毎日王冠は天皇賞(秋)の前哨戦に位置付けられ、過去10年では2013年2着のジャスタウェイと2014年3着のスピルバーグが次走で天皇賞(秋)を制している。また、2018年2着のステルヴィオと2019年3着のインディチャンプが続くマイルチャンピオンシップを制するなど、近年はマイラーたちの秋初戦として選択されることも多い。さらには古馬と初対戦になる3歳馬の参戦もあり、秋のGⅠ戦線を占う上でも見逃せない一戦だ。ここでは、過去10年の結果からレースの特徴を探っていく。
過去10年では単勝1番人気馬が7勝を挙げ、2018年以降は5連勝中でその間の3連単の配当は1万170円が最高と、堅めの決着が目立つ。さかのぼれば2014年に3連単38万円超の高配当が出ているが、過去5年に限ると6番人気以下は〔0・0・1・31〕とほぼ出番がなく、上位人気馬優勢の傾向が強まっている。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 7-0-0-3 | 70.0% | 70.0% | 70.0% |
2番人気 | 0-2-0-8 | 0% | 20.0% | 20.0% |
3番人気 | 1-3-1-5 | 10.0% | 40.0% | 50.0% |
4番人気 | 1-2-3-4 | 10.0% | 30.0% | 60.0% |
5番人気 | 0-1-3-6 | 0% | 10.0% | 40.0% |
6〜9番人気 | 1-1-2-36 | 2.5% | 5.0% | 10.0% |
10番人気以下 | 0-1-1-28 | 0% | 3.3% | 6.7% |
過去10年の年齢別成績では、3着以内馬延べ30頭中21頭が4歳と5歳の馬で、3着内率でも上位となっている。見逃せないのが3歳馬で、勝率と連対率が最も高く、2019年ダノンキングリー、2020年サリオス、2021年シュネルマイスターと出走のなかった昨年を除いて3連勝中。過去5年に限ると3歳馬は〔3・1・0・4〕と、3着内率が50.0%に達しているので、出走があればマークしておきたい。〔表2〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 3-1-0-11 | 20.0% | 26.7% | 26.7% |
4歳 | 3-3-6-18 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
5歳 | 3-3-3-22 | 9.7% | 19.4% | 29.0% |
6歳 | 1-3-0-19 | 4.3% | 17.4% | 17.4% |
7歳以上 | 0-0-1-20 | 0% | 0% | 4.8% |
過去10年の前走別成績を見ると、安田記念・エプソムC・日本ダービーと上半期に東京競馬場で行われる重賞が上位となっている。その中でも、安田記念の3着以内馬は〔3・3・1・4〕(3着内率63.6%)、エプソムCの優勝馬は〔2・1・1・3〕(同57.1%)と半数以上が3着以内に入っている。これらに該当する馬は要注目の存在と言えそうだ。〔表3〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
安田記念 | 3-3-2-15 | 13.0% | 26.1% | 34.8% |
エプソムC | 2-2-2-6 | 16.7% | 33.3% | 50.0% |
日本ダービー | 2-1-0-4 | 28.6% | 42.9% | 42.9% |
札幌記念 | 1-1-0-7 | 11.1% | 22.2% | 22.2% |
中山記念 | 1-0-1-0 | 50.0% | 50.0% | 100% |
クイーンエリザベスⅡ世C | 1-0-0-1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
関屋記念 | 0-2-1-3 | 0% | 33.3% | 50.0% |
宝塚記念 | 0-1-1-6 | 0% | 12.5% | 25.0% |
上記以外 | 0-0-3-48 | 0% | 0% | 5.9% |
過去10年の優勝馬延べ10頭中9頭は、東京競馬場の重賞を勝った実績がある馬だった。その中でも特に注目したいのが当レースと同じ東京・芝1800メートルの重賞優勝馬で、該当馬は〔5・4・3・10〕(3着内率54.5%)と過半数が馬券に絡んでいる。〔表4〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9-5-4-32 | 18.0% | 28.0% | 36.0% |
なし | 1-5-6-58 | 1.4% | 8.6% | 17.1% |
過去7年の優勝馬延べ7頭には東京競馬場での重賞勝利歴があった。それだけでなく、これら7頭は東京のGⅠで連対経験があった点も共通している。例年ハイレベルなメンバーがそろう一戦だが、勝ち馬を予想する際は東京競馬場での実績を判断材料にしたい。〔表5〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 東京での重賞勝利歴 | 東京でのGⅠ連対歴 |
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2016年 | ルージュバック | エプソムC | オークス2着 |
2017年 | リアルスティール | 共同通信杯 | 天皇賞(秋)2着 |
2018年 | アエロリット | NHKマイルC | NHKマイルC1着など |
2019年 | ダノンキングリー | 共同通信杯 | 日本ダービー2着 |
2020年 | サリオス | サウジアラビアRC | 日本ダービー2着 |
2021年 | シュネルマイスター | NHKマイルC | NHKマイルC1着 |
2022年 | サリオス | 毎日王冠など | 日本ダービー2着 |
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