2020年 重賞レース一覧菊花賞
1984年シンボリルドルフ、そして2005年ディープインパクト。日本の競馬史において、いまだ2頭しか達成していない“無敗のクラシック三冠”。いま新たな名が、そこに書き加えられた。皐月賞と日本ダービーを含めデビューから6連勝中のコントレイルが菊花賞(GⅠ)も制覇、史上3頭目となる大偉業を成し遂げたのである。
宣言通りに逃げたキメラヴェリテやセントライト記念勝ち馬バビットらを前に置き、また、逆転を狙う神戸新聞杯2着馬ヴェルトライゼンデらを後ろに、断然人気のコントレイルは7番手あたり、馬群の内を駆ける。この時、鞍上の福永祐一騎手は危機感を抱いていたという。いわく「斜め後ろからアリストテレスにプレッシャーをかけられて、馬がエキサイトし、ずっとリラックスさせることができなかった」。
大きな動きのないまま馬群は4コーナー、そして直線へ。満を持してバビットが先頭に躍り出たが、それも一瞬。コントレイルが馬場の真ん中から一気に先行勢を交わし去っていく。追随するのは道中で執拗にコントレイルをマークしていたアリストテレスだ。
2連勝中の勢いと近親にリンカーン(2003年菊花賞2着)を持つタフな血を武器に、外から勝負を挑むアリストテレス。無敗馬のプライドで迎え撃つコントレイル。長い長い追い比べが続く。
初めてとなる3000メートル、終始目標にされる苦しい展開。福永騎手は「彼にとっては長かったし、決してベストパフォーマンスではなかった。それでも抜かせなかったことで、あらためて凄い馬だと思った」という。
そう、最後までしのぎ切ったコントレイルが、クビ差だけ相手に先んじてゴールしたのである。
新型コロナウイルスが猛威をふるい、多くのスポーツイベントが中止やスケジュールの変更を余儀なくされる中で、粛々と続けられる競馬。そして生まれた、デアリングタクトとコントレイル、2頭の“無敗三冠馬”。2020年は競馬ファンにとって、忘れられない1年になったといえるだろう。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師 | 単勝人気 |
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1 | 3 | コントレイル | 牡3 | 57.0 | 福永 祐一 | 3:05.5 |
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35.2 | 458(-2) | 矢作 芳人 | 1 | ||
2 | 9 | アリストテレス | 牡3 | 57.0 | C.ルメール | 3:05.5 | クビ |
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35.1 | 474(+8) | 音無 秀孝 | 4 | |
3 | 10 | サトノフラッグ | 牡3 | 57.0 | 戸崎 圭太 | 3:06.1 | 3 1/2 |
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35.2 | 490(+4) | 国枝 栄 | 5 | |
4 | 8 | ディープボンド | 牡3 | 57.0 | 和田 竜二 | 3:06.2 | クビ |
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36.1 | 484(-6) | 大久保 龍志 | 7 | |
5 | 15 | ブラックホール | 牡3 | 57.0 | 藤岡 佑介 | 3:06.2 | クビ |
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35.4 | 436(-8) | 相沢 郁 | 14 | |
6 | 13 | ロバートソンキー | 牡3 | 57.0 | 伊藤 工真 | 3:06.6 | 2 |
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35.6 | 470(-4) | 林 徹 | 9 | |
7 | 6 | ヴェルトライゼンデ | 牡3 | 57.0 | 池添 謙一 | 3:06.9 | 2 |
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36.3 | 488(0) | 池江 泰寿 | 2 | |
8 | 14 | ヴァルコス | 牡3 | 57.0 | 岩田 康誠 | 3:07.1 | 1 1/4 |
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36.5 | 502(+6) | 友道 康夫 | 6 | |
9 | 2 | ガロアクリーク | 牡3 | 57.0 | 川田 将雅 | 3:07.5 | 2 1/2 |
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37.4 | 498(-4) | 上原 博之 | 10 | |
10 | 11 | バビット | 牡3 | 57.0 | 内田 博幸 | 3:07.6 | クビ |
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37.7 | 450(-12) | 浜田 多実雄 | 3 | |
11 | 4 | マンオブスピリット | 牡3 | 57.0 | M.デムーロ | 3:07.6 | クビ |
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36.9 | 488(+2) | 斉藤 崇史 | 13 | |
12 | 5 | サトノインプレッサ | 牡3 | 57.0 | 坂井 瑠星 | 3:07.8 | 1 |
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37.2 | 484(0) | 矢作 芳人 | 11 | |
13 | 1 | ディアマンミノル | 牡3 | 57.0 | 幸 英明 | 3:07.9 | 1/2 |
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37.1 | 458(-6) | 本田 優 | 12 | |
14 | 16 | ターキッシュパレス | 牡3 | 57.0 | 富田 暁 | 3:07.9 | クビ |
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36.6 | 472(+4) | 昆 貢 | 16 | |
15 | 7 | ダノングロワール | 牡3 | 57.0 | 北村 友一 | 3:08.5 | 3 1/2 |
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38.1 | 488(+4) | 国枝 栄 | 8 | |
16 | 12 | レクセランス | 牡3 | 57.0 | 松山 弘平 | 3:09.2 | 4 |
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38.4 | 480(-4) | 池添 学 | 15 | |
17 | 18 | ビターエンダー | 牡3 | 57.0 | 津村 明秀 | 3:09.4 | 1 1/4 |
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38.3 | 476(+2) | 相沢 郁 | 17 | |
18 | 17 |
キメラヴェリテ
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牡3 | 57.0 | 松若 風馬 | 3:11.7 | 大差 |
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41.8 | 540(0) | 中竹 和也 | 18 |
ハロンタイム | 12.8 - 11.9 - 12.1 - 13.3 - 12.1 - 11.9 - 13.1 - 12.4 - 12.5 - 12.7 - 12.9 - 12.2 - 11.8 - 11.6 - 12.2 |
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上り | 4F 47.8 - 3F 35.6 |
1コーナー | 17,11,12-2(7,8)(3,9)14(5,6)(1,15)(13,10)-4,16-18 |
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2コーナー | 17-11-12-2(7,8)(3,9)14(5,6)(1,15)13,10-4-16,18 |
3コーナー(2周目) | 17-11(2,8)(7,3)(12,9)5(14,6,4)(1,15)(18,13,10)16 |
4コーナー(2周目) | 11(2,8)(17,3,9)7(14,5,6)(1,15,4)(18,12,13,10)16 |
勝馬 | コントレイル [牡3・青鹿毛] 父:ディープインパクト 母:ロードクロサイト |
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馬主 | 前田 晋二氏 |
生産地 | 北海道新冠郡新冠町 |
生産牧場 | 株式会社ノースヒルズ |
戦績 | 7戦7勝 |
獲得賞金 | 675,186,000円 |
主な勝鞍 | 重賞6勝目 2019年 東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅢ) 2019年 ホープフルステークス(GⅠ) 2020年 皐月賞(GⅠ) 2020年 日本ダービー(GⅠ) 2020年 神戸新聞杯(GⅡ) |
騎手 | 福永 祐一:2勝目 2013年 エピファネイア |
調教師 | 矢作 芳人:初勝利 |