2022年の京都大賞典で重賞初制覇を果たしたヴェラアズールは、次走のジャパンカップでも優勝を果たし、一気にGⅠウイナーの座まで上り詰めた。また、2021年の京都大賞典では、2016年の日本ダービー馬であるマカヒキが自身約5年ぶりの勝利を収めた。国内最高峰のビッグレースと密接につながっている注目の一戦だ。今回は、阪神・芝2400メートルで行われた2021年と2022年を含む過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬延べ30頭中18頭は、前走がGⅠだった。該当馬は3着内率も40.0%と優秀な水準に達している。前走が上半期のビッグレースだった馬は、好走する可能性が高いとみるべきだろう。〔表1〕
前走 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 6-5-7-27 | 13.3% | 24.4% | 40.0% |
GⅠ以外 | 4-5-3-76 | 4.5% | 10.2% | 13.6% |
なお、前走がGⅠ以外だった馬のうち、前走の着順が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0.1秒以上だった馬は、3着内率4.4%と苦戦している。前走がGⅠではなく、なおかつそのレースで勝ち馬に0.1秒以上のタイム差をつけられていた馬は、割り引きが必要だ。〔表2〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走の着順ならびに1着馬とのタイム差 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
着順が1着、もしくは2着以下で1着馬とのタイム差が0.0秒 | 3-3-3-10 | 15.8% | 31.6% | 47.4% |
着順が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0.1秒以上 | 1-2-0-65 | 1.5% | 4.4% | 4.4% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中24頭は、JRAの重賞において1着となった経験がある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率11.1%とやや苦戦している。重賞未勝利の馬は、扱いに注意したい。〔表3〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9-6-9-55 | 11.4% | 19.0% | 30.4% |
なし | 1-4-1-48 | 1.9% | 9.3% | 11.1% |
なお、JRAの重賞において1着となった経験がなかったにもかかわらず3着以内に入った6頭は、いずれも通算出走数が20戦以内、かつ前走の着順が9着以内だった。まだ重賞を勝ったことがない馬のうち、キャリア21戦以上の馬や大敗直後の馬は、評価を下げるべきだろう。〔表4〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
通算出走数ならびに前走の着順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
通算出走数が20戦以内、かつ前走の着順が9着以内 | 1-4-1-13 | 5.3% | 26.3% | 31.6% |
通算出走数が21戦以上、もしくは前走の着順が10着以下 | 0-0-0-35 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中25頭は、前走がJRA、かつ前走の4コーナー通過順が8番手以内だった。一方、9番手以下だった馬は3着内率10.9%とやや苦戦している。先行力が高くない馬は、過信禁物とみた方がよさそうだ。〔表5〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走の4コーナー通過順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
8番手以内 | 9-9-7-58 | 10.8% | 21.7% | 30.1% |
9番手以下 | 1-1-3-41 | 2.2% | 4.3% | 10.9% |
競走中止 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
なお、前走の4コーナー通過順が9番手以下だったにもかかわらず3着以内に入った5頭のうち3頭は、前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位が1位だった。これに該当しなかった馬は連対がなく、3着内率が5.0%にとどまっている。前走の4コーナーを9番手以下で通過し、なおかつ出走メンバー中トップの上がり3ハロンタイム(推定)をマークできなかった馬は、疑ってかかりたい。〔表6〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1位 | 1-1-1-3 | 16.7% | 33.3% | 50.0% |
2位以下 | 0-0-2-38 | 0% | 0% | 5.0% |
過去6年の優勝馬6頭は、いずれも年齢が5歳以上だった。近年は4歳以下の馬が勝っていない点は頭に入れておきたいところだ。また、この6頭は前走の4コーナー通過順が8番手以内だった点も共通している。〔表5〕などで挙げた傾向も考慮したうえで絞り込みたい。〔表7〕
(伊吹 雅也)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年次 | 優勝馬 | 年齢 | 前走の4コーナー通過順 |
---|---|---|---|
2017年 | スマートレイアー | 7歳 | 5番手 |
2018年 | サトノダイヤモンド | 5歳 | 2番手 |
2019年 | ドレッドノータス | 6歳 | 先頭 |
2020年 | グローリーヴェイズ | 5歳 | 8番手 |
2021年 | マカヒキ | 8歳 | 7番手 |
2022年 | ヴェラアズール | 5歳 | 6番手 |
ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。