2019年 重賞レース一覧ジャパンカップ
創設39年目にして初めて日本馬のみで行われることとなったジャパンカップ(GⅠ)。外国馬に代わってレースを彩ったのは、世界の名手たちだ。今秋、相次いで来日したクリストフ・スミヨン、ウィリアム・ビュイック、ライアン・ムーア、ランフランコ・デットーリらが、ジャパンカップ出走馬の手綱を託されたのである。
その中のひとり、今年24歳の若さで英リーディングジョッキーに輝いた若き天才、オイシン・マーフィー騎手がレースを制する。コンビを組んだ相手はスワーヴリチャードだ。
先導するダイワキャグニーを大きな一団が追走する展開。好位の内に3歳牝馬カレンブーケドール、外に2番人気のワグネリアン、その後ろに1番人気レイデオロといったポジショニングだ。前日の雨で追い込みが効きにくい馬場となったこともあって、有力馬の多くが前めの位置取りを心がけていた。
スワーヴリチャードも、この一団の中。「カレンブーケドールの後ろあたりにつけたい」というマーフィー騎手のプラン通りにレースを進める。そのまま3コーナーから4コーナーを回り切ったスワーヴリチャードは、十分に手応えを残したまま直線へ。すぐ前では、ダイワキャグニーを交わしてカレンブーケドールがラストスパートに入ろうとしていた。
「外へ持ち出すよりも、ゴールへの最短距離を進む!」
鞍上の強い意志に導かれて内ラチ沿いを突いたスワーヴリチャードは、カレンブーケドールとの激しい追い比べを4分の3馬身差制してゴールへと達し、昨年の大阪杯に続く2つ目のGⅠタイトルを手にすることになる。
「日本で騎乗するにあたって、このレースを勝つのが目標だった。夢がかなった」と喜びを爆発させるマーフィー騎手。英リーディングジョッキーに輝いた手腕に加え、ディアドラでの英G1ナッソーS制覇などを通じて日本馬の強さを肌で感じていたからこそ可能だった“イン突き”だ。もちろん、その信頼に応えて、荒れた馬場の上で最後まで脚を伸ばしたスワーヴリチャードの頑張りも見事。人馬一体となってつかんだジャパンカップ優勝である。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師 | 単勝人気 |
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1 | 5 | スワーヴリチャード | 牡5 | 57.0 | O.マーフィー | 2:25.9 |
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36.5 | 516(+2) | 庄野 靖志 | 3 | ||
2 | 1 | カレンブーケドール | 牝3 | 53.0 | 津村 明秀 | 2:26.0 | 3/4 |
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36.9 | 466(+2) | 国枝 栄 | 5 | |
3 | 2 | ワグネリアン | 牡4 | 57.0 | 川田 将雅 | 2:26.2 | 1 1/2 |
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36.6 | 458(-4) | 友道 康夫 | 2 | |
4 | 14 | マカヒキ | 牡6 | 57.0 | 武 豊 | 2:26.5 | 1 3/4 |
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36.3 | 506(+2) | 友道 康夫 | 12 | |
5 | 6 | ユーキャンスマイル | 牡4 | 57.0 | 岩田 康誠 | 2:26.6 | クビ |
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36.7 | 488(0) | 友道 康夫 | 4 | |
6 | 7 |
ダイワキャグニー
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牡5 | 57.0 | 石橋 脩 | 2:26.6 | クビ |
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37.9 | 508(+6) | 菊沢 隆徳 | 14 | |
7 | 13 |
エタリオウ
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牡4 | 57.0 | 横山 典弘 | 2:26.9 | 1 1/2 |
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37.7 | 462(-16) | 友道 康夫 | 9 | |
8 | 4 | ムイトオブリガード | 牡5 | 57.0 | C.ルメール | 2:27.1 | 1 1/4 |
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37.4 | 488(0) | 角田 晃一 | 7 | |
9 | 11 | シュヴァルグラン | 牡7 | 57.0 | C.スミヨン | 2:27.1 | クビ |
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37.6 | 464(前計不) | 友道 康夫 | 8 | |
10 | 9 | ルックトゥワイス | 牡6 | 57.0 | L.デットーリ | 2:27.3 | 1 1/2 |
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36.9 | 440(-2) | 藤原 英昭 | 6 | |
11 | 8 | レイデオロ | 牡5 | 57.0 | W.ビュイック | 2:28.1 | 5 |
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38.4 | 486(+4) | 藤沢 和雄 | 1 | |
12 | 3 | ウインテンダネス | 牡6 | 57.0 | 田辺 裕信 | 2:28.9 | 5 |
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39.5 | 514(-2) | 杉山 晴紀 | 15 | |
13 | 15 | ジナンボー | 牡4 | 57.0 | R.ムーア | 2:29.1 | 1 1/2 |
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39.4 | 480(+8) | 堀 宣行 | 11 | |
14 | 10 | ダンビュライト | 牡5 | 57.0 | 松若 風馬 | 2:29.2 | クビ |
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40.1 | 488(-6) | 音無 秀孝 | 10 | |
15 | 12 | タイセイトレイル | 牡4 | 57.0 | M.デムーロ | 2:29.8 | 3 1/2 |
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39.5 | 486(+2) | 矢作 芳人 | 13 |
ハロンタイム | 12.8 - 11.3 - 12.3 - 12.2 - 11.7 - 12.2 - 12.1 - 12.0 - 12.1 - 12.4 - 12.2 - 12.6 |
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上り | 4F 49.3 - 3F 37.2 |
1コーナー | (*7,10)3(1,13)2(5,11)(4,8,15)-6-9-12-14 |
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2コーナー | (*7,10)3(1,13)2(5,11)(4,15)8=6,9=12-14 |
3コーナー | 7,10(1,3,13)(5,2,11)(8,4,15)(6,9)-12-14 |
4コーナー | 7-(1,10,13)(5,3)11(8,4,2,15)6(14,12)9 |
勝馬 | スワーヴリチャード [牡5・栗毛] 父:ハーツクライ 母:ピラミマ |
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馬主 | 株式会社NICKS |
生産地 | 北海道勇払郡安平町 |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 18戦6勝 (内中央) 17戦6勝 (内海外) 1戦0勝 |
獲得賞金 | 957,274,100円 (内中央) 891,324,000円 (内海外) 65,950,100円 |
主な勝鞍 | 重賞5勝目 2017年 共同通信杯(GⅢ) 2017年 アルゼンチン共和国杯(GⅡ) 2018年 金鯱賞(GⅡ) 2018年 大阪杯(GⅠ) |
騎手 | O.マーフィー:初勝利 |
調教師 | 庄野 靖志:初勝利 |