今週の注目レース

秋のビッグレースを目指すトップホースたちの競演!「第58回 産経賞オールカマー」
データ分析歴史・プレイバック出走馬情報レース選択へ戻る

出走馬情報

ナカヤマナイト

「夏場は放牧でリフレッシュしました。美浦トレーニング・センターに戻ってからはすこぶる順調に乗り込みを消化しており、動きはひと追い毎に良くなっていますよ。これでレースの週に追えば、出走態勢は十分に整うでしょう。うまく折り合った際の決め手は、このメンバーの中では一枚上のものがありますからね。ここで好結果を残して、この秋の飛躍につなげたいですね」と、陣営は仕上げに熱が入っている。まだ成長途上の段階で挑んだ日本ダービー(4着)でも掲示板を確保した素質の持ち主。昨秋にフランス遠征を経験したことで、精神的にも大きく成長した。4歳の秋シーズンを迎えて、本格化が期待される1頭だ。

 

ルルーシュ

「前走の札幌日経オープン(札幌・芝2600m)を勝ったあとは、ジョッキーとも相談して、産経賞オールカマーに目標を定めて調整してきました。元々大きな期待を寄せていた馬ですが、長い休養期間があったため、やや出世は遅れてしまいました。それでも、能力は文句なく一級品ですからね。ここにきて、ようやく順調にレースを使えるようになり、軌道に乗りました。自在性も出てきただけに、今なら重賞でも楽しみです」と、厩舎サイドのトーンは上がってきた。前走では2着馬を2馬身半突き放す強い内容で勝利を収めて、理想的な形で秋初戦を迎えるだけに、ここは重賞初制覇の大きなチャンスと言えるだろう。

 

ダコール

前走の1600万下・釜山S(小倉・芝2000m、1着)で手綱を取った佐藤哲三騎手がレース後に「リズム良く運べて、強い競馬でした。抜け出してからもまだ余裕がありましたよ。これからがとても楽しみになりましたね」と絶賛していたように、素質馬がいよいよ本格化を迎えた印象だ。ここまで20戦を消化して、5勝2着8回で連対率65%をマーク。相手なりに走れるタイプで、抜群の安定感を誇っている点は大きなセールスポイントと言える。今回は2010年の東京スポーツ杯2歳S(5着)以来、約1年10か月ぶりの重賞挑戦となるが、今の勢いと卓越した瞬発力を発揮すれば、難なくクリアしても驚けない。

 

マイネルキッツ

「今年前半の目標にしていた天皇賞(春)を使えなかったのは誤算でしたが、放牧先から札幌競馬場を経由して9月初旬に美浦トレーニング・センターへ帰厩したあとは、順調に調整を進めています。12日に南Wコースで行った1週前追い切りは併走同入と悪くない内容でした。これでレースの週に追えば、出走態勢は整うでしょう。本質的には叩き良化のタイプですが、今回も別定重量の57キロで出走できますからね。この馬の地力を発揮できれば、見苦しいレースにはならないはずです」と、厩舎サイドはGI ホースの仕上げに懸命な様子だ。中山・芝コースは重賞で好成績を残しており、別定重量も有利な材料。6か月の休み明けでも、注目が必要だろう。

 

コスモラピュタ

「使いつつ雰囲気が良くなってきましたので、前走(1600万下の天の川S、新潟・芝2000m)は期待して送り出しましたが、なかなか強い内容で勝ってくれました。本来の調子に戻れば、重賞でも大きな差はないはずですよ。中山コースとの相性は良い馬なので、自分のリズムで先行できれば、楽しみですね」と、スタッフは同馬の復調を肌で感じ取っている様子だ。前走は1000m通過タイムが58秒6と決して楽なペースではなかったが、2番手追走から直線で抜け出して2着馬を2馬身突き放した内容から、完全に復調したと見てもいいだろう。〔3・1・1・4〕の良績を残す中山・芝コースに舞台が替わるのは歓迎材料だけに、連勝での重賞制覇も夢ではない。

 

ラッキーバニラ

「前走(1600万下の日本海S、新潟・芝2200m、1着)は、昇級して相手も強くなっていましたが、4コーナーまでは後続馬を引き付けて逃げるマイペースの展開に持ち込み、直線で一気にスパートをかけて2着馬の追撃を半馬身凌いだように、収穫の大きな一戦でしたね。この夏にひと回り成長した感じなので、重賞でも楽しみが持てそうです。逃げても2番手でも、リズム良く自分のレースをさせたいですね」と、陣営は目下の充実ぶりをアピールしていた。今夏の福島&新潟開催で見事な連勝を飾った上がり馬。出走メンバーの中では、実績で一歩譲るが、目下の勢いではナンバー1かもしれない。強豪相手にその逃げ脚が通用するのか、注目の重賞参戦と言える。

