2020年 重賞レース一覧優駿牝馬(オークス)
優駿牝馬(オークス/GⅠ)ではデアリングタクトが単勝オッズ1.6倍の断然人気に支持された。楽に差し切った新馬戦、4馬身差圧勝のエルフィンS、重馬場を苦もなく伸びた桜花賞と、ここまで3戦3勝。まだマイル戦しか経験していないが、その豪脚は世代随一、東京の芝2400メートルでも突き抜けてくれるはず。それがファンの見立てだった。
デビュー以来コンビを組む松山弘平騎手は、さすがに「プレッシャーがあった」と振り返る。だが、「馬は落ち着いていたし、厩舎がしっかり仕上げてくれていた。最後は凄い脚を使える馬だから」と自信を抱いての騎乗となった。
桜花賞で3着に逃げ粘ったスマイルカナがハナを切り、フローラS勝ち馬ウインマリリン、桜花賞4着クラヴァシュドールらが先団を形成。その後ろに忘れな草賞を制したウインマイティー、クイーンC1着のミヤマザクラなどが続き、シンザン記念優勝のサンクテュエール、スイートピーSの直線一気で急浮上してきたデゼルらは後方から追走する。
デアリングタクトは中団やや後ろ、馬群の内。好スタートを決めたものの「何度か狭くなったりぶつけられたりする中で、突っ張るより脚を溜めることに専念しようと思った」という位置取りだ。
緩みのないペースで最終コーナーを回り切り、直線の追い比べへと移行する18頭。デアリングタクトは、まだ馬群の中。いったん外へ進路を取ろうとするも、すぐに切り替えて馬群の間を突く。そこからは一瞬だった。力強く抜け出し、前で競り合うウインマリリンとウインマイティーを鮮やかに捉えると、これらに半馬身差をつけて1着ゴールを果たした。
「馬に助けてもらった」と松山騎手。確かに、他の馬を遥かに凌駕する末脚。圧倒的な力を誇示して、デアリングタクトは、1957年のミスオンワード以来63年ぶり、史上2頭目となる“無敗での牝馬クラシック二冠制覇”という大偉業を成し遂げたのだった。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師 | 単勝人気 |
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1 | 4 | デアリングタクト | 牝3 | 55.0 | 松山 弘平 | 2:24.4 |
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33.1 | 466(0) | 杉山 晴紀 | 1 | ||
2 | 16 | ウインマリリン | 牝3 | 55.0 | 横山 典弘 | 2:24.5 | 1/2 |
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34.0 | 452(+2) | 手塚 貴久 | 7 | |
3 | 7 | ウインマイティー | 牝3 | 55.0 | 和田 竜二 | 2:24.6 | クビ |
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34.1 | 474(+6) | 五十嵐 忠男 | 13 | |
4 | 6 | リアアメリア | 牝3 | 55.0 | 川田 将雅 | 2:24.7 | 3/4 |
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33.7 | 474(-4) | 中内田 充正 | 8 | |
5 | 12 | マジックキャッスル | 牝3 | 55.0 | 浜中 俊 | 2:24.8 | 3/4 |
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33.4 | 422(-2) | 国枝 栄 | 14 | |
6 | 15 | チェーンオブラブ | 牝3 | 55.0 | 石橋 脩 | 2:24.9 | クビ |
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33.4 | 462(-4) | 小笠 倫弘 | 17 | |
7 | 10 | ミヤマザクラ | 牝3 | 55.0 | 武 豊 | 2:24.9 | クビ |
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34.1 | 468(-2) | 藤原 英昭 | 4 | |
8 | 5 | ホウオウピースフル | 牝3 | 55.0 | 内田 博幸 | 2:25.0 | クビ |
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34.3 | 476(-2) | 大竹 正博 | 10 | |
9 | 11 | リリーピュアハート | 牝3 | 55.0 | 福永 祐一 | 2:25.1 | 1/2 |
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33.9 | 430(-8) | 藤原 英昭 | 6 | |
10 | 17 | マルターズディオサ | 牝3 | 55.0 | 田辺 裕信 | 2:25.1 | アタマ |
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34.4 | 434(-6) | 手塚 貴久 | 12 | |
11 | 1 | デゼル | 牝3 | 55.0 | D.レーン | 2:25.1 | ハナ |
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33.8 | 460(-8) | 友道 康夫 | 2 | |
12 | 13 | ウーマンズハート | 牝3 | 55.0 | 藤岡 康太 | 2:25.2 | 1/2 |
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34.2 | 456(-4) | 西浦 勝一 | 15 | |
13 | 18 | サンクテュエール | 牝3 | 55.0 | C.ルメール | 2:25.4 | 1 1/4 |
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34.1 | 458(+2) | 藤沢 和雄 | 5 | |
14 | 14 | フィオリキアリ | 牝3 | 55.0 | 田中 勝春 | 2:25.6 | 1 1/2 |
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35.1 | 424(-10) | 清水 久詞 | 16 | |
15 | 2 | クラヴァシュドール | 牝3 | 55.0 | M.デムーロ | 2:25.7 | 3/4 |
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35.4 | 440(-2) | 中内田 充正 | 3 | |
16 | 8 | スマイルカナ | 牝3 | 55.0 | 柴田 大知 | 2:25.8 | クビ |
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35.6 | 420(+4) | 高橋 祥泰 | 9 | |
17 | 3 | アブレイズ | 牝3 | 55.0 | 藤井 勘一郎 | 2:26.1 | 2 |
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35.7 | 478(-2) | 池江 泰寿 | 11 | |
18 | 9 | インターミッション | 牝3 | 55.0 | 石川 裕紀人 | 2:26.3 | 3/4 |
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34.7 | 402(-4) | 手塚 貴久 | 18 |
ハロンタイム | 12.3 - 11.1 - 12.0 - 12.3 - 12.1 - 12.7 - 13.0 - 12.6 - 12.1 - 11.2 - 11.2 - 11.8 |
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上り | 4F 46.3 - 3F 34.2 |
1コーナー | (*8,16)(2,3)(5,14)7,13(10,17)(4,6,9)(1,18)12-11-15 |
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2コーナー | 8-16(2,3)(7,5,14)(10,13,17)6(4,9)(1,18)(11,12)-15 |
3コーナー | 8(16,2)3(7,5,14)(10,13,17)-6(4,9,18)(11,1)(12,15) |
4コーナー | (*8,2)3(16,7,14)(5,17)10(13,6)11(4,18,1)12(9,15) |
勝馬 | デアリングタクト [牝3・青鹿毛] 父:エピファネイア 母:デアリングバード |
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馬主 | 株式会社ノルマンディーサラブレッドレーシング |
生産地 | 北海道沙流郡日高町 |
生産牧場 | 長谷川牧場 |
戦績 | 4戦4勝 |
獲得賞金 | 293,891,000円 |
主な勝鞍 | 重賞2勝目 2020年 桜花賞(GⅠ) |
騎手 | 松山 弘平:初勝利 |
調教師 | 杉山 晴紀:初勝利 |