アーモンドアイが衝撃的な世界デビュー

「アーモンドアイは勝つだろう？」

現地で取材をした1週間弱の間に、果たして何人の関係者にそう聞かれたか分からない。果ては同じドバイターフで騎乗する騎手からもそう言われた。彼女の評判は一足先に世界を駆け回っており、あとは彼女自身と結果がそれを追いかける事となった。その幕開けとなったのが、今回の中東遠征だった。

アーモンドアイ（牝4歳。国枝栄厩舎）はメンコ（耳覆い）とシャドーロール。現地の調教ではそれらを装着せずクロス鼻革だけで対応する日もあったが、実戦ではいつも通りの馬装。パドックから返し馬へ向かうまで、多少興奮気味なのもいつも通りの事だった。

そしてゲートが開くと鞍上の指示通りに落ち着いて走るのもまたいつも通り。好スタートを切ったが無理に前へ行くことはなく、中団に収まった。

逃げたのはセンチュリードリームでウートンが2番手。中団、馬群の中にドリームキャッスルがいて、その外、7番手くらいにアーモンドアイ。その後ろにロードグリッターズ、中にヴィブロス（牝6歳。友道康夫厩舎）、内にディアドラ（牝5歳。橋田満厩舎）という態勢で3、4コーナーを回る。

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  アーモンドアイが直線で抜け出して優勝

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  “世界デビュー戦”を難なく制したアーモンドアイとルメール騎手のコンビ

直線、先頭は相変わらずセンチュリードリームだが、その手応えは決して楽ではない。2番手争いはインにドリームキャッスル、中にウィズアウトパロールがいたが、この両頭も早々に鞭が入る手応え。とくにドリームキャッスルはラスト300メートル付近から急失速し、最後はシンガリ13着まで後退。レース後の獣医師の診断ではとくに問題が見つからなかったそうだが、明らかにおかしな走りではあった。

これら前を行く3頭の鞍上がすでに追い出しているのに対し、ほぼ持ったまま進出してきたのがアーモンドアイだ。ゴールまで300メートルを切った付近で全く違う手応えのままサッと先行勢をかわして早くも先頭に立った。
抜け出した女王にすがりつこうと伸びて来たのはヴィブロス。そして大外からロードグリッターズも必死に食らいつくように伸びる。この2頭が思った以上にアーモンドアイとの差を詰めたものの、追いつくのは無理。結局1分46秒78で走り切ったアーモンドアイが2着ヴィブロスに1.25馬身の差をつけてG�T5連勝、海外初優勝を飾った。

「初の海外遠征だったけど、良い状態だったので、普通に競馬をしてくれれば好勝負になるとは思っていました」
平然とそう述べたのは国枝栄調教師。騎乗したC.ルメール騎手は笑顔で次のように語った。
「負けるとしたら自分がミスをした時だと思っていました。そういう意味でプレッシャーはあったけど、やっぱりアーモンドアイは強かったです」

ヴィブロスは3年連続のドバイターフ連対。ディアドラはインから外へ出してよく追い上げたものの直線で下がってきた馬の後ろになるシーンもあり、4着までに終わった。
世界中のトップホースマンが集う舞台でついにベールを脱いだ日本の女王。秋には凱旋門賞を狙うと言う。そのための“プレップ”をどうするかだけが、さしあたっての課題のようだ。

文：平松　さとし

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  アーモンドアイ関係者の皆様

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  ヴィブロスはドバイターフ
  3年連続出走で1、2、2着の成績

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  ディアドラはドバイターフ
  2年連続出走で3、4着となった

1着 アーモンドアイ 国枝 栄 調教師のコメント
「道中は楽な手応えでした。コーナーで外に出したところで包まれる心配がなくなり、安心して見ていられました。もう少しスッと行くかと思いましたが、ヴィブロスはすごい馬だなと思いました。どれくらいのパフォーマンスを見せられるかと思っていましたが、90点と言えるパフォーマンスだったと思います」

1着 アーモンドアイ C.ルメール 騎手のコメント
「スタート後はいつも通りのテンションで、落ち着いて走っていました。3コーナーから4コーナーで自分から動いていきました。手応えはとても良く、直線に入ってからも普段通りの脚で伸びてくれました。ラスト400メートルで勝てると思いました」

