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直線距離 | 高低差 | 発走距離 |
---|---|---|
310m | 5.3m |
1,200m(外)、1,600m(外) 1,800m(内)、2,000m(内) 2,200m(外)、2,500m(内) 2,600m(外)、3,200m(外・内) 3,600m(内)、4,000m(外) |
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コース | 一周距離 | 幅員 |
---|---|---|
A | 1,667.1m(内回り) 1,839.7m(外回り) |
20〜32m(内回り) 24〜32m(外回り) |
B | 1,686m(内回り) 1,858.5m(外回り) |
17〜29m(内回り) 21〜29m(外回り) |
C | 1,704.8m(内回り) 1,877.3m(外回り) |
14〜26m(内回り) 18〜26m(外回り) |
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一周距離 | 幅員 | 直線距離 | 高低差 | 発走距離 |
---|---|---|---|---|
1,493m | 20〜25m | 308m | 4.5m | 1,000m、1,200m、1,700m、1,800m、2,400m、2,500m |
一周距離 | 1,456.4m |
---|---|
襷 | 447.5m、424.3m |
幅員 | 20m〜30m |
高低差 | 1号坂路 | 1/8〜1/19 長さ78m、高さ3.57m |
---|---|---|
2号坂路 | 下り1/12 上り1/11 長さ113m、高さ5.30m |
|
3号坂路 | 1/12〜1/8 長さ92m、高さ4.74m |
|
発走距離 | 芝 | 2,710m(内)、3,030m(外)、 3,210m(内)、3,350m(外)、 3,370m(外)、3,570m(内)、 4,100m(内)、4,250m(外)、 4,260m(外) |
ダート | 2,700m、2,880m、 3,200m |
1号障害 | 水ごう | 高さ1.2m 幅3.7m (いけ垣0.7m 水ごう2.7m) |
---|---|---|
2号障害 | いけ垣 片面飛越 |
高さ1.4m 幅2.4m (いけ垣1.4m) |
3号障害 | いけ垣 片面飛越 |
高さ1.4m 幅2.3m (いけ垣1.3m) |
4号障害 | 竹柵 片面飛越 (上下動式) |
高さ1.2m〜1.3m 幅1.6m (竹柵0.95m) |
5号障害 | いけ垣 両面飛越 |
高さ1.4m 幅2.4m (いけ垣1.4m) |
6号障害 | 大竹柵 片面飛越 |
高さ1.6m 幅2.05m (竹柵1.4m) |
7号障害 | 大いけ垣 片面飛越 |
高さ1.6m 幅2.4m (いけ垣1.4m) |
8,9号障害 | ハードル 片面飛越 |
高さ1.3m 幅1.5m (竹柵0.4m) |
10号障害 | ハードル 片面飛越 |
高さ1.2m 幅1.15m (竹柵0.5m) |
1号坂路 | (谷) | 下り1/8 上り1/19 |
2号坂路 | (谷) | 下り1/12 上り1/11 |
3号坂路 | (谷) | 下り1/12 上り1/8 |
中山競馬場の芝コースには「内回り」と「外回り」の設定がある。2つのコースは2コーナーで分岐し、3コーナーで再び合流。もともとは3コーナーから向正面奥にかけて新設された芝1200メートル用の走路を、その後、さらに延伸して2コーナーにつなげ、現在のレイアウトになった。ちなみに、有馬記念が行われる芝2500メートル戦は内回りが舞台だが、スタート後、まっすぐにコーナーへ進入できるよう、発走地点は外回りコース上に設けられている。
外回りコースに比べ、2コーナーと3コーナーのカーブがかなりタイトな内回りコースは、見た目通りの「小回り」コース。実際、内回りコースの1周距離(1667.1メートル。芝コースの距離についてはAコースの数値を用いる)は札幌競馬場(1640.9メートル)と大差なく、310メートルという直線の長さも、いわゆる4大場(東京、中山、京都、阪神)の中ではもっとも短い。1周距離が1839.7メートルという外回りコースはともかく、内回りコースのサイズは「少し大きめのローカル場」と表現するのが当たっている。
とはいえ、コース全体の高低差は内回り、外回りとも5.3メートル。JRA全10場の中でも最大(次位は京都競馬場・外回りの4.3メートル)で、2階建ての建物に相当するこの高低差が、中山のレースに独特のアクセントを加えている。
全体の起伏を見ていくと、ゴール地点から1コーナーにかけて上り勾配が続き、2コーナーの手前で最高到達点を迎える。内回り、外回りとも、そこからは下り勾配に転じ、間に平坦部分を挟みながらホームストレッチ半ばの最深部まで延々と長い下り坂が続く。そして、ゴール前に待ち受けるのが中山名物の急坂。残り180メートルから残り70メートル地点にかけて設けられている上り坂の高低差は2.2メートル、最大勾配の2.24%も10場最大で、馬たちにとっては文字通り、“最後の難関”と言える。
一方のダートコースも、起伏構成は芝コースとほぼ同じ。1周距離が1493メートル、直線の長さが308メートルと、全体のサイズは「ローカル場を少し大きくした程度」に過ぎないが、全体の高低差は4.5メートルにも及び、ゴール前には芝コースと同様の高低差がある急坂が設けられている。
さて、2コーナーから下り勾配が続き、直線も短い中山のレースは、総じて瞬発力勝負にはなりにくい。直線の長いコースでは残り600メートル地点くらいからペースが上がるのが一般的だが、中山ではペースアップのタイミングが早く、瞬発力より持久力勝負を得意とする馬がしばしば台頭。また、軽快に飛ばしてきた馬が直線の急坂で失速し、形勢が一変することも多く、スリリングな攻防からは最後まで目が離せない。
コースは右回りで、ダートのレースは1200メートルのみが芝スタート。起伏に富んだ地形は障害コースにも上手く生かされており、深い“谷”を上り下りする坂路障害も中山の名物だ。春の中山グランドジャンプ、暮れの中山大障害と、1年に2回しか使用されない襷コース(通称・大障害コース)には、大竹柵、大いけ垣という、こちらも名うての難関が設置されている。
文:石田敏徳(2019年9月時点)