2024年 重賞レース一覧菊花賞
春の実績馬と夏の上がり馬、どちらにも注目すべき存在がそろった菊花賞(GⅠ)。中でも日本ダービー1着以来の実戦となったダノンデサイルが1番人気の支持を集めたが、6着に敗れて二冠制覇ならず。勝ったのは2番人気のアーバンシックだ。
レースはいわゆる“出入りの激しい”展開となった。スタート直後は日本ダービーでも隊列を先導したエコロヴァルツが主導権を握ったものの、1周目スタンド前では神戸新聞杯を逃げ切ったメイショウタバルがハナを奪う。1コーナーを過ぎたところで条件クラス3連勝中のピースワンデュックが前に出て、4コーナーでは古馬相手に3勝クラスを勝ったシュバルツクーゲル、2勝クラス快勝のアドマイヤテラが早めの仕掛けでマクっていく。
乱ペースへの対応に苦労したか、好位の内にいたダノンデサイルは徐々に後退。皐月賞2着馬で3番人気のコスモキュランダも押し上げに苦労していた。
これらとは対照的にスムーズな走りを実現したのがアーバンシックだ。まずは中団馬群で折り合い、周囲の動きに合わせてゆっくりと位置取りを上げ、4コーナーでは早くも3番手。直線では外に持ち出されてスパート態勢へと移行する。春は皐月賞4着、日本ダービー11着と敗れたアーバンシックだったが、京成杯ではダノンデサイルを追い詰め、秋初戦のセントライト記念を鋭く差し切った素質馬だ。鞍上クリストフ・ルメール騎手も「前走で彼のポテンシャルを感じた。3000メートルを乗り切るのに必要なスタミナと能力そのものの高さ、その両方を持っている馬」と、自信たっぷりに前を追う。
すぐさま先頭へと躍り出たアーバンシックは、交わされても粘るアドマイヤテラと、3勝クラス・日本海S完勝のヘデントールによる際どい2着争いを2馬身半後方に見ての1着ゴール。春の雪辱を果たすとともに、最後の一冠を堂々と手中に収めたのだった。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬 番 |
馬名 | 性齢 | 負担 重量 |
騎手名 | タイム | 着差 | コーナー 通過順位 |
推定上り | 馬体重 (増減) |
調教師名 | 単勝 人気 |
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1 | 13 | アーバンシック | 牡3 | 57.0 | C.ルメール | 3:04.1 |
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35.6 | 510(0) | 武井 亮 | 2 | ||
2 | 16 | ヘデントール | 牡3 | 57.0 | 戸崎 圭太 | 3:04.5 | 2 1/2 |
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35.8 | 472(-8) | 木村 哲也 | 4 | |
3 | 17 | アドマイヤテラ | 牡3 | 57.0 | 武 豊 | 3:04.5 | ハナ |
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36.3 | 482(+4) | 友道 康夫 | 7 | |
4 | 11 | ショウナンラプンタ | 牡3 | 57.0 | 鮫島 克駿 | 3:04.5 | クビ |
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35.8 | 536(+6) | 高野 友和 | 6 | |
5 | 7 | ビザンチンドリーム | 牡3 | 57.0 | A.シュタルケ | 3:04.6 | クビ |
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35.4 | 456(-2) | 坂口 智康 | 9 | |
6 | 4 | ダノンデサイル | 牡3 | 57.0 | 横山 典弘 | 3:04.8 | 1 1/2 |
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35.5 | 522(+18) | 安田 翔伍 | 1 | |
7 | 12 | シュバルツクーゲル | 牡3 | 57.0 | 松山 弘平 | 3:06.0 | 7 |
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37.8 | 486(-2) | 鹿戸 雄一 | 14 | |
8 | 5 | ハヤテノフクノスケ | 牡3 | 57.0 | 岩田 望来 | 3:06.3 | 1 1/2 |
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37.1 | 516(0) | 中村 直也 | 15 | |
9 | 15 | エコロヴァルツ | 牡3 | 57.0 | 岩田 康誠 | 3:06.3 | ハナ |
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37.2 | 488(+4) | 牧浦 充徳 | 12 | |
10 | 18 | アレグロブリランテ | 牡3 | 57.0 | 横山 和生 | 3:07.1 | 5 |
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37.1 | 466(0) | 上原 佑紀 | 18 | |
11 | 8 | ウエストナウ | 牡3 | 57.0 | 西村 淳也 | 3:07.2 | 3/4 |
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38.2 | 488(-4) | 佐々木 晶三 | 11 | |
12 | 6 | ミスタージーティー | 牡3 | 57.0 | 坂井 瑠星 | 3:07.3 | 1/2 |
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38.5 | 474(+2) | 矢作 芳人 | 13 | |
13 | 14 | メリオーレム | 牡3 | 57.0 | 藤岡 佑介 | 3:08.0 | 4 |
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38.9 | 488(+2) | 友道 康夫 | 10 | |
14 | 9 | コスモキュランダ | 牡3 | 57.0 | M.デムーロ | 3:08.4 | 2 1/2 |
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39.4 | 512(+8) | 加藤 士津八 | 3 | |
15 | 1 | ピースワンデュック | 牡3 | 57.0 | 柴田 善臣 | 3:09.1 | 4 |
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40.4 | 452(-2) | 大竹 正博 | 8 | |
16 | 10 | メイショウタバル | 牡3 | 57.0 | 浜中 俊 | 3:09.3 | 1 1/4 |
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40.7 | 502(+6) | 石橋 守 | 5 | |
17 | 3 | アスクカムオンモア | 牡3 | 57.0 | 北村 友一 | 3:09.8 | 3 |
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39.8 | 484(+2) | 藤原 英昭 | 16 | |
18 | 2 | ノーブルスカイ | 牡3 | 57.0 | 池添 謙一 | 3:19.7 | 大差 |
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50.5 | 464(-2) | 高柳 大輔 | 17 |
ハロンタイム | 12.6 - 12.0 - 12.4 - 13.0 - 12.0 - 11.7 - 12.4 - 12.7 - 12.3 - 12.6 - 12.6 - 11.9 - 12.0 - 11.8 - 12.1 |
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上り | 4F 47.8 - 3F 35.9 |
1コーナー | (10,*1)2(6,12)15,8(4,13)(11,14)(5,7,18)17,9,16,3 |
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2コーナー | 1(10,2)(6,12)-(15,8)13,4(11,14)(5,18,17)7-(9,16)-3 |
3コーナー(2周目) | (1,10,*12,17)(6,2,13)(8,16)11(15,14,9)(4,5,7)-18,3 |
4コーナー(2周目) | (12,*17)13,11,16(1,9)(8,14)(6,10,7)15,5,4-(18,2,3) |
勝馬 | アーバンシック [牡3・栗毛] 父:スワーヴリチャード 母:エッジースタイル |
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馬主 | 有限会社 シルクレーシング |
生産地 | 北海道勇払郡安平町 |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 7戦4勝 |
獲得賞金 | 350,448,000円 |
主な勝鞍 | 重賞2勝目 2024年 朝日杯セントライト記念(GⅡ) |
騎手 | C.ルメール:4勝目 2016年 サトノダイヤモンド 2018年 フィエールマン 2023年 ドゥレッツァ |
調教師 | 武井 亮:初勝利 |