昨年7月のメイクデビュー札幌（芝1800メートル）で初陣勝ち。3馬身差をつけた2着テリオスララはのちに阪神ジュベナイルフィリーズでも3着に好走したように、相手関係を考えても、いきなりから相当に高い能力を示したと言っていいだろう。骨折休養明けとなった前々走のスプリングSでは3着だったが、長くいい脚を使っており、好内容のレースだった。前走の皐月賞も7着とはいえ、GⅠの強敵が相手だったことを考えれば、それほど悲観する内容ではなかった。父がスタミナも伝えるドゥラメンテで、2200メートルへの距離延長も問題なさそうだ。

半姉のダノンファンタジー（父ディープインパクト）は現役時代に阪神ジュベナイルフィリーズを含む重賞6勝をマーク。母ライフフォーセールもアルゼンチンのG1勝ち馬という良血馬だ。昨年12月のメイクデビュー中京（芝2000メートル）で初勝利をつかむと、前走の1勝クラス・大寒桜賞（中京・芝2200メートル）では、道中2番手からメンバー中最速の上がり3ハロン34秒4（推定）をマークする好内容で、3馬身1/2差の完勝を飾った。管理する池江泰寿調教師は「（前走は）着差もつけてくれて、改めて力があるなと思いました。全体的に少しずつ成長していますね」と、良化を実感している。

デビューは今年1月と遅くなったが、メイクデビュー中京（芝2000メートル）は8番人気で4着。先行馬が残る流れのなか、メンバー中最速の上がり3ハロン34秒3（推定）をマークして追い込んでおり、脚力を示すには十分な内容だったと言えるだろう。続く未勝利（中京・芝2000メートル）は、メンバー中最速の上がり3ハロン34秒4（推定）をマークして3馬身差の快勝。ここでも脚力を示し、初勝利をつかんだ。前走の1勝クラス（阪神・芝2000メートル）では、1分57秒9の好タイムで4馬身差をつける完勝劇を披露し、俄然注目を集める存在となった。

昨年11月のメイクデビュー京都（芝1800メートル）で2着に入ると、続く未勝利（京都・芝1800メートル）では2馬身1/2差をつける完勝劇で初勝利を挙げた。前走のきさらぎ賞は4着だったが、勝ったサトノシャイニングは続く皐月賞で5着、2着リンクスティップは桜花賞で3着に好走。3着ランスオブカオスものちにチャーチルダウンズCを制したように、強敵相手の一戦だった。4月30日の追い切りでは栗東CWコースで6ハロン83秒0（ラスト1ハロン11秒0）の好タイムをマーク。3頭併せを消化し、意欲的な調教過程を踏んでいる。改めての重賞挑戦に向け、準備は万端と言えそうだ。

デビューからここまで6戦を経験し、GⅠのホープフルS（9着）を除く5戦でメンバー中最速の推定上がり3ハロンタイムをマーク。レースの前半は後方から進む形になるが、勝負どころから直線にかけてきっちりと自分の脚を使って伸びてくる。前走の1勝クラス・ひめさゆり賞（福島・芝2000メートル）では、メンバー中最速の上がり3ハロン34秒1（推定）をマークして、鮮やかな差し切りを披露。2馬身差をつける完勝で、待望の2勝目をつかんだ。決め手があるタイプだけに、京都の外回りコースで行われる本レースは、持ち味を生かしやすい条件とみていいだろう。

母ランドオーバーシーは現役時代にアメリカのG2を勝ち、G1のケンタッキーオークス（アメリカ）でも2着に好走。本馬の半兄サトノエピック（父キタサンブラック）は、東京ダービー（JpnⅠ）、ユニコーンSで2着と重賞で活躍を見せている。本馬は昨年10月のメイクデビュー京都（芝2000メートル）で1/2馬身差をつけて勝利すると、続く1勝クラス・エリカ賞（京都・芝2000メートル）も4馬身差の完勝。先行する形からメンバー中最速の上がり3ハロン34秒0（推定）をマークする好内容だった。長くいい脚を使えるタイプだけに、2200メートルへの距離延長もこなせる可能性が高い。

昨年11月のメイクデビュー京都（芝2000メートル）は、好スタートから好位で進み、道中をリズムよく追走。楽な手応えのまま先頭に並びかける勢いで直線に向き、追い出しをかけると後続を突き放した。メンバー中最速の上がり3ハロン34秒4（推定）をマークして、3馬身差をつける完勝。その後は共同通信杯4着、毎日杯3着と重賞で健闘を見せている。近2走は東京、阪神での出走で、今回は新馬戦と同じ京都コースに戻る。5月1日の1週前追い切りでは栗東CWコースでラスト1ハロン11秒8（6ハロン87秒5）をマークしたように、調整も順調そのものと言えそうだ。

今年2月のメイクデビュー小倉（芝2000メートル）は、スタートこそひと息だったが、すぐに追いつき中団でレースを進めた。3コーナー手前からスパートを開始し、直線では馬場の真ん中をグングンと加速。メンバー中最速の上がり3ハロン35秒1（推定）をマークして、2着馬に2馬身1/2差をつける完勝だった。2着から3着が大差だったことからも、能力は抜けていたとみていいだろう。前走の1勝クラス・ゆきやなぎ賞（阪神・芝2400メートル）ではゴール前で目を引く伸びを見せて3着まで追い上げており、この馬らしい決め手は発揮できていた。重賞初挑戦・初制覇を狙う。