JBCクラシックからは、勝ち馬ケイティブレイブ、2着に追い込んだオメガパフューム、3着に粘ったサンライズソア、フェブラリーS覇者ノンコノユメ（4着）らが歩を進めてきた。さらにJBCレディスクラシック1着のアンジュデジール、3連勝で武蔵野Sを制したサンライズノヴァ、米G1馬パヴェルも出走。昨年の覇者ゴールドドリームの回避はあったものの、十分に魅力あるメンバーがチャンピオンズカップ（GⅠ）のゲートに収まった。

こうした強豪に囲まれながら単勝オッズ1.9倍の断然人気を集め、その期待に力強く応えてみせたのが、3歳の雄ルヴァンスレーヴだ。

スタートに課題のあるルヴァンスレーヴだが、この日はスンナリと飛び出し、ハナに立ったアンジュデジールの直後へ。「いいところを取れて、道中はずっと馬なりだった」と鞍上ミルコ・デムーロ騎手が言う通り、楽々と向こう正面から3コーナー、4コーナーと駆けていく。直線に入っても余裕たっぷりの仕掛け。粘るアンジュデジール、並びかけるヒラボクラターシュ、外から脚を伸ばすサンライズソア、3頭の間を割るスパートで、これらをあっという間に突き放していく。「追い出してからも素晴らしい走りだった」とデムーロ騎手が舌を巻く力強いストライド。インから鋭く追い込んできたウェスタールンドに2馬身半差をつける圧巻のゴールを決めてみせたのだった。

デビューから一貫してダートを走り、これで8戦7勝・2着1回となったルヴァンスレーヴ。2歳時には全日本2歳優駿を、今夏はジャパンダートダービーを制して世代の頂点に立つと、前走・マイルチャンピオンシップ南部杯を3歳馬として初めて勝利、そこではゴールドドリームも撃破した。早くもダート界の頂点に立ったと言っていいだろう。「アーモンドアイのダート版だね」とデムーロ騎手も讃える強さと快進撃は、どこまで続くのか。夢と期待が高まる完勝劇であった。

（谷川 善久）