第38回 ジャパンカップ

アーモンドアイが驚異のレコードVで断然人気に応える

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ジャパンカップ(GⅠ)で単勝オッズ1.4倍の断然人気を集めたのはアーモンドアイ。3歳牝馬三冠を成し遂げたとはいえ、古馬とは初対決。しかも相手は、大阪杯勝ち馬スワーヴリチャード、京都大賞典で復活を遂げたサトノダイヤモンド、昨年の菊花賞馬キセキ、連覇を狙うシュヴァルグラン、さらには愛ダービー馬カプリやカナディアンインターナショナル2着のサンダリングブルーといった一流馬たちだ。

それでもファンはアーモンドアイの素質を信じ、そして彼女は、圧倒的なパフォーマンスでその期待に応えてみせるのだった。

大方の予想通りキセキがハナを主張すると、1枠から好スタートを切ったアーモンドアイもスッと2、3番手の位置へ。1000メートル通過59秒9の緩みないラップを、鞍上のクリストフ・ルメール騎手いわく「いいリズムでリラックスしていた。速かったけれど流れに乗れた」という無理のない追走で、向こう正面、3コーナー、4コーナーと駆けていく。

そして直線。各馬がスパート態勢へと移る中、アーモンドアイだけは余裕の手応え。ようやくムチが入ったのは坂を上り切ってから、残り300メートルを越えた地点のことだった。

「いいペースを維持できるうえにゴールまで加速する。特別な馬。言葉がない」

ルメール騎手も驚嘆する末脚を爆発させたアーモンドアイは、直後にいたスワーヴリチャードを一瞬で突き放し、粘るキセキもアッサリ交わすと、1馬身4分の3差をつけて先頭ゴール。従来のコースレコードを1.5秒も更新する驚異的な勝ち時計2分20秒6を叩き出して、日本最強の座へと上り詰めたのである。

アーモンドアイに待ち受ける未来を訊ねられて、凱旋門賞に「行かなくてはいけない」と答えたルメール騎手。確かに、こんなにも強くて、速くて、そして美しい存在が日本にはいるのだと世界に知らしめることは、夢や希望ではなく、もはや責務。そう思わせるほどの完勝劇であった。

(谷川 善久)

2018年11月25日(日曜) 5回東京8日

11R 第38回 ジャパンカップGⅠ

サラ系3歳以上
コース 2400m 芝・左
(国際)(指定) オープン
定量
本賞金(万円):3000012000750045003000
付加賞(万円):302.486.443.2
発走 15:40
天候:晴   芝:良

着順 馬番 馬名 性齢 負担重量 騎手 タイム 着差 推定上り 馬体重 調教師 単勝人気
1 枠1白 1 アーモンドアイ 牝3 53.0 C.ルメール 2:20.6 レコード 34.1 472 -8 国枝栄 1
2 枠5黄 8 キセキ 牡4 57.0 川田将雅 2:20.9 1 3/4 34.7 504 +8 中竹和也 4
3 枠7橙 11 スワーヴリチャード 牡4 57.0 M.デムーロ 2:21.5 3 1/2 34.7 510 0 庄野靖志 2
4 枠6緑 9 シュヴァルグラン 牡6 57.0 C.デムーロ 2:21.5 クビ 34.5 468 -4 友道康夫 5
5 枠4青 5 ミッキースワロー 牡4 57.0 横山典弘 2:21.9 33.9 482 0 菊沢隆徳 8
6 枠3赤 3 サトノダイヤモンド 牡5 57.0 J.モレイラ 2:21.9 クビ 34.7 504 -8 池江泰寿 3
7 枠2黒 2 カクチハッピーグリン 牡3 55.0 服部茂史 2:22.2 1 3/4 34.9 460 +4 田中淳司 14
8 枠8桃 14 ウインテンダネス 牡5 57.0 内田博幸 2:22.3 クビ 35.3 506 +2 杉山晴紀 10
9 枠3赤 4 サトノクラウン 牡6 57.0 W.ビュイック 2:22.6 35.1 500 +18 堀宣行 9
10 枠4青 6 カクガイサンダリングブルー せん5 57.0 F.ベリー 2:23.4 35.0 482 前計不 D.ムニュイジエ 7
11 枠7橙 12 カクガイカプリ 牡4 57.0 R.ムーア 2:23.7 1 3/4 36.0 480 前計不 A.オブライエン 6
12 枠6緑 10 ガンコ 牡5 57.0 蛯名正義 2:24.3 3 1/2 37.4 506 +6 松元茂樹 11
13 枠8桃 13 ノーブルマーズ 牡5 57.0 高倉稜 2:24.8 38.2 492 -4 宮本博 12
14 枠5黄 7 サウンズオブアース 牡7 57.0 田辺裕信 2:25.2 2 1/2 38.0 490 -2 藤岡健一 13
タイム
ハロンタイム 12.9 - 10.8 - 12.2 - 12.3 - 11.7 - 11.8 - 11.7 - 11.4 - 11.4 - 11.0 - 11.4 - 12.0
上り 4F 45.8 - 3F 34.4
コーナー通過順位
1コーナー 8-13(1,10)(11,14)-(2,9)(3,7)4,12,5,6
2コーナー 8-(1,13)10,11,14(2,9)(3,7)(4,12)5,6
3コーナー 8-(1,13)(11,10)(14,9)(2,3,7)4-12-5-6
4コーナー 8-(1,13)(11,10)(14,9)(3,7)2,4,12,5-6
払戻金
単勝 1 140円 1番人気
複勝 1 110円 1番人気
8 160円 4番人気
11 150円 2番人気
枠連 1-5 600円 3番人気
馬連 1-8 590円 3番人気
ワイド 1-8 230円 1番人気
1-11 240円 2番人気
8-11 470円 5番人気
馬単 1-8 700円 3番人気
3連複 1-8-11 960円 3番人気
3連単 1-8-11 2,690円 6番人気
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勝馬の情報
勝馬 アーモンドアイ
[牝3・鹿毛]
父:ロードカナロア
母:フサイチパンドラ
馬主 有限会社 シルクレーシング
生産地 北海道勇払郡安平町
生産牧場 ノーザンファーム
戦績 7戦6勝
獲得賞金 720,223,000円
主な勝鞍 重賞5勝目
2018年 日刊スポーツ賞シンザン記念(GⅢ)
2018年 桜花賞(GⅠ)
2018年 優駿牝馬(GⅠ)
2018年 秋華賞(GⅠ)
騎手 C.ルメール:2勝目
2009年 ウオッカ
調教師 国枝 栄:初勝利
注記:戦績・獲得賞金は2018年ジャパンカップ(GⅠ)終了時点