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牡6歳
調教師:宮田敬介(美浦)
前々走のオープン特別・小倉日経賞(小倉・芝2000メートル)でオープンクラス初勝利。前走のエプソムCではコースレコード決着の2着と、素質開花の兆しを見せている。初の福島だが、小倉での好立ち回りから合うイメージが湧く。重賞初制覇の好機だ。
祖母がディープインパクトの半妹という良血馬。本馬はその良血通りに3歳から活躍を見せ、2022年の菊花賞は3番人気の支持で4着に入った。将来を嘱望されたが、その後は脚部不安による長期休養があり、今年のオープン特別・小倉日経賞は、我慢を重ねた陣営にとって会心の1勝だったに違いない。前走のエプソムCは出遅れて後方から。ハイペースが奏功した面はあったかもしれないが、ほとんど直線だけの競馬で2着に入るあたりが能力の高さと言えるだろう。スタートの不安定さはあるが、本来はもっと前で立ち回ることができる馬。好位置から末脚を発揮できれば、重賞にも手が届くはずだ。
牡4歳
調教師:田中勝春(美浦)
前走の新潟大賞典で重賞初勝利。福島民報杯(リステッド・福島・芝2000メートル)からの連勝で、目下の充実ぶりは疑いようがない。また、前述の福島民報杯のほかに、3歳時のラジオNIKKEI賞2着もある福島巧者。重賞連勝の可能性は十分にある。
ホープフルS6着、弥生賞ディープインパクト記念3着、ラジオNIKKEI賞2着と、早い段階から素質の片りんをうかがわせていたが、休養を経ての今年3戦の活躍は目を見張るものがある。そこでのオール連対は、距離や競馬場を問わないことに加えて、戦法も多彩。ハナ差2着だった六甲S(リステッド・阪神・芝1600メートル)は中団からの差し、福島民報杯(リステッド)は外から楽に進出しての押し切り勝ち。そして重賞初制覇となった前走の新潟大賞典は、ハナを切っての逃走劇。地力強化はもちろん、精神面の成長がしっかり結果に結びついている印象だ。前走からハンデは1.5キログラム重くなったが、連勝の期待が高まる。
牡7歳
調教師:藤野健太(栗東)
昨年は七夕賞5着をステップに、中京競馬場で行われた小倉記念をコースレコードで優勝。その後は怪我のため戦列を離れ、今年は中山記念(15着)を走ったのみだが、力とコース適性の高さは証明済み。休み明け初戦から注目だ。
関西馬ながら福島・芝2000メートルで1着、1着、5着。とりわけ驚かされたのが昨年春の福島民報杯(リステッド)だ。後方で脚をためて直線は大外へ。追われてからは一頭だけ勢いが違う伸びを見せての1着。先行勢もしっかり粘っており、決してペースが向いたわけではないなかで、本馬の末脚の破壊力と適性の高さが浮き彫りになる圧巻のパフォーマンスだった。その後、新潟大賞典5着、七夕賞5着を経て、小倉記念で初タイトルを奪取。前走の中山記念はそれ以来の実戦ゆえ、大敗(15着)でも参考外でいいのではないか。今回も休み明けに加え転厩初戦になるが、実績のある舞台なら好走も十分に見込める。
牡5歳
調教師:新開幸一(美浦)
前走のオープン特別・ジューンS(東京・芝1800メートル)で待望の3勝目を挙げて、収得賞金の加算に成功。好位から差し切った内容に再上昇の勢いを感じた。距離が延びる2000メートルでも好勝負になりそうだ。
前走のオープン特別・ジューンSが同クラスでの初勝利となったが、以前から重賞で何度も好走していた馬。昨年はエプソムC3着のほか、毎年ハイレベルなレースとなる毎日王冠で勝ち馬と0秒2差の5着に入るなど、今回のメンバーに入っても実績で見劣りする印象はない。ジューンSは好位で脚をため、直線では鞍上が追い出しを待つ余裕があったほど。2着馬との着差こそ1/2馬身だったが、ひとつ殻を破ったかのような快勝だった。福島・2000メートルは、一昨年の福島記念で1番人気6着と涙をのんだ舞台。別馬のように成長を遂げた今、リベンジを果たせるかに注目したい。
せん6歳
調教師:鹿戸雄一(美浦)
