海外競馬発売

クイーンエリザベスⅡ世カップ(G1)

シャティン競馬場 2000メートル(芝)3歳以上

発売開始時刻
日本時間4月28日(日曜)
ネット投票:午前7時00分
UMACA投票:午前9時20分または午前9時30分
発走予定時刻
日本時間4月28日(日曜)午後5時40分

2019年クイーンエリザベスⅡ世カップレース結果・回顧

揺るぎない自信を持って、日本馬ウインブライトがレコードV

リスグラシュー(牝5歳。栗東・矢作芳人厩舎)が昨年の香港ヴァーズ(G1・香港)でエグザルタントの2着に敗れるとほどなくして、陣営がこの春のクイーンエリザベスⅡ世カップ(G1・香港)への出走意志を固めたことはよく知られている。ディアドラ(牝5歳。栗東・橋田満厩舎)にしても、香港への転戦を前提にしてドバイターフ(G1・UAE)に挑戦した。そして、その2頭同様にこのレースへの出走へ並々ならぬ意欲を示していたのがウインブライト(牡5歳。美浦・畠山吉宏厩舎)だった。

「去年は中山記念を勝ったあとに、これはいけるだろうと大阪杯に向かったところ、全然動きが悪くて(12着)かわいそうなことをしました。冬からずっと放牧へ出さずに在厩していましたし、大丈夫だと思ったのがよくなかったのかも知れません。このレース(クイーンエリザベスⅡ世カップ)なら、大阪杯よりもレース間隔が(約1か月)あるので、中山記念のあとに放牧に出してリフレッシュして臨めましたし、何より小回りの2000メートル戦と条件がいいので……」

そう畠山吉宏調教師は控えめに話す。大阪杯で昨年の雪辱をという声もあっただろう。しかし、中山記念の時点で香港挑戦を明言し、招待されることを前提で放牧に出した。その間、リスグラシューディアドラ、エポカドーロが招待馬に先に選出され、連絡待ちだったときにやきもきしていたということも伝え聞いている。

  • ウインブライトが初G1制覇を香港で達成

  • 笑顔を見せる鞍上の松岡正海騎手

この馬にかける思いが並々ならなかったのは、鞍上の松岡正海騎手もそうだ。今年、この馬とのコンビで中山金杯を勝利し、幸先のいいスタートを切ったはずが好事魔多し。翌日の中山競場馬のパドックで馬に蹴られ、右腕を骨折してしまうアクシデントに見舞われた。それでも、約1か月でレースに復帰。それもウインブライトに騎乗するため、二人三脚で歩んできたこの馬とG1を勝利し「てっぺんの風景」を見るためだ。有言実行。ディアドラ、ステルヴィオ、エポカドーロ、スワーヴリチャード、ラッキーライラックといったGⅠ級のメンバーがそろった中山記念も勝利してみせた。ゆるぎない自信がウインブライトとその関係者たちに宿った瞬間だったといっていいだろう。

しかし、その大事なクイーンエリザベスⅡ世カップのスタートで、最内枠ウインブライトはやや立ち遅れ気味のスタートとなってしまう。シャティン競馬場の芝2000メートルコースにおいて1番枠はそれだけで大きなアドバンテージだが、少しでもスタートが合わないと、外から一気に前に入られてしまい後ろに押し込められる可能性がある。とは言え、そうならないよう挽回しようとして気合をつけると、その分折り合いを欠く危険性があるという諸刃の剣だ。しかし、松岡騎手は慌てず騒がず。前に入ったパキスタンスターが先行馬を追いかけていったため、一気に前が塞がれることがなかったという幸運もあったが、軽く促すと、すっとポジションを挽回し、気が付けばハイペースで飛ばす逃げ馬から離れたインで追走という、理想的なポジションに収まっていた。

直線に向いて、手応え十分ながら一瞬前が壁になるかと思われたが、残り300メートル付近で前のグロリアスフォーエバーの外に進路を見つけると、躊躇なく馬を潜り込ませる。残り100メートルで先頭に立つと、外から並んで追ってきたエグザルタント、リスグラシューを退けてそのままゴールへと飛び込んだ。松岡騎手はその瞬間大きく手を掲げ渾身のガッツポーズ。勝ちタイムは初の1分58秒台となるコースレコードタイム。

  • 会心の勝利に畠山吉宏調教師もこの表情

  • ウインブライトが挙げた8勝はすべて松岡騎手とのコンビでのもの

レース前に香港ジョッキークラブのメディアカンファレスで「なぜ鞍上はルメール騎手や武豊騎手ではなく、松岡騎手なのか?」と、畠山調教師が質問をされた。確かに近年、日本調教馬の海外遠征といえば、ルメール騎手か武豊騎手か、あるいは日本以外で活躍する外国人騎手であることが多い。