 

ヒットザターゲット

「前走の札幌記念(11着)は、入れ替わり立ち替わり、他の馬に来られる厳しい展開でしたからね。そのあたりが微妙に影響したのかもしれません。幸い疲れもなく、体調面に不安はありませんので、道中で揉まれず、スムーズに追走できれば、持ち味の末脚を発揮できそうです」と、厩舎スタッフは巻き返しに意欲的だ。重賞初制覇を飾った3走前の新潟大賞典で披露した切れ味はここでも十分に通用するもので、時計の速い決着には強いタイプ。ここで2度目の重賞タイトルを獲得して、再びGI へ駒を進めたいところだろう。

 

ダイワファルコン

放牧先から美浦トレーニング・センターに帰厩したあと、調教で絶好の動きを披露しており、仕上がりの良さが目を引く1頭である。厩舎サイドは前走の七夕賞(9着)の敗因について「道中はエキサイトして走っていたので、最後は集中力が途切れた感じですね」と分析してくれた。今回は「相性の良い中山コースに替わるのはプラス材料です。ここは改めて期待しています」と、前向きな姿勢を見せていた。今年の中山金杯2着を含めて、5勝2着2回の好成績を挙げている中山コースはベストの舞台。今回は2か月半の休み明けとなるが、大きな変わり身を見せても不思議ではない。

 
秋のGI シリーズでの活躍が期待される馬たちが登場する産経賞オールカマー。夏のローカルシリーズで力をつけた“上がり馬”と、夏場の暑い時期を休養に充てていた“実力馬”が激突するこのレースは、秋のGI 戦線を占う意味でも非常に重要な一戦と言えるだろう。2007年の優勝馬マツリダゴッホは同年の有馬記念も制覇。また、2009年の2着馬ドリームジャーニーもその年の有馬記念優勝に結び付けている。開催後半を迎えても、依然として絶好のコンディションが続く中山のターフから目を離せない。

ナカヤマナイト(牡4・二ノ宮敬宇)は、昨年の日本ダービー4着馬。同年秋のフランス遠征で海外の強豪と対戦した経験を活かして、帰国初戦となったオープン特別のディセンバーS(中山・芝1800m)を後方一気の末脚で圧勝、その成果をアピールした。レースキャリアはまだ16戦と浅く、今後の成長が期待される存在だ。4歳の今年は、アメリカジョッキークラブCで2着を確保したあと、産経大阪杯5着、鳴尾記念(今年は6月に芝2000mで開催)4着、続く前走の宝塚記念8着と勝ち切れない競馬が続いた。前走後は放牧でリフレッシュを図られ、今回は3か月ぶりの実戦になるが、乗り込みはすこぶる順調に進んでおり、出走態勢は整ってきた様子。中山・芝コースは、4戦2勝2着2回と連対率100%を誇る得意の舞台だ。ここは、共同通信杯以来となる重賞2勝目の期待が膨らむ。

ルルーシュ(牡4・藤沢和雄)は、今夏の北海道シリーズで巴賞(函館・芝1800m)2着、札幌日経オープン(札幌・芝2600m)1着とオープン特別で好成績を収めて、美浦トレーニング・センターに帰厩した。1年以上の長期休養を経験したことがあってキャリアはまだ9戦のみだが、すでに5勝を挙げており、勝率55.6%をマークしている素質馬だ。4歳の今年は春季開催から順調にレースを消化して、近5戦で3勝2着2回と抜群の安定感を誇っている。今回は相手が強化されるが、この馬もまだ底を見せていない魅力がある。目下の勢いを活かして、初の重賞タイトル獲得を目指す。

ディープインパクト産駒のダコール(牡4・中竹和也)は、デビュー当初から大きな期待を寄せられていた素質馬である。全20戦中で1番人気に10回支持されているのは、その潜在能力の高さを認められてのものだろう。2着8回3着4回と、やや詰めの甘い一面を残していたが、前走の1600万下・釜山S(小倉・芝2000m)では鮮やかな末脚を繰り出して、2着馬エーシンジャッカルに2馬身の差をつけて快勝。それまでの勝ち味の遅さを払拭したレース内容で、いよいよ本格化成った印象が強い。今回は久々の重賞挑戦で相手が大幅に強化されるが、前走勝利の勢いに乗って、上位進出を狙う。

