今週の注目レース

春のダート王者へ注目のステップレース!「第19回 平安ステークス」
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出走馬情報

エスポワールシチー

2009年、2010年のJRA賞最優秀ダートホースに選出された現役を代表するダートの強豪。アメリカの国際G1・ブリーダーズCクラシック(チャーチルダウンズ・ダート2000m、10着)に挑戦した2010年の秋以降は大崩れしていないものの、遠征による疲労から本調子になかなか戻れなかったようだが、昨秋のマイルチャンピオンシップ南部杯(東京・ダート1600mで開催)4着あたりから徐々に復調ムード。今回と同じ京都・ダート1800mで行われた前々走のみやこSを58キロで快勝、続く前走のジャパンカップダートでも勝ち馬のトランセンドから0秒3差の3着と、まずまずの結果を残している。自慢のスピードをフルに活かせる東京・ダート1600mが舞台となるフェブラリーSでの王座奪回を目指しており、たとえ前哨戦でもGIII の舞台では負けられないところだろう。この中間の気配もかなり目立っている。

 

アドマイヤロイヤル

ダート路線に転戦してからの成績は〔3・3・1・0〕。7戦を消化して4着以下が一度もないというのだから、ファンにとっては、これほど頼もしい馬もなかなかいない。ダートの重賞初挑戦となった前走の武蔵野Sでは、ナムラタイタンやダノンカモンといった重賞で好走実績を持つ馬を相手に差のない3着。上がり3ハロン35秒4(推定)は出走馬中最速タイムだった。今回は前走以上に相手関係は強力になった印象だが、このメンバーを相手に重賞初制覇を飾るようなら、今年の飛躍は約束されたも同然だろう。ダートでは初めてとなるコーナー4回の競馬、1800mの距離を克服できるかどうかが鍵となりそうだが、これを克服すれば、今後の選択肢も大きく広がる。

 

トウショウフリーク

休養前の未勝利(小倉・芝1800m)で初勝利を収めたあと、戦列復帰した昨春からダートで4連勝を果たし、初の重賞挑戦となった前々走のみやこSでも2着を確保。優勝したエスポワールシチーにマークされる厳しい展開を克服し、3着のニホンピロアワーズ(のちに名古屋・ダート2500mのJpnII・名古屋グランプリを制覇)、4着のワンダーアキュート(重賞3勝)といった実力馬を押さえ込んだレースぶりは、次世代のダート路線のスター候補と感じさせるのに十分な内容だった。激しい先行争いとなったうえに、1コーナーでの不利も影響した前走のジャパンカップダートは15着と大敗したが、最後まで自分のリズムに乗れない走りだったことを思えば、度外視してもいいだろう。〔3・1・0・0〕と好相性の京都・ダート1800mで、みやこSのように自分の形で競馬をすることができれば、巻き返しは可能なはずだ。

 

タガノロックオン

以前のように道中で行きたがる面をほとんど見せず、追って確かな伸び脚を見せた前走の師走S(中山・ダート1800m)は、この馬の精神面の成長を証明した内容と言えるだろう。オープン特別初勝利となったこのレースは、シリウスS4着以来となる約3か月の休み明けで、絞りづらい時季ということもあって、馬体重は前走比10キロ増。数字が示すとおりに、馬体は少し余裕が感じられただけに、休み明けをひと叩きされた上積みはかなり見込めるはずだ。ダート1800mは〔3・0・0・1〕とベストの距離。明け4歳の成長力を加味すれば、相手関係が一気に強化される今回でも、互角以上の競馬が期待できるだろう。

 

シルクシュナイダー

前々走の1000万下(阪神・ダート2000m)に続き、1600万下の初夢S(京都・ダート1800m)も豪快に差し切って、目下2連勝中。急に成績が安定してきたように見えるが、良馬場に限れば、通算成績は〔3・0・1・1〕。唯一の着外は4走前の1000万下・見附特別(新潟・ダート1800m)の2位入線13着降着なら、ほぼパーフェクトな成績と言える。出世が遅れたのは、道悪競馬に何度も泣かされてきたためと見るのが妥当だろう。強力な先行タイプの馬がいるメンバー構成に加えて、厳寒期の馬場なら、それほど上がりの速い決着にもならないはず。常に安定した末脚を発揮できる馬だけに、展開次第では重賞初挑戦でのタイトル奪取も十分にありそうだ。