騎手だけではない。昨今の海外遠征では、少なくとも通訳やそれを兼ねるレーシングマネージャーなどが帯同するのがスタンダードとなっているなか、、ウインブライトに関しては畠山厩舎のスタッフと、追い切りに駆けつけた松岡騎手が中心という「トレセンチーム」だった。ここ一番での海外トップ騎手の起用や、サポートスタッフがいることはベストを尽くすひとつの手である。しかし。平成最後に、いや平成最後だからこそ、こういった勝利があってもよいのではないだろうかと感じたレースであった。

文:土屋 真光

  • リスグラシューは3着

  • ディアドラは6着

1着 ウインブライト 畠山 吉宏 調教師のコメント
「この場にいさせてくれた香港ジョッキークラブに本当に感謝します。(レースに向けて)特別なことはしていませんが、気候が暑いので消耗を少なくするように心掛けました。(12月の香港について)世界の強豪が集まるので、日本でパワーアップしてまた戻って来るチャンスをもらえるように頑張りたいです」

1着 ウインブライト 松岡 正海 騎手のコメント
「スタートは良くなかったですが、良いポジションがとれて全体的には良かったです。素晴らしい日になったと思います」

3着 リスグラシュー 矢作 芳人 調教師のコメント
「非常に残念です。海外で上手く仕上げるのには心配があるが、今回は上手くいき勝てると思ったのですが。ウインブライトが勝ってくれてチームジャパンとして勝ち馬を褒めたいです」

3着 リスグラシュー O.マーフィー 騎手のコメント
「馬はとてもよく走ってくれました。今日は勝ち馬が強かったですね」

6着 ディアドラ 橋田 満 調教師のコメント
「今回は状態は良かったのですが。位置取りを前にしないとキツいのですが、なかなか行けなかったです」

6着 ディアドラ 武 豊 騎手のコメント
「初めての騎乗でしたが状態は良かったです。パドック、返し馬もいい雰囲気でした。3コーナーでペースが上がった時に楽についていけていればね。4コーナーで置かれた分が痛かったです。(自分は)残念ですが、ウインブライトが勝って日本の馬の強さを示すことができたと思います」

2019年4月28日(日) シャティン競馬場(香港)

8R

第45回 クイーンエリザベス2世カップ(G1)

3歳以上 定量 2000m 芝・右
賞金総額24,000,000香港ドル 発走  16:40 (現地時間)
1着賞金13,680,000香港ドル 芝:良
着順 馬番
(ゲート)
馬 名 (生産国)



騎手 タイム ・
着差



(kg)
調教師 (調教国)


1 4 (01) ウインブライト(JPN) 牡5 57.0 松岡 正海 1:58.81
レコード
483 畠山 吉宏(JPN) 4
2 1 (06) エグザルタント(IRE) せん5 57.0 Z.パートン 3/4 474 A.クルーズ(HK) 1
3 12 (04) リスグラシュー(JPN) 牝5 55.5 O.マーフィー 1 458 矢作 芳人(JPN) 2
4 3 (07) グロリアスフォーエバー(GB) せん5 57.0 K.リョン 1 3/4 523 F.ロー(HK) 9
5 5 (02) パキスタンスター(GER) せん6 57.0 M.チャドウィック 2 530 P.オサリバン(HK) 7
6 13 (05) ディアドラ(JPN) 牝5 55.5 武 豊 4 1/4 503 橋田 満(JPN) 3
7 9 (03) ダークドリーム(AUS) せん4 57.0 T.クラーク 5 1/4 493 F.ロー(HK) 8
8 10 (11) ディノーゾ(IRE) せん6 57.0 C.ホー 7 1/4 478 J.サイズ(HK) 13
9 6 (13) イーグルウェイ(AUS) せん6 57.0 U.リスポリ 8 1/4 494 J.ムーア(HK) 10
10 8 (09) フローレ(NZ) せん4 57.0 H.ボウマン 9 490 F.ロー(HK) 5
11 2 (10) タイムワープ(GB) せん6 57.0 K.ティータン 13 1/2 566 A.クルーズ(HK) 11
12 11 (08) ワイクク(IRE) せん4 57.0 J.モレイラ 22 494 J.サイズ(HK) 6
13 7 (12) エミネント(IRE) 牡5 57.0 J.マクドナルド 49 1/4 498 M.トッド(GB) 12
 着差は1着馬からの着差を表しております。
払戻金
単勝 4 850円 4番人気 馬連 1-4 1,490円 5番人気 馬単 4-1 3,300円 11番人気
複勝 4
1
12
240円
120円
130円
5番人気
1番人気
2番人気
ワイド 1-4
4-12
1-12
520円
570円
180円
5番人気
6番人気
1番人気
3連複 1-4-12 1,360円 2番人気
3連単 4-1-12 9,650円 20番人気

香港ジョッキークラブの結果ページ(外部サイトに接続されます)

ページトップへ戻る