幌・芝1200メートル)。これまでの5戦のキャリアは、芝1200メートルで4走、2着だった前走のファンタジーSで距離を延長した。父リアルスティール、母の父アメリカンファラオの血統だけを見れば、距離に不安があるようには感じないが、激しい気性で知られるストームキャットのインブリードがあり、マイルの克服は鍵になりそうだ。前走で騎乗した池添謙一騎手は「坂の下りでハミをかんでしまい、頭を上げるところがありましたが、それ以外はスムーズに走ってくれました。直線も一度は前に出ていたのですけど」とコメント。道中で力まずに走ることができれば、GⅠでも期待できるはずだ。

ヒズマスターピース

牝2歳

調教師:国枝栄(美浦)

  • 父:スクリーンヒーロー
  • 母:イプスウィッチ
  • 母の父:Danehill Dancer
ここに注目!

函館記念を勝ったヴェローチェエラ(父リアルスティール)が半兄だが、本馬は走るフォームが柔らかく、直線が長く広いコースが合いそうなタイプ。兄に似たイメージで見ないほうがいいだろう。前走時馬体重の16キログラム減は絞れたもので、この程度の数字を維持したい。

デビュー2戦目の未勝利を逃げて勝ち上がると、前走の1勝クラス・赤松賞(ともに東京・芝1600メートル)でも逃げ切り勝ちを決め、2歳女王決定戦への期待を高めた。来年の2月で定年を迎える国枝栄調教師はアパパネ、アーモンドアイと2頭の三冠牝馬を育てた名伯楽だが、この赤松賞を得意にしていることでも知られていて、昨年までに10頭が参戦して5勝をマーク。そのうちアカイトリノムスメを除く4頭の勝ち馬が阪神ジュベナイルフィリーズに出走して、アパパネの優勝を筆頭に〔1・2・0・1〕の好成績を残している。師の最後の阪神ジュベナイルフィリーズで本馬がどのような走りを見せるのか、注目したい。

マーゴットラヴミー

牝2歳

調教師:小林真也(栗東)

  • 父:リアルスティール
  • 母:キャントバイミーラヴ
  • 母の父:War Front
ここに注目!

京都開催最終週の勝利から中1週での出走。この日程はポイントのひとつだが、強い負荷をかける必要のないローテーションを好むタイプは少なくない。2戦連続で430キログラム台の馬体重。この数字を大きく減らすようなことがなければ、問題ないはずだ。

前々走のメイクデビュー京都(京都・芝1400メートル)を、1分20秒2の2歳コースレコードで勝利。内回り、外回りの違いはあるものの、同距離の重賞であるファンタジーSの勝ち時計が1分20秒9だったことを考えれば、かなりのスピードを秘めた馬だということがわかる。前走の1勝クラス・白菊賞(京都・芝1600メートル)は、そのスピードを生かしながら、距離延長にも対応しての逃げ切り勝ち。騎乗した菱田裕二騎手は「すごくスピードのある馬と思っていたので、今日はそのスピードを殺すことなく、いいレースができてよかったです」とコメントした。重賞級と思えるようなパフォーマンスを見せており、期待は日増しに高まっている。

(松浪 大樹)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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