マイネルキッツ(牡9・国枝栄)は、2009年の天皇賞(春)優勝馬。今回のメンバーの中で実績は最上位にランクされる。その他にも、2010年の日経賞、2011年のステイヤーズSを制覇しており、長距離重賞戦線では有数の実力の持ち主だ。今年ですでに9歳を迎えた古豪だが、まだ馬体面に衰えは感じられない。本質的に叩き良化のタイプだけに、休養明けの今回は少々の割引が必要かもしれないが、重賞2勝の実績がある中山コースなら軽視は禁物だ。

コスモラピュタ(牡5・高橋祥泰)は、前走の1600万下・天の川S(新潟・芝2000m)を快勝し、待望のオープンクラス入りを果たした。昨秋以降の4戦では幾らか調子を崩していた感もあったが、今年6月に復帰してから一戦毎に復調を辿り、前走ではハイペースで先行したにもかかわらず、直線で抜け出して、2着馬を2馬身突き放す強い内容で5勝目を飾った。それまでは逃げたレースに良績が多かったが、前走は2番手追走から後続を完封したもので、レースぶりに幅が出てきた点は心強い材料と言える。開催2週目を終えても中山・芝コースは絶好の状態だけに、この馬の軽快な先行力から目を離せない。

ラッキーバニラ(牡5・戸田博文)は、夏の福島開催で1000万下の信夫山特別(芝2600m)を1馬身半差で快勝、続く新潟開催でも1600万下の日本海S(芝2200m)を半馬身差で逃げ切り勝ち。目下2連勝中の上がり馬だ。前走はうまく自分の形に持ち込めたとはいえ、上がり3ハロンを11秒6、11秒2、12秒0でまとめる文句のないレース内容を披露。以前と比べて逃げ脚に磨きがかかった印象で、本格化を果たした今なら、オープンクラスでも通用するはずだ。父がシンボリクリスエス、母の父がサンデーサイレンスで、成長力も十分。一気のV3で重賞奪取を狙う。

ヒットザターゲット(牡4・加藤敬二)は、この春にオープン特別の福島民報杯(福島・芝2000m)を制した勢いに乗って、続く新潟大賞典で2着馬ダンツホウテイに2馬身差の快勝。4歳春を迎えて一気に本格化を示し、見事にステークスウイナーの仲間入りを果たした。前々走の宝塚記念と前走の札幌記念は、さすがに相手が強かった印象でともに11着と大敗を喫したが、まだ見限れない存在だ。気分良く追走したレースで見せる切れ味は、このメンバーに入っても十分通用するものがある。強い相手に揉まれた経験を活かして、2度目の重賞制覇を目指す。

ダイワファルコン(牡5・上原博之)は、中山・芝コースで〔5・2・1・4〕の好戦績を収めており、コース適性はこのメンバーの中でも上位にランクされる馬だ。今年初戦の中山金杯では勝ち馬のフェデラリストからクビ差2着の実績があり、すでに重賞タイトルも手の届くところまできている。前走の七夕賞は道中で口を割って折り合いを欠く仕草を見せ、中団追走から勝負どころで外に持ち出して追い上げたものの、勝ち馬のアスカクリチャンから0秒7差の9着に敗れた。今回はひと息入れて立て直しを図られ、2か月半ぶりの実戦となる。相性抜群の中山コースに戻れば、巻き返しは難しくないはずだ。

コスモファントム(牡5・宮徹)は、昨年の中山金杯と中日新聞杯(小倉・芝2000mで開催)を優勝。中距離実績はこのメンバーに入っても上位にランクされる存在だ。3か月半の休み明けで臨んだ前走の函館記念は8着に敗退。ここは約2か月の間隔を取って、仕切り直しの一戦となる。中山・芝コースは、前記の中山金杯1着を含めて重賞で良績を残しているだけに、休み明けでも侮れない。

このほかにも、昨春の共同通信杯と京都新聞杯でともに2着の実績があるユニバーサルバンク(牡4・松田博資)、一昨年のオークスでアパパネと1着同着を演じたサンテミリオン(牝5・古賀慎明)、2010年の函館記念の覇者で3走前のエプソムCでは15番人気の低評価を覆して3着に好走したマイネルスターリー(牡7・田中剛)など、伏兵陣が虎視眈々と上位食い込みを狙っている。

(片野昌一)

ご注意:当コーナーの情報は、制作段階の情報に基づき制作されております。出走回避などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

ページトップへ戻る