 

インバルコ

オープン特別を3勝したほか、昨年の平安Sで優勝馬ダイシンオレンジからハナ差の2着、マーチS(阪神・ダート1800mで開催)とJpnII のダイオライト記念(船橋・ダート2400m)でいずれも3着に入った実績がある。いつ重賞を勝っても不思議のない実力馬だが、道中から気合いを付けっぱなしで追わなければ、勝負どころでのポジションを上げ切れないほど、ズブいタイプ。パワーのいる厳寒期の馬場に加えて、速い流れでスタミナが要求されるこの馬向きの展開が予想される今回は、重賞初制覇のチャンスが十分にありそうだ。積極的に外国人騎手を起用しているのもこの馬に合うと判断しているからで、日本人騎手の中で最も手が合うと陣営が断言しているのが、今回の手綱を取る後藤浩輝騎手。どんな競馬を見せてくれるのか、注目したい。

 
これまで、京都のダート1800mで行われてきた重賞は、平安S、アンタレスS、みやこSの3レース。1月下旬に行われる平安SはJRA最初のGI・フェブラリーSの前哨戦とあって、過去の出走馬に著名馬も多いが、意外なことに1番人気馬は12連敗中。昨年まで4月下旬に行われていたアンタレスS(今年から1週繰り上げて、阪神・ダート1800mで開催)も1番人気馬は8連敗を記録している。これに対し、ジャパンカップダートの前哨戦として2010年に新設された11月初旬のみやこSは、第1回の優勝馬トランセンド(2番人気)が2011年、第2回の優勝馬エスポワールシチー(1番人気)が2009年と2010年のJRA賞最優秀ダートホースに選出された強豪で、過去2回ともに平穏な決着に終わっている。同じ条件で行われるダート重賞でも、春季と秋季では対称的な傾向を示しており、この平安Sは“一筋縄ではいかないレース”と捉えるのが正解だろう。

京都・ダート1800mの重賞、みやこSを昨秋に1番人気で圧勝しているエスポワールシチー(牡7・安達昭夫)。今回も圧倒的な支持を集めることになるだろうが、昨秋以降のレースぶりが1戦ごとに上向き傾向とあれば、みやこS以上の内容での勝利を期待したいところだ。前走のジャパンカップダート(3着)後、年明け初戦をこの平安S、2走目に上半期の大目標・フェブラリーSというローテーションが定められた。1週前追い切りも12日に栗東CWコースでしっかりと消化し、出走態勢はほぼ万全。斤量の58キロも昨年のみやこSで克服済みとあれば、死角らしい死角も見当たらない。今年最初のレースを好発進で決めてくれそうだ。

3走前の1000万下・多摩川特別、前々走1600万下の東京ゴールデンプレミアム(ともに東京・ダート1600m)と2連勝を飾ったあと、ダート重賞に初挑戦した前走の武蔵野Sで3着に好走したアドマイヤロイヤル(牡5・橋田満)は、今年の飛躍が期待できる1頭だろう。前走後は短期放牧に出ていたが、12月14日に栗東トレーニング・センターへ帰厩。1月13日には坂路で4ハロン53秒1をマークし、1週前追い切りを無事に終えている。520キロ前後の大型馬の休み明けだけに、当日の馬体重はチェックしておきたいが、ここまでの調整過程は順調と見ても良さそうだ。

