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『世界の合田』によるレース展望
合田 直弘(海外競馬解説者)ジアヴェロット/ソジー
今年のこのレースは欧州勢同士による争いになるとみる。
セレクションの1頭目には、昨年に続くこのレース連覇を狙うイギリス調教馬ジアヴェロットを抜てきする。昨年のこの馬は、欧州2,400メートルから2,800メートル路線の裏街道を歩んできた印象があったが、今年の同馬は、カルパナを2着に退けてセプテンバーS(G3・イギリス)を制した他、コロネーションカップ(G1・イギリス)3着、凱旋門賞(G1・フランス)4着と、この路線の王道を歩み、好走を続けてきた。昨シーズンよりワンランク、馬がスケールアップした印象がある。コース適性の高さを実証済みなのも、大きな強みだ。
同馬にとって最大の敵は、ソジーだろう。1,850メートルから2,400メートルの距離カテゴリーで3つのG1を制している、フランスにおけるこの路線のトップホースである。同馬を管理するのが、このレース過去3勝と、勝ち方を心得ている伯楽A.ファーブルというのも、大きなファクターだ。
セレクションからは外れたが、ゴリアット、アーバンシック、アルリファーらも、馬券的には抑えたい馬たちと考えている。

1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
エマ・ベリー(イギリス在住競馬ジャーナリスト)ジアヴェロット/アーバンシック
強力な布陣で臨む欧州勢にあって、一番に取り上げたいのは、昨年に続くこのレース連覇を目指すジアヴェロットだ。前々走のセプテンバーS(G3・イギリス)が、のちに英チャンピオンズフィリーズ&メアズS(G1・イギリス)連覇を果たすことになるカルパナを2着に退けての優勝。前走の凱旋門賞(G1・フランス)が4着と、この秋2戦の実績・内容とも申し分なく、連覇へ視界良好と判断する。
能力的にジアヴェロットを上回るものを持つのがA.オブライエン厩舎のロスアンゼルスで、ここがラストランとなるだけに目イチの勝負だとは思うのだが、春先に比べて夏以降は明かにパフォーマンスを落としており、狙いづらい。
2番手に取り上げたいのは、昨年の菊花賞馬アーバンシックだ。前走の天皇賞(秋)(GⅠ)では5着に敗れるも、その後ジャパンカップ(GⅠ)で僅差の2着に入るマスカレードボールとは0秒2差で、力のあるところを示している。約4か月半ぶりの出走だった前走を使われての上積みがあれば、ここでの大駆けがあっておかしくない。
2頭のセレクションには入らなかったが、A.ファーブル厩舎のソジーも高い能力の持ち主で、馬券的には無視できない存在だ。(訳:合田直弘)

ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング(オーストラリア)など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。
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