2着 ヴィブロス 友道 康夫 調教師のコメント
「ジョッキーが作戦通りに乗ってくれました。位置取りも追い出すタイミングも完璧でした。ドバイも3回目ですが、本当にドバイが合っているようですし、ドバイに感謝しています。これで引退となりますが、今度はヴィブロスの子供でドバイに来たいと思います」

2着 ヴィブロス M.バルザローナ 騎手のコメント
「完璧なレースでした。最初は行きたがっていましたが、上手くなだめて良いポジションを取ることが出来ました。アーモンドアイの後ろで脚をためて、最後は素晴らしい末脚を見せてくれました」

4着 ディアドラ 橋田 満 調教師のコメント
「内枠だったので、最後の直線で外に出すのに少し戸惑ってしまいました。最後は良く伸びてきていましたし、頑張ってくれたと思います。次走は予定通り香港へ向かいます」

4着 ディアドラ J.モレイラ 騎手のコメント
「レース前も落ち着いていました。スタートも良く出て、最後も良い脚を使っているのですが、前の馬が止まりませんでした。距離は2000メートルの方が合っていると思います」

	2019年3月30日（土） メイダン競馬場（アラブ首長国連邦）

7R	第24回 ドバイターフ（G1）

北半球産馬４歳以上，南半球産馬３歳以上　定量			1800m　芝・左
賞金総額	：	6,000,000米ドル	発走　 19:20 （現地時間）
１着賞金	：	3,600,000米ドル	天候：晴　芝：良

着順	馬番 (ゲート)	馬 名　（生産国）	性 齢	負 担 重 量	騎手	タイム ・ 着差	馬 体 重 (kg)	調教師　（調教国）	単 勝 人 気
1	7　(07)	アーモンドアイ(JPN)	牝4	55.0	Ｃ．ルメール	1:46.78		国枝　栄(JPN)	1
2	4　(04)	ヴィブロス(JPN)	牝6	55.0	Ｍ．バルザローナ	1.25		友道　康夫(JPN)	4
3	6　(06)	ロードグリッターズ(FR)	せん6	57.0	Ｄ．タドホープ	0.5		Ｄ．オメーラ(GB)	9
4	3　(03)	ディアドラ(JPN)	牝5	55.0	Ｊ．モレイラ	4.25		橋田　満(JPN)	3
5	12　(12)	ウィズアウトパロール(GB)	牡4	57.0	Ｌ．デットーリ	アタマ		Ｊ．ゴスデン(GB)	7
6	1　(01)	サザンレジェンド(AUS)	せん6	57.0	Ｚ．パートン	4		Ｃ．ファウンズ(HK)	8
7	11　(11)	センチュリードリーム(IRE)	牡5	57.0	Ｏ．マーフィー	アタマ		Ｓ．クリスフォード(GB)	10
8	5　(05)	マジェスティックマンボ(SAF)	せん4	57.0	Ａ．マーカス	1		Ｍ．デコック(SAF)	13
9	13　(13)	ウートン(FR)	牡4	57.0	Ｗ．ビュイック	1		Ｃ．アップルビー(UAE)	5
10	10　(10)	ユーロンプリンス(SAF)	牡4	57.0	Ｂ．フェイデルベ	クビ		Ｍ．デコック(SAF)	11
11	8　(08)	アイキャンフライ(GB)	牝4	55.0	Ｒ．ムーア	0.75		Ａ．オブライエン(IRE)	6
12	9　(09)	マウンテンハンター(USA)	せん5	57.0	Ｐ．コスグレイヴ	2.5		Ｓ．ビン・スルール(UAE)	12
13	2　(02)	ドリームキャッスル(GB)	せん5	57.0	Ｃ．スミヨン	ハナ		Ｓ．ビン・スルール(UAE)	2

単勝	7	120円	1番人気	馬連	4-7	670円	3番人気	馬単	7-4	630円	3番人気
複勝	7 4 6	110円 220円 1,550円	1番人気 4番人気 11番人気	ワイド	4-7 6-7 4-6	290円 2,880円 17,010円	3番人気 22番人気 52番人気	３連複	4-6-7	25,190円	54番人気
								３連単	7-4-6	56,020円	112番人気

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