2022年 重賞レース一覧天皇賞(春)
阪神大賞典を連覇し、昨年2着惜敗の雪辱に準備万端のディープボンドが1番人気に推された天皇賞(春)(GⅠ)。他にも、ステイヤーズSと阪神大賞典で連続2着のアイアンバローズ、4連勝でダイヤモンドSを制したテーオーロイヤル、日経賞僅差3着のヒートオンビート、万葉Sを差し切ったマカオンドールなど、スタミナ自慢たちが顔をそろえた。
これらを相手に、小細工なし、堂々の逃げ切り勝ちを決めたのが、日経賞1着をステップに臨む昨年の菊花賞馬タイトルホルダー。メンバー中唯一のGⅠウィナーである。
鞍上の横山和生騎手は、「返し馬で雰囲気の良さを感じた。折り合いの不安もない馬。しっかり出していこう」と、スタートしてすぐにタイトルホルダーを先頭へと導く。テーオーロイヤル、ディープボンド、アイアンバローズら多くの有力馬も好位をキープするが、タイトルホルダーもまた軽快。「この馬の力を信じて、邪魔しないよう、仲良く走ろう」という横山騎手と共に悠々ラップを刻み、後続を引き離していく。
向こう正面に差し掛かるあたりでは、「息を入れたいタイミングを、馬が自分でわかっているかのよう」という横山騎手の言葉通り、ややペースを落として2番手以下を引きつけたタイトルホルダー。そこで力をためて、3コーナー過ぎにはふたたびペースアップ、誰にも先頭を譲らないまま直線へ向かうこととなる。
そこからは圧巻のラストスパート。追いすがるテーオーロイヤルを突き放すと、さらに差を広げていく。最後は、さすがの底力で2着まで押し上げてきたディープボンドに7馬身の差をつけて、タイトルホルダーは完勝のゴールを飾ったのである。
菊花賞を逃げ切った弟・横山武史騎手から手綱を受け継ぎ、結果を出した兄・横山和生騎手。嬉しいGⅠ初制覇は“同じ馬での兄弟騎手GⅠ勝利”、さらに、祖父・横山富雄騎手、父・横山典弘騎手に続く“父子三代での天皇賞制覇”も成し遂げる、歴史的な勝利ともなったのだった。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手名 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師名 | 単勝人気 |
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1 | 16 | タイトルホルダー | 牡4 | 58.0 | 横山 和生 | 3:16.2 |
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36.4 | 474(-2) | 栗田 徹 | 2 | ||
2 | 18 | ディープボンド | 牡5 | 58.0 | 和田 竜二 | 3:17.3 | 7 |
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37.1 | 504(-6) | 大久保 龍志 | 1 | |
3 | 7 | テーオーロイヤル | 牡4 | 58.0 | 菱田 裕二 | 3:17.4 | 1 |
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37.4 | 460(+4) | 岡田 稲男 | 4 | |
4 | 9 | ヒートオンビート | 牡5 | 58.0 | 池添 謙一 | 3:18.0 | 3 1/2 |
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37.0 | 478(-2) | 友道 康夫 | 5 | |
5 | 1 | アイアンバローズ | 牡5 | 58.0 | 石橋 脩 | 3:18.3 | 2 |
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37.7 | 496(-2) | 上村 洋行 | 3 | |
6 | 11 | マイネルファンロン | 牡7 | 58.0 | 松岡 正海 | 3:18.7 | 2 1/2 |
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37.9 | 478(-12) | 手塚 貴久 | 14 | |
7 | 13 | ロバートソンキー | 牡5 | 58.0 | 伊藤 工真 | 3:18.8 | 3/4 |
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37.5 | 470(-12) | 林 徹 | 10 | |
8 | 14 | ヴァルコス | 牡5 | 58.0 | 三浦 皇成 | 3:18.9 | 1/2 |
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37.6 | 518(0) | 友道 康夫 | 17 | |
9 | 6 | メロディーレーン | 牝6 | 56.0 | 岩田 望来 | 3:19.0 | クビ |
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38.0 | 352(+6) | 森田 直行 | 16 | |
10 | 10 | トーセンカンビーナ | 牡6 | 58.0 | 藤岡 康太 | 3:19.4 | 2 1/2 |
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37.8 | 472(-2) | 加藤 征弘 | 18 | |
11 | 5 | マカオンドール | 牡4 | 58.0 | 松山 弘平 | 3:20.2 | 5 |
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39.3 | 488(-4) | 今野 貞一 | 6 | |
12 | 3 | ディバインフォース | 牡6 | 58.0 | 田辺 裕信 | 3:20.2 | ハナ |
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38.7 | 462(-2) | 寺島 良 | 12 | |
13 | 4 | ユーキャンスマイル | 牡7 | 58.0 | 藤岡 佑介 | 3:20.7 | 2 1/2 |
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39.4 | 516(+2) | 友道 康夫 | 13 | |
14 | 8 | クレッシェンドラヴ | 牡8 | 58.0 | 内田 博幸 | 3:21.1 | 2 1/2 |
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40.7 | 496(-10) | 林 徹 | 15 | |
15 | 12 |
ハヤヤッコ
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牡6 | 58.0 | 武 豊 | 3:21.1 | クビ |
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39.6 | 476(-8) | 国枝 栄 | 11 | |
16 | 2 | ハーツイストワール | 牡6 | 58.0 | C.ルメール | 3:22.2 | 7 |
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41.6 | 480(-10) | 国枝 栄 | 7 | |
17 | 15 | タガノディアマンテ | 牡6 | 58.0 | 幸 英明 | 3:24.1 | 大差 |
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41.5 | 484(0) | 鮫島 一歩 | 9 | |
中止 | 17 | シルヴァーソニック | 牡6 | 58.0 | 川田 将雅 |
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454(+6) | 池江 泰寿 | 8 |
ハロンタイム | 12.7 - 11.9 - 11.9 - 12.0 - 12.0 - 11.9 - 12.2 - 12.8 - 13.3 - 12.9 - 12.3 - 12.0 - 11.9 - 11.5 - 11.7 - 13.2 |
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上り | 4F 48.3 - 3F 36.4 |
1コーナー | 16-8,15(7,18)-1(2,6)(11,9,14)13,5(4,12)-3-10 |
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2コーナー | 16,8,15(7,18)(2,1)6(11,14)9(4,13)5(3,12)-10 |
3コーナー(2周目) | 16-(8,7)18,2,1(11,6)(9,14,5)(4,13,12,15)3,10 |
4コーナー(2周目) | 16,7-18-(8,2,1)(9,11)5,6(4,13,14)(10,3,12)=15 |
勝馬 | タイトルホルダー [牡4・鹿毛] 父:ドゥラメンテ 母:メーヴェ |
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馬主 | 山田 弘氏 |
生産地 | 北海道日高郡新ひだか町 |
生産牧場 | 岡田スタツド |
戦績 | 11戦5勝 |
獲得賞金 | 589,331,000円 |
主な勝鞍 | 重賞4勝目 2021年 報知杯弥生賞ディープインパクト記念(GⅡ) 2021年 菊花賞(GⅠ) 2022年 日経賞(GⅡ) |
騎手 | 横山 和生:初勝利 |
調教師 | 栗田 徹:初勝利 |