阪神ジュベナイルフィリーズ（GⅠ）で1番人気に支持されたのはリバティアイランド。新潟・芝1600メートルの新馬戦で上がり3ハロン31秒4（推定）という衝撃のタイムを叩き出し、観る者を震撼させた存在だ。続くアルテミスSでも当然のように注目を集めたが、直線、馬群の中から外へと持ち出すのに手間取り、まさかの2着。ここはその雪辱戦、あらためて真価を問われるレースとなった。

サフラン賞を3馬身差で逃げ切ったサンティーテソーロが今日も好スタートを決め、17頭を先導する。ファンタジーS勝ち馬リバーラやコスモス賞1着のモリアーナなどが続き、ファンタジーS2着のブトンドール、新馬、もみじSと2連勝中のウンブライル、アルテミスSを制したラヴェル、札幌2歳S覇者ドゥーラらは後方からという展開だ。

600メートル通過33秒7と速い流れの中、リバティアイランドは中団に構える。鞍上の川田将雅騎手いわく「彼女の取りたい位置を取らせてあげて、あとはリズムよく走ることに重きを置いた」という追走だった。

勝負は4コーナーから直線へ。外からジワリとスパート態勢に移ったリバティアイランドは、やはり弾けた。「道中の雰囲気はとても良かった。その手応え通りの反応。もう負けることはないな、と思った」と川田騎手が抱いた印象のままの豪快なスパート。あっという間に先行勢を飲み込み、内から割って出てきたシンリョクカと外を伸びたドゥアイズの2着争いに2馬身半差をつけての快勝で、2歳女王の座を手に入れたのである。

落ち着いた走り、前を捉えに行く力強さ、そして鋭い末脚が光ったリバティアイランド。川田騎手の「前走で学んだことをいい形で使うことができた。来年にもつながる」という言葉に加えて、父はタイトルホルダーやスターズオンアースなどを送り出しているドゥラメンテ、母は豪G1勝ち馬ヤンキーローズという血統からも、先々が楽しみな1頭である。

（谷川　善久）