2022年 重賞レース一覧天皇賞(秋)
フルゲートに満たない15頭で争われることとなった天皇賞(秋)(GⅠ)。だが個性あふれる、そして高い実力を備えた面々が集い、スリリングなレースが繰り広げられた。
白熱の一戦を鋭く差し切ったのは、1番人気の3歳馬イクイノックスだ。
まずスタンドを驚きで揺らしたのはパンサラッサ。ドバイターフを逃げ切ったスピードをここでも遺憾なく発揮し、後続を大きく引き離していく。そのパンサラッサを札幌記念で破ったジャックドールが好位に構え、直後には昨年の日本ダービーと今年のドバイシーマクラシックを制したシャフリヤール、さらには皐月賞馬ジオグリフが続く。イクイノックスは、共同通信杯勝ち馬ダノンベルーガを従える形で中団の外に控えていた。
パンサラッサは1000メートル通過57秒4という速いラップを刻んだ後もペースを落とさず、10馬身以上のリードを保ったまま直線へ。そこからは、逃げ切れるのか、それとも誰かが追いつくのか。渾身の追い比べとなった。
馬場の真ん中からジャックドール、内に潜り込んでダノンベルーガがそれぞれ追撃。が、これらを上回る末脚を披露したのがイクイノックスだ。
「パンサラッサがかなり前にいて心配になったけれど、反応良く加速してくれた」と鞍上のクリストフ・ルメール騎手。確かに、皐月賞、日本ダービーとも2着惜敗に終わった春の悔しさを晴らすかのようにイクイノックスは弾けた。“JRA平地GⅠで1番人気は16連敗中”という呪縛も突き破り、粘りに粘るパンサラッサを鮮やかに交わし去ると、1馬身の差をつけてゴールへ。「春はアンラッキーだったが、本当のイクイノックスを見せられた」とルメール騎手が語った通りの、待望のGⅠ初制覇である。
「初のGⅠだけれど最後のGⅠではない。もっと良くなる」と、ルメール騎手は愛馬の将来を確約する。イクイノックスには、瞬発力と成長力を武器にGⅠ戦線の中心的存在となってくれることを期待しよう。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手名 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師名 | 単勝人気 |
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1 | 7 | イクイノックス | 牡3 | 56.0 | C.ルメール | 1:57.5 |
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32.7 | 488(+4) | 木村 哲也 | 1 | ||
2 | 3 | パンサラッサ | 牡5 | 58.0 | 吉田 豊 | 1:57.6 | 1 |
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36.8 | 472(+2) | 矢作 芳人 | 7 | |
3 | 5 | ダノンベルーガ | 牡3 | 56.0 | 川田 将雅 | 1:57.7 | クビ |
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32.8 | 500(+6) | 堀 宣行 | 4 | |
4 | 9 | ジャックドール | 牡4 | 58.0 | 藤岡 佑介 | 1:57.8 | 1/2 |
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33.5 | 508(-8) | 藤岡 健一 | 3 | |
5 | 8 | シャフリヤール | 牡4 | 58.0 | C.デムーロ | 1:58.1 | 2 |
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33.6 | 456(前計不) | 藤原 英昭 | 2 | |
6 | 2 | カラテ | 牡6 | 58.0 | 菅原 明良 | 1:58.2 | 1 |
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33.4 | 528(-4) | 辻野 泰之 | 9 | |
7 | 1 | マリアエレーナ | 牝4 | 56.0 | 松山 弘平 | 1:58.2 | ハナ |
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33.5 | 426(+2) | 吉田 直弘 | 6 | |
8 | 14 | ユーバーレーベン | 牝4 | 56.0 | M.デムーロ | 1:58.3 | クビ |
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33.3 | 476(-22) | 手塚 貴久 | 10 | |
9 | 6 | ジオグリフ | 牡3 | 56.0 | 福永 祐一 | 1:58.3 | クビ |
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33.6 | 506(+14) | 木村 哲也 | 5 | |
10 | 13 | アブレイズ | 牝5 | 56.0 | T.マーカンド | 1:58.3 | クビ |
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33.7 | 494(-4) | 池江 泰寿 | 13 | |
11 | 10 | ノースブリッジ | 牡4 | 58.0 | 岩田 康誠 | 1:58.4 | アタマ |
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34.0 | 492(-2) | 奥村 武 | 11 | |
12 | 15 | カデナ | 牡8 | 58.0 | 三浦 皇成 | 1:58.4 | クビ |
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33.2 | 478(0) | 中竹 和也 | 15 | |
13 | 4 | ポタジェ | 牡5 | 58.0 | 吉田 隼人 | 1:58.4 | クビ |
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33.4 | 468(+2) | 友道 康夫 | 8 | |
14 | 11 | レッドガラン | 牡7 | 58.0 | 横山 和生 | 1:58.7 | 1 1/2 |
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33.4 | 520(+6) | 安田 隆行 | 14 | |
15 | 12 | バビット | 牡5 | 58.0 | 横山 典弘 | 1:58.7 | アタマ |
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34.6 | 462(-12) | 浜田 多実雄 | 12 |
ハロンタイム | 12.6 - 10.9 - 11.2 - 11.3 - 11.4 - 11.6 - 11.8 - 11.6 - 12.4 - 12.7 |
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上り | 4F 48.5 - 3F 36.7 |
2コーナー | 3(10,12)(1,9)(6,8)(2,13)7,5,4-11-14-15 |
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3コーナー | 3=12-10,9(1,8)(2,6,13)7(4,5)(11,14)15 |
4コーナー | 3=12(10,9)(8,13)(1,6)(2,7)(4,5,14)(11,15) |
勝馬 | イクイノックス [牡3・青鹿毛] 父:キタサンブラック 母:シャトーブランシュ |
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馬主 | 有限会社 シルクレーシング |
生産地 | 北海道勇払郡安平町 |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 5戦3勝 |
獲得賞金 | 403,242,000円 |
主な勝鞍 | 重賞2勝目 2021年 東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅡ) |
騎手 | C.ルメール:6勝目 2018年(秋) レイデオロ 2019年(春) フィエールマン 2019年(秋) アーモンドアイ 2020年(春) フィエールマン 2020年(秋) アーモンドアイ |
調教師 | 木村 哲也:初勝利 |