今週の注目レース

スポーツニッポン賞ステイヤーズステークス(GⅡ)

中山競馬場 3600メートル(芝)別定 3歳以上オープン

出走馬情報

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クロミナンス

牡8歳

調教師:尾関知人(美浦)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:イリュミナンス
  • 母の父:マンハッタンカフェ
ここに注目!

ここまで重賞で4回の3着以内。昨年秋のアルゼンチン共和国杯(2着)など、うち3回が芝2500メートルでのものだ。長期休養明けだった前走のオールカマー(10着)を使われ、今回は息のもち方が変わってくるはずだ。

6番人気で挑んだ前走のオールカマー。序盤はリズム良く運んでいたが、勝負どころではややスムーズさを欠くシーンがあり、直線で持ち味の末脚を発揮することはできなかった(10着)。騎乗したJ.モレイラ騎手は「スタートしてからレースの内容自体は悪くなかったけど、長い休み明けでしたからね。次は良くなると思います」と、次戦での良化を予言していた。間隔を空けながら使われてきたことで、8歳秋でもキャリアはまだ15戦。フィジカル的な若さを保っている。長丁場での重賞実績も十分だけに、本調子に戻っていれば初タイトル獲得を強く意識できる。

ホーエリート

牝4歳

調教師:田島俊明(美浦)

  • 父:ルーラーシップ
  • 母:ゴールデンハープ
  • 母の父:ステイゴールド
ここに注目!

今春の目黒記念2着など、重賞で3度の連対経験。折り合いに不安がなく、長距離戦でもうまくスタミナを温存できる。キャリア最重量の55.5キログラムを背負った前走・アルゼンチン共和国杯(6着)からの反撃が濃厚だ。

2番人気だった前走のアルゼンチン共和国杯。好位で器用に立ち回ったが、絶妙なペースに落とし込んだ勝ち馬ミステリーウェイに逃げ切られた(6着)。それでも大崩れはせず、タイム差は0秒2だけ。牝馬で55.5キログラムのハンデを背負ったことを考えれば、善戦したと言っていいだろう。騎乗した戸崎圭太騎手は「イメージ通りにリズム良く運ぶことはできました。最後も頑張ってくれましたが、ハンデを背負っていたので」と振り返った。3走前・目黒記念は2着に好走。レースで掛かるところがなく、長い距離でもうまく体力を温存できるのが強みだ。母の父ステイゴールドの母系もスタミナに富んでおり、距離延長への不安は小さい。

シルブロン

牡7歳

調教師:稲垣幸雄(美浦)

  • 父:トーセンジョーダン
  • 母:グレイシアブルー
  • 母の父:サンデーサイレンス
ここに注目!

今年に入っての5戦では結果を出せていないが、昨年のステイヤーズSでは12番人気で2着に好走。中距離戦では追走が苦しく、ゆったりと構えられるマラソンレースが合っている印象だ。得意条件での一変を警戒したい。

昨年のステイヤーズSは12番人気の前評価を覆す2着。中団でゆったり構えると、前が残る展開を上がり3ハロン34秒8(推定)の末脚で追い上げた。3600メートルを走った上で、勝ち馬シュヴァリエローズとの差はわずかハナだけ。騎乗したT.マーカンド騎手は「馬がフレッシュだったし、思った通りの競馬ができました」と納得の口ぶりだった。前走のオクトーバーS(リステッド・東京・芝2000メートル)は末脚不発で15着に敗れたが、昨年のステイヤーズSもオープン特別・タイランドC(札幌・芝2600メートル)11着からの一変だった。近走が振るわなくとも、この条件なら侮れない。

チャックネイト

せん7歳

調教師:堀宣行(美浦)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:ゴジップガール
  • 母の父:Dynaformer
ここに注目!

好メンバーの前走・宝塚記念は14番人気の低評価ながら、勝ち馬から0秒7差の5着に善戦した。全5勝が2200メートル以上の典型的なステイヤー。休み明けでも、心肺機能が整っていれば怖い存在となる。

2024年天皇賞・春(14着)以来、2度目のGⅠ挑戦だった前走の宝塚記念。道中は中団後方のインでスタミナを温存しつつ運び、ペースが上がった3、4コーナーもじっと我慢し、直線でしぶとく脚を伸ばした。逃げ切ったメイショウタバルには離されたものの、2着ベラジオオペラからは0秒2差。強敵相手での健闘だった。騎乗したD.レーン騎手は「コーナーをロスなく立ち回って直線も伸びてくれました。気持ちが高ぶっていたわりにはいい競馬ができたと思います」と振り返った。昨年のアメリカジョッキークラブCでは、今回も対戦するクロミナンス(3着)、シルブロン(6着)を破って重賞初制覇を達成。GⅡなら通用の地力を秘める。

ミクソロジー

せん6歳

調教師:辻野泰之(栗東)

  • 父:オルフェーヴル
  • 母:スターエンジェル
  • 母の父:アフリート
ここに注目!