初のGI 挑戦となった前走のジャパンカップダートこそ15着と大敗したトウショウフリーク(牡5・鶴留明雄)だが、これは1コーナーで他馬に挟まれるアクシデントが大きく響いてのもの。自分のペースでスムーズな競馬ができれば、巻き返しは可能だろう。芝のGI で3勝を挙げた半姉のスイープトウショウとはかなりタイプが違うが、備えている能力は匹敵するものがあるはず。12日に行われた栗東坂路での1週前追い切りは、なかなか力強い動きだった。

タガノロックオン(牡4・松田博資)は約3か月ぶりのレースとなった前走オープン特別の師走S(中山・ダート1800m)を優勝。ダートの重賞は、昨年のJpnI・ジャパンダートダービー(大井・ダート2000m)3着、レパードS4着、シリウスS4着と勝ち切れないながらも善戦を続けており、今年は重賞のタイトル獲得を期待してもいいはずだ。調教では行きたがる面を見せるが、前走で折り合い面に進境がうかがえたのは好材料だろう。

最も勢いを感じる上り馬が、目下2連勝中のシルクシュナイダー(牡4・須貝尚介)で、セールスポイントは堅実な末脚。前々走1000万下(阪神・ダート2000m)が2馬身半差の快勝、前走1600万下の初夢S(京都・ダート1800m)ではメンバー中最速となる上がり3ハロン36秒4(推定)の末脚を発揮し、クビ差の接戦を制している。今回はGI レース並みの速い流れが予測できるメンバー構成だけに、直線を向いた段階でどれだけ末脚を温存できているかがポイントとなってきそうだ。前走時の馬体重が514キロという大型馬で、太めの残りやすい時季だけに、ここ2戦で順調に使われてきた強みもありそう。

インバルコ(牡6・池江泰寿)は、昨年のこのレースの2着馬。厳しい競馬になればなるほど力を発揮するタイプで、昨年は1〜3着馬が同タイムの接戦だったが、4コーナー8番手からメンバー中最速タイの上がり3ハロン37秒1(推定)の末脚を繰り出して、連対を確保した。3走前のみやこSは、2番手追走のエスポワールシチーが快勝し、逃げたトウショウフリークが2着に粘るという前残りの展開になって、8着に敗退。前2戦のオープン特別は、ベテルギウスS(阪神・ダート2000m)が59キロで2着、師走Sが58.5キロで5着と、重い斤量が影響した印象。56キロで出走できる今回は、昨年の再現があってもいいはずだ。

タカオノボル(牡4・矢作芳人)は、昨夏のレパードSで勝ち馬から0秒3差の2着に入った実績馬。ダートのレースキャリアもまだ6戦と、伸びしろも十分だ。今回は、前走オープン特別のブラジルC(東京・ダート2100m、4着)以来3か月ぶりの実戦となる。栗東トレーニング・センターに帰厩したのが1月4日で、攻め量がまだ少し不足気味なのがどうかだろう。12日に坂路で行われた1週前追い切りではラスト1ハロン14秒1と時計を要していただけに、直前の追い切りの動きに注目したいところだ。

キクノアポロ(牡6・野中賢二)は、前走で地方交流重賞のJpnII・名古屋グランプリに参戦し、勝ち馬のニホンピロアワーズから2秒8も離された4着に完敗。7か月半の休み明けで最後は完全に息切れしてしまった印象だけに、ひと叩きされたことで今回は粘りが増してくるはず。3走前の1600万下・堺S(阪神・ダート2000m)を快勝、前々走オープン特別のブリリアントS(東京・ダート2100m)を圧勝した実力馬だけに、直前の追い切りで復調気配がうかがえるようなら、巻き返しのチャンスはあるだろう。

前走オープン特別の師走Sで、勝ち馬のタガノロックオンからクビ差の2着に惜敗したスタッドジェルラン(牡6・安田隆行)。休み明けを苦にしないタイプだが、それ以上に成績が良いのは〔1・2・0・0〕とパーフェクトの叩き2戦目。相手はかなり強くなるが、ここで通用してもおかしくない能力の持ち主だ。

(松浪大樹)

ご注意:当コーナーの情報は、制作段階の情報に基づき制作されております。出走回避などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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