前走のメトロポリタンS(リステッド・東京・芝2400メートル)は7着だったが、前々走の福島民報杯(リステッド・福島・芝2000メートル)では勝ったシリウスコルトと0秒1差の2着。ゴール前の勢いでは勝っていたように見えた。舞台替わりで巻き返しを期す。
去勢の効果が現れはじめたのか、昨年秋から内容がグンと良化。これまでオープンクラスでは2023年の新潟記念5着が目立つ程度だったが、昨秋以降はリステッド競走を4戦し、オクトーバーS(東京・芝2000メートル)4着、ディセンバーS(中山・芝1800メートル)3着、福島民報杯2着と好走。前走のメトロポリタンSも7着とはいえ勝ち馬と0秒3差で走っており、ここでも上位争いできるだけの実力を備えている。中間は短期放牧を挟んで、美浦坂路で入念な調整。体形的なものもあり少し太めには映るが、調教の動きは申し分なく、好ムードで本番を迎えられそうだ。ハンデ差も加味すれば、躍進があっても驚けない。
牡5歳
調教師:畠山吉宏(美浦)
オープンクラス入りを決めた前走の3勝クラス・サンシャインS(中山・芝2200メートル)は、2番手から悠々抜け出しての快勝。盤石に映った勝ちっぷりもさることながら、時計もコースレコードに0秒3差と優秀だった。いきなりの重賞挑戦でも通用していい。
これまで8戦して〔4・2・1・1〕。2度の長期休養で出世は遅れたが、能力の高さは戦績が示す通りだ。前々走の3勝クラス・スピカS(中山・芝1800メートル)は逃げて2着惜敗だったが、勝ち馬アドマイヤマツリは次走の福島牝馬Sを勝利した後、ヴィクトリアマイルでも見せ場を作った。それと同等に走った点が本馬のポテンシャルの高さであり、前走の3勝クラス・サンシャインSでの好パフォーマンスも納得できるだろう。今回は少し間隔が空いたが、6月上旬からしっかりと乗り込まれ、7月2日の1週前追い切りでは、美浦Wコースで6ハロンの自己ベストタイムをマーク。初の重賞でも上位争いできる材料がそろっている。
牡6歳
調教師:尾関知人(美浦)
2022年のラジオNIKKEI賞で2着。同年のディセンバーS(リステッド・中山・芝1800メートル)でオープンクラス初勝利を挙げた。その後は勝利がないが、昨年の福島民報杯(リステッド・福島・芝2000メートル)で4着、福島記念で5着と、舞台適性の高さを示している。
昨年の福島記念は、中団後方から折り合い専念の競馬。3コーナー手前から一気に押し上げ、直線に入るところでは先頭に立とうかという勢いを見せた。そこからひと伸びが利かず5着でゴールしたが、勝ったアラタから0秒3差と見せ場は十分。その後は勝ち馬から着差の大きい敗戦が続いているが、前走の都大路S(リステッド・京都・芝1800メートル、9着)はハミを替えて我慢が利いたようで、時計の速い決着でも最後まで踏ん張りを見せた。収穫のある内容と言え、復調のきっかけはつかめたようだ。調教では好調時と変わらない動きを見せており、好相性の舞台なら激変があっていいはずだ。
牡5歳
調教師:高野友和(栗東)
格上挑戦の身だが、3勝クラスで2着4回。3歳時には京成杯3着、セントライト記念4着とクラシック路線の重賞で好走歴があり、大きな差は感じない。ハンデ差も生かしてアッと言わせるシーンを見せられるのか、注目だ。
3勝クラスでの2着4回はいずれも小差。前走の3勝クラス・花のみちS(阪神・芝1600メートル、2着)が端的に示すように、オープンクラスレベルの持ち時計を有しており、格上挑戦のここも見劣りはないと言っていいだろう。何しろ3歳時のセントライト記念では、同年の皐月賞馬ソールオリエンスと0秒3差に入った実力の持ち主。前走は初めてのマイル戦だったが、ブリンカー着用の効果か、最後まで集中して走り切れたうえ、活気が戻ってきた印象もあった。全3勝のうち2000メートルで2勝を挙げており、ハンデなどもろもろがかみ合えば、上位を争えるだけの資格は十分にあると言えるだろう。
(山下 健)
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