一昨年のオープン特別・万葉S(中京・芝3000メートル)とダイヤモンドSを、どちらもコースレコードで優勝。その後の5戦は下位に甘んじているが、秘めるスタミナは相当。昨年の当レースは13着も、本来、ここまで負ける馬ではない。

2023年は、オープン特別・万葉Sを3分03秒4、ダイヤモンドSを3分29秒1のコースレコードで優勝。そのスタミナは、3000メートル以上のレースで速いラップとなった時に真価を発揮する。近5戦は間隔を空けながらの臨戦過程で着順は振るわないが、平地重賞最長距離の当レースへの適性は十分に秘めていると言えるだろう。前走・京都大賞典は18頭立ての17着に敗れたが、去勢手術明け初戦なら見直しの余地あり。レース後の斎藤新騎手も「久々のレースでしたが、最後まで一生懸命に自分のペースで走ってくれました」と振り返っており、復活の光明が見え始めたか。休み明け2戦目での上昇、去勢効果も見込めるここで輝きを取り戻す。

ヴェルミセル

牝5歳

調教師:吉村圭司(栗東)

  • 父:ゴールドシップ
  • 母:マルーンドロップ
  • 母の父:コンデュイット
ここに注目!

重賞初挑戦だった今年のダイヤモンドSで3着に好走し、高い長距離適性をアピール。前走・エリザベス女王杯(8着)もしぶとく伸びたが、2200メートルの距離は微妙に短かったか。通用の下地は十分に示している。

13番人気で8着だった前走のエリザベス女王杯。道中は後方でじっと末脚を温存して直線で外からじわじわと伸びたが、先にスパートをかけた上位勢には届かず。それでも、初挑戦のGⅠで一定の結果を残した。騎乗した鮫島克駿騎手は「(優勝した)レガレイラの真後ろで走れましたが、4コーナーから直線にかけては瞬発力の違いがありました。もう少し時計がかかれば」と振り返った。唯一の牝馬として出走した2走前・京都大賞典では、メンバー中最速の上がり3ハロン34秒3(推定)の末脚で勝ち馬から0秒2差の3着に好走。父ゴールドシップから受け継ぐスタミナは本物で、今年のダイヤモンドS(3着)の走りを見ても、長距離戦は合うイメージだ。

ラスカンブレス

牡4歳

調教師:林徹(美浦)

  • 父:ブリックスアンドモルタル
  • 母:アースライズ
  • 母の父:マンハッタンカフェ
ここに注目!

初重賞の2走前・小倉記念で勝ち馬から0秒4差の4着と善戦。2400メートルでは3戦して2勝、2着1回とほぼ完璧な成績を残している。キャリアで2度の二桁着順はともに2000メートル。距離延長で良さが出そうだ。

前走のオクトーバーS(リステッド・東京・芝2000メートル)は、高レベルな瞬発力を問われる展開にも苦しんだのか17着と大敗。現状では4着に頑張った小倉記念と同じ右回りコースで、しぶとさが生きる長距離戦のほうが持ち味を出せる印象だ。叔父に今年の日本ダービーを優勝したクロワデュノールがいる良血馬。時折思わぬ大敗もあるが、デビューから7戦全てで3着以内を確保した地力は確か。前述の小倉記念でも、その後に新潟記念3着、京都大賞典1着のディープモンスター(3着)とはタイム差がなかった。条件好転の今回、一変の走りを見せても不思議はない。

マイネルカンパーナ

牡5歳

調教師:青木孝文(美浦)

  • 父:ゴールドシップ
  • 母:マンバラ
  • 母の父:Linamix
ここに注目!

全4勝中3勝が芝2400メートル戦。今年は目黒記念(8着)、アルゼンチン共和国杯(7着)で重賞を2度戦い、ともに大きくは離されなかった。スッと好位を取れるセンスの良さが魅力。相手なりに粘れるタイプだ。

10番人気だった前走のアルゼンチン共和国杯。逃げ切ったミステリーウェイが緩急をつけるなか、好位で器用に追走した。ラストは後方から迫った馬たちに追い抜かれたが、勝ち馬との差は0秒2の7着。騎乗した津村明秀騎手は「思い描いた競馬ができました。逃げ馬を行かせて折り合いをつけながら運べたし、少しずつ力をつけていますね」とうなずいた。4走前の目黒記念はキャリア初の逃げの手で8着。重賞初挑戦で勝ち馬から0秒7差なら、通用の下地は示したと言っていいはずだ。前走時412キログラムの小柄な牡馬で、長距離戦でも小気味よく進んで行けるタイプだろう。

(高木 翔平)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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