2020年 重賞レース一覧スプリンターズステークス
秋のGⅠシーズン開幕戦・スプリンターズS(GⅠ)。“無観客競馬”が続く中でのレースとなったものの、多くのファンが、桁外れともいえる女王の走りを画面越しに堪能したはずだ。1番人気グランアレグリア、直線一気の完勝劇である。
高松宮記念との短距離二冠を狙うモズスーパーフレアと、そこへ絡む唯一の3歳馬ビアンフェが後続を引き離していく。600メートル通過は32秒8。厳しい流れを、セントウルSを制したダノンスマッシュは好位の内、復活Vに懸けるミスターメロディ、函館スプリントS完勝のダイアトニック、北九州記念を差し切ったレッドアンシェルらは中団から追走する。
「スタートがゆっくりで、1200メートルを走るリズムも見つからなかった」とクリストフ・ルメール騎手が語ったように、グランアレグリアは15番手。後ろにはシルクロードS勝ち馬アウィルアウェイただ1頭という位置だ。それでも「ペースが速かったし、パニックにはならなかった」と、自信たっぷりに3コーナー、4コーナーと駆けていく。
やがて直線。ダノンスマッシュとミスターメロディが逃げ粘るモズスーパーフレアをジリジリと追い詰め、その後ろからも各馬が押し寄せる。
そんな展開を、大外から鮮やかに飲み込んだのがグランアレグリアだ。次元の異なる末脚とは、まさにこのこと。安田記念以来4か月ぶりの実戦も問題なし。馬体重12キログラム増は充実を示す数字だったのだろう。幾多の名馬に跨ってきたルメール騎手が「信じられない。強い。強い」とうなるほどの瞬発力を見せつけ、しぶとく伸びるダノンスマッシュと鋭く追い込むアウィルアウェイの2着争いに2馬身の差をつけて、グランアレグリアはゴールを駆け抜ける。
桜花賞は早め先頭から押し切ったのに対し、安田記念、そして今回は、共に強烈な末脚でGⅠを連勝。自在性あふれるスピードで、グランアレグリアは短距離女王の座へと上り詰めたのだった。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師 | 単勝人気 |
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1 | 10 | グランアレグリア | 牝4 | 55.0 | C.ルメール | 1:08.3 |
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33.6 | 504(+12) | 藤沢 和雄 | 1 | ||
2 | 3 | ダノンスマッシュ | 牡5 | 57.0 | 川田 将雅 | 1:08.6 | 2 |
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35.0 | 472(+2) | 安田 隆行 | 3 | |
3 | 16 | アウィルアウェイ | 牝4 | 55.0 | 松山 弘平 | 1:08.7 | 1/2 |
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33.7 | 478(-4) | 高野 友和 | 10 | |
4 | 7 | ミスターメロディ | 牡5 | 57.0 | 福永 祐一 | 1:08.8 | 1/2 |
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35.0 | 492(-2) | 藤原 英昭 | 7 | |
5 | 15 | クリノガウディー | 牡4 | 57.0 | 三浦 皇成 | 1:09.0 | 1 |
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34.6 | 490(0) | 藤沢 則雄 | 9 | |
6 | 13 |
レッドアンシェル
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牡6 | 57.0 | M.デムーロ | 1:09.0 | アタマ |
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34.7 | 474(-4) | 庄野 靖志 | 4 | |
7 | 5 | メイショウグロッケ | 牝6 | 55.0 | 浜中 俊 | 1:09.1 | 1/2 |
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35.4 | 460(-4) | 荒川 義之 | 12 | |
8 | 1 | ダイメイプリンセス | 牝7 | 55.0 | 秋山 真一郎 | 1:09.1 | ハナ |
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35.1 | 504(+2) | 森田 直行 | 15 | |
9 | 6 | ライトオンキュー | 牡5 | 57.0 | 古川 吉洋 | 1:09.1 | ハナ |
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35.4 | 512(0) | 昆 貢 | 6 | |
10 | 2 | モズスーパーフレア | 牝5 | 55.0 | 松若 風馬 | 1:09.3 | 1 |
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36.5 | 502(-6) | 音無 秀孝 | 2 | |
11 | 14 | エイティーンガール | 牝4 | 55.0 | 池添 謙一 | 1:09.3 | ハナ |
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34.8 | 448(-8) | 飯田 祐史 | 8 | |
12 | 4 |
キングハート
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牡7 | 57.0 | 北村 宏司 | 1:09.3 | クビ |
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35.3 | 500(-4) | 星野 忍 | 16 | |
13 | 9 | ダイアトニック | 牡5 | 57.0 | 横山 典弘 | 1:09.7 | 2 1/2 |
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35.7 | 474(-2) | 安田 隆行 | 5 | |
14 | 8 | ダイメイフジ | 牡6 | 57.0 | 菱田 裕二 | 1:09.7 | アタマ |
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35.4 | 506(-14) | 森田 直行 | 13 | |
15 | 11 |
ラブカンプー
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牝5 | 55.0 | 斎藤 新 | 1:09.8 | 1/2 |
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36.4 | 448(-2) | 森田 直行 | 14 | |
16 | 12 | ビアンフェ | 牡3 | 55.0 | 藤岡 佑介 | 1:10.3 | 3 |
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37.5 | 560(0) | 中竹 和也 | 11 |
ハロンタイム | 11.9 - 10.1 - 10.8 - 11.5 - 11.9 - 12.1 |
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上り | 4F 46.3 - 3F 35.5 |
3コーナー | (*2,12)-11,3(5,6)7(1,4,9)(8,13)15,14,10-16 |
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4コーナー | 2,12-7(11,3)6(4,5)1,9(8,13)(14,15)10-16 |
勝馬 | グランアレグリア [牝4・鹿毛] 父:ディープインパクト 母: タピッツフライ |
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馬主 | 有限会社サンデーレーシング |
生産地 | 北海道勇払郡安平町 |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 9戦6勝 |
獲得賞金 | 586,645,000円 |
主な勝鞍 | 重賞5勝目 2018年 サウジアラビアロイヤルカップ(GⅢ) 2019年 桜花賞(GⅠ) 2019年 阪神カップ(GⅡ) 2020年 安田記念(GⅠ) |
騎手 | C.ルメール:2勝目 2019年 タワーオブロンドン |
調教師 | 藤沢 和雄:3勝目 1997年 タイキシャトル 2019年 タワーオブロンドン |