2019年に3連単449万7470円の高配当が飛び出すと、2022年にも同278万4560円という波乱の決着となった高松宮記念。春の短距離王決定戦となって30回目を迎える今年は、果たしてどのような結末となるのだろうか。過去10年の結果を参考に、レースの特徴を探った。
単勝1番人気の勝利は2016年(ビッグアーサー)を最後に遠ざかっており、それ以降は2着と3着もそれぞれ1回にとどまっている。この1番人気の不振が近年の波乱傾向の要因だろう。ただ、2番人気は過去10年で7連対をマークし、3番人気も3着以内は5回を数えており、上位人気全体の成績が悪いというわけではない。ちなみに、1番人気から3番人気がそろって4着以下に敗れたのは2022年のみとなっている。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 1-1-1-7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
2番人気 | 2-5-0-3 | 20.0% | 70.0% | 70.0% |
3番人気 | 1-1-3-5 | 10.0% | 20.0% | 50.0% |
4番人気 | 1-0-1-8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
5番人気 | 1-1-1-7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
6~9番人気 | 3-1-0-36 | 7.5% | 10.0% | 10.0% |
10番人気以下 | 1-1-4-84 | 1.1% | 2.2% | 6.7% |
過去10年の年齢別成績を調べると、4歳から7歳まで幅広い年齢から優勝馬が出ている。7歳以上の馬は3着内率こそ見劣るものの、2023年に単勝12番人気のファストフォースが勝利を収め、13番人気のトゥラヴェスーラが3着、2022年は17番人気のキルロードが3着と人気薄で好走するケースが多い。配当妙味があるので気になる馬がいれば押さえておきたい。〔表2〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4歳 | 2-3-2-32 | 5.1% | 12.8% | 17.9% |
5歳 | 4-4-2-38 | 8.3% | 16.7% | 20.8% |
6歳 | 2-3-4-36 | 4.4% | 11.1% | 20.0% |
7歳以上 | 2-0-2-44 | 4.2% | 4.2% | 8.3% |
過去10年の性別成績では、3着内率に大きな差は見られない。ただ、牝馬は2着が7回ある一方で、勝利したのは2020年のモズスーパーフレアのみと勝ち切れない面がある。2021年以降は4年連続で1着と3着が牡・せん馬、2着に牝馬という決着になっているので、性別を意識して買い目を組むのも面白そうだ。〔表3〕
性 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
牡・せん | 9-3-8-96 | 7.8% | 10.3% | 17.2% |
牝 | 1-7-2-54 | 1.6% | 12.5% | 15.6% |
過去10年の前走別成績では、3着内率のトップが海外G1組となっている。この臨戦で3着以内に入った5頭の前走を見ると、いずれも香港のシャティン・芝1200メートルで行われたG1だった。昨年は香港スプリント8着から臨んだマッドクールが優勝、2017年には同12着のレッドファルクスが3着に入っているので、該当馬は前走の着順にかかわらずマークしておくべきだろう。〔表4〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 0-1-0-3 | 0% | 25.0% | 25.0% |
GⅡ | 0-1-1-7 | 0% | 11.1% | 22.2% |
GⅢ | 7-8-7-128 | 4.7% | 10.0% | 14.7% |
オープン特別 | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
海外G1 | 3-0-2-9 | 21.4% | 21.4% | 35.7% |
なお、3着以内馬の頭数はGⅢ組が最も多く、その中でもシルクロードSから臨んだ馬が5勝2着2回と活躍。阪急杯とオーシャンSからも各6頭の3着以内馬が出ている。ただし、GⅢ組の3着以内馬延べ22頭中19頭は前走で5着以内だったので、GⅢ組は前走の着順に気を配る必要がありそうだ。〔表5〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
5着以内 | 6-7-6-64 | 7.2% | 15.7% | 22.9% |
6着以下 | 1-1-1-64 | 1.5% | 3.0% | 4.5% |
2019年以降の優勝馬6頭のうち5頭は、前年以降に中京で行われた重賞で3着以内に入っていた。また、その実績がなかった2020年のモズスーパーフレアに加え、2021年のダノンスマッシュ、2024年のマッドクールは前年のスプリンターズSで2着だった。近年の傾向を踏まえれば、前年以降に中京の重賞、またはスプリントGⅠで好走していた馬が狙い目といえそうだ。〔表6〕
(高那実 マヤ)
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