2020年 重賞レース一覧ヴィクトリアマイル
オークス馬ラヴズオンリーユー、昨年の1、2着馬であるノームコアとプリモシーン、今季重賞3連勝中と勢いに乗るサウンドキアラなどが顔をそろえたヴィクトリアマイル(GⅠ)。中でも注目の的は、やはり、約5か月ぶりの実戦を迎えたアーモンドアイだった。
熱発のため香港遠征を回避し、急遽参戦の有馬記念では9着、そしてレース中止のため走らぬままドバイから帰国……。昨秋以降、不完全燃焼の日々を過ごしてきたアーモンドアイ。自身初となる着外に敗れたダメージはないのか? 体調や仕上がりは? いくつものクエスチョンがアーモンドアイの周囲に渦巻く。が、復活を信じるファンは、この馬を1.4倍の断然人気に推し上げていた。
そして女王は期待に応えて、難敵たちを事もなげに平伏させることとなる。
「大人になって、パドックからスタートまでいい感じだった」とアーモンドアイの鞍上クリストフ・ルメール騎手。ゲートも鮮やかに決め、スッと好位の5、6番手に落ち着く。トロワゼトワルが作り出した1000メートル通過56秒7という緩みのない流れも、「サウンドキアラの後ろ、外からプレッシャーのかからない、いいポジション。リラックスしていて乗りやすかった」と、余裕たっぷりの追走だ。
やがて直線。各馬がスパート態勢に移る中で、アーモンドアイだけは涼しげな顔。じりじりと前との差を詰め、並びかけ、抜け出し、瞬時に突き放す。しかもノーステッキ。レース後に「めちゃくちゃ強かった。やっぱり特別な馬」と振り返りつつも、極めて冷静だったルメール騎手の表情からは、ここで負けるわけがないという自信すら感じられた、そんなラストスパートだった。
本来の力の半分も出していないかのような立ち居振る舞いで、4馬身差の勝利。女王の女王たる所以を見せつけて、アーモンドアイは通算7つ目となるGⅠタイトルを手中に収めたのである。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師 | 単勝人気 |
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1 | 12 | アーモンドアイ | 牝5 | 55.0 | C.ルメール | 1:30.6 |
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32.9 | 486(0) | 国枝 栄 | 1 | ||
2 | 18 | サウンドキアラ | 牝5 | 55.0 | 松山 弘平 | 1:31.3 | 4 |
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33.8 | 460(+2) | 安達 昭夫 | 4 | |
3 | 16 | ノームコア | 牝5 | 55.0 | 横山 典弘 | 1:31.3 | クビ |
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33.2 | 466(-12) | 萩原 清 | 5 | |
4 | 13 | トロワゼトワル | 牝5 | 55.0 | 三浦 皇成 | 1:31.4 | 1/2 |
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34.7 | 466(-16) | 安田 隆行 | 12 | |
5 | 7 | ダノンファンタジー | 牝4 | 55.0 | 川田 将雅 | 1:31.5 | 1/2 |
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33.5 | 466(-20) | 中内田 充正 | 6 | |
6 | 4 | シゲルピンクダイヤ | 牝4 | 55.0 | 和田 竜二 | 1:31.6 | 3/4 |
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33.2 | 456(-2) | 渡辺 薫彦 | 11 | |
7 | 1 | ラヴズオンリーユー | 牝4 | 55.0 | M.デムーロ | 1:31.8 | 1 |
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33.5 | 466(-6) | 矢作 芳人 | 3 | |
8 | 5 | プリモシーン | 牝5 | 55.0 | D.レーン | 1:32.0 | 1 1/4 |
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33.4 | 496(-4) | 木村 哲也 | 2 | |
9 | 2 | ビーチサンバ | 牝4 | 55.0 | 福永 祐一 | 1:32.0 | クビ |
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33.4 | 468(0) | 友道 康夫 | 9 | |
10 | 3 | シャドウディーヴァ | 牝4 | 55.0 | 池添 謙一 | 1:32.2 | 1 1/2 |
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33.4 | 472(+8) | 斎藤 誠 | 10 | |
11 | 15 | アルーシャ | 牝5 | 55.0 | 北村 宏司 | 1:32.3 | 1/2 |
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33.2 | 442(+4) | 藤沢 和雄 | 15 | |
12 | 6 | トーセンブレス | 牝5 | 55.0 | 柴田 善臣 | 1:32.3 | ハナ |
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33.3 | 474(+2) | 加藤 征弘 | 13 | |
13 | 11 | サトノガーネット | 牝5 | 55.0 | 吉田 豊 | 1:32.4 | クビ |
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33.5 | 428(-12) | 矢作 芳人 | 16 | |
14 | 17 | コントラチェック | 牝4 | 55.0 | 武 豊 | 1:32.4 | アタマ |
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35.4 | 466(-6) | 藤沢 和雄 | 8 | |
15 | 14 | スカーレットカラー | 牝5 | 55.0 | 石橋 脩 | 1:32.8 | 2 1/2 |
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34.5 | 482(-8) | 高橋 亮 | 7 | |
16 | 10 | メジェールスー | 牝5 | 55.0 | 岡田 祥嗣 | 1:33.3 | 3 |
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35.6 | 474(-10) | 藤原 英昭 | 14 | |
取消 | 8 | ディメンシオン | 牝6 | 55.0 | 松田 大作 |
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藤原 英昭 | ||||||
取消 | 9 | セラピア | 牝4 | 55.0 | 田辺 裕信 |
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藤岡 健一 |
ハロンタイム | 12.0 - 10.9 - 11.3 - 11.4 - 11.1 - 11.2 - 11.1 - 11.6 |
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上り | 4F 45.0 - 3F 33.9 |
3コーナー | 13-17,18(10,12)7,16(1,4,5,14)3,2,11(6,15) |
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4コーナー | 13-17-18(10,12)(7,16)(1,4,14)(2,5)3,11(6,15) |
返還馬番 9番 返還同枠 5枠
勝馬 | アーモンドアイ [牝5・鹿毛] 父:ロードカナロア 母:フサイチパンドラ |
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馬主 | 有限会社シルクレーシング |
生産地 | 北海道勇払郡安平町 |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 12戦9勝(海外含む) (内中央) 11戦8勝 (内海外) 1戦1勝 |
獲得賞金 | 1,406,633,900円 (内中央) 1,010,933,000円 (内海外) 395,700,900円 |
主な勝鞍 | 重賞8勝目 2018年 日刊スポーツ賞シンザン記念(GⅢ) 2018年 桜花賞(GⅠ) 2018年 優駿牝馬(GⅠ) 2018年 秋華賞(GⅠ) 2018年 ジャパンカップ(GⅠ) 2019年 ドバイターフ(G1)〔ドバイ〕 2019年 天皇賞(秋)(GⅠ) |
騎手 | C.ルメール:2勝目 2017年 アドマイヤリード |
調教師 | 国枝 栄:2勝目 2011年 アパパネ |