2020年 重賞レース一覧天皇賞(秋)
秋華賞ではデアリングタクト、菊花賞ではコントレイルが“無敗の三冠”を成し遂げた。そして天皇賞(秋)(GⅠ)でも大記録が誕生することになる。
快挙の主役は、アーモンドアイだ。
昨年の2着馬ダノンプレミアムの逃げでレースはスタート。やや離れた2番手には東京コースを得意とするダイワキャグニーがつけ、菊花賞以来3年ぶりの勝利を目指すキセキが続く。
断然人気に推されたアーモンドアイは「とてもリラックスしてゲートの中も静か。おかげで好スタートを切れた」と鞍上のクリストフ・ルメール騎手が振り返った通り、上々の飛び出しから無理なく好位を確保する。これを見る形で悲願のGⅠ制覇に懸けるダノンキングリー、中距離の雄ウインブライト、グランプリホースの称号を持つブラストワンピースら。宝塚記念を圧勝した2番人気クロノジェネシス、天皇賞春秋制覇を狙うフィエールマンは後方から、という隊列だ。
淡々と流れた道中から一転、直線では激しい追い比べが始まる。が、ただ1頭、どっしりと構えているのがアーモンドアイ。前3頭に持ったままで並びかけると、坂上から満を持してスパート、残り100メートルのあたりで先頭へと躍り出る。自信たっぷりのレース運びだ。
だが、「毎回プレッシャーを感じている。新しい馬が、みんなアーモンドアイを負かしたいと思って挑んでくる」とルメール騎手。ここでは、クロノジェネシスとフィエールマンが外から猛追、一完歩ごとにアーモンドアイへと迫ってきた。
それでも、さすがは女王、アーモンドアイは2頭の追撃を完封、フィエールマンに半馬身の差をつけてゴールへと飛び込み、昨年に続く連覇を果たしたのだった。
「最後はきつかったけれど、よく頑張ってくれた。信じられないパフォーマンスだった」
そんな言葉とともに、両手の指を計8本立てるルメール騎手。そう、これでアーモンドアイは国内外の芝GⅠを8勝。幾多の名馬が成し得なかった金字塔を打ち立てる、大きな、とてつもなく大きな勝利を飾ったのである。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師 | 単勝人気 |
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1 | 9 | アーモンドアイ | 牝5 | 56.0 | C.ルメール | 1:57.8 |
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33.1 | 490(+2) | 国枝 栄 | 1 | ||
2 | 6 | フィエールマン | 牡5 | 58.0 | 福永 祐一 | 1:57.9 | 1/2 |
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32.7 | 478(-12) | 手塚 貴久 | 5 | |
3 | 7 | クロノジェネシス | 牝4 | 56.0 | 北村 友一 | 1:57.9 | クビ |
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32.8 | 464(0) | 斉藤 崇史 | 2 | |
4 | 11 |
ダノンプレミアム
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牡5 | 58.0 | 川田 将雅 | 1:58.2 | 2 |
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34.0 | 496(-10) | 中内田 充正 | 6 | |
5 | 8 | キセキ | 牡6 | 58.0 | 武 豊 | 1:58.6 | 2 1/2 |
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34.1 | 508(+6) | 角居 勝彦 | 4 | |
6 | 3 |
ダイワキャグニー
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せん6 | 58.0 | 内田 博幸 | 1:59.0 | 2 1/2 |
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34.5 | 496(-2) | 菊沢 隆徳 | 10 | |
7 | 12 | ジナンボー | 牡5 | 58.0 | M.デムーロ | 1:59.1 | クビ |
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34.4 | 492(+6) | 堀 宣行 | 9 | |
8 | 2 | カデナ | 牡6 | 58.0 | 田辺 裕信 | 1:59.2 | 1/2 |
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33.9 | 478(+2) | 中竹 和也 | 11 | |
9 | 10 | スカーレットカラー | 牝5 | 56.0 | 岩田 康誠 | 1:59.2 | アタマ |
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33.7 | 488(+14) | 高橋 亮 | 8 | |
10 | 5 | ウインブライト | 牡6 | 58.0 | 松岡 正海 | 1:59.4 | 1 1/4 |
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34.5 | 484(0) | 畠山 吉宏 | 12 | |
11 | 1 | ブラストワンピース | 牡5 | 58.0 | 池添 謙一 | 1:59.5 | 3/4 |
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34.6 | 550(+8) | 大竹 正博 | 7 | |
12 | 4 | ダノンキングリー | 牡4 | 58.0 | 戸崎 圭太 | 2:00.7 | 7 |
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35.8 | 450(-6) | 萩原 清 | 3 |
ハロンタイム | 12.7 - 11.7 - 12.1 - 12.1 - 11.9 - 12.0 - 11.7 - 10.9 - 11.1 - 11.6 |
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上り | 4F 45.3 - 3F 33.6 |
2コーナー | 11-3-(8,9)(4,5)12(1,7)6-10,2 |
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3コーナー | 11-3(8,9)1(4,5,12)(6,7)-(10,2) |
4コーナー | 11(8,3)(9,12)(1,4,5)7,6,2,10 |
勝馬 | アーモンドアイ [牝5・鹿毛] 父:ロードカナロア 母:フサイチパンドラ |
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馬主 | 有限会社 シルクレーシング |
生産地 | 北海道勇払郡安平町 |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 14戦10勝 (内中央) 13戦9勝 (内海外) 1戦1勝 |
獲得賞金 | 1,612,029,900円 (内中央) 1,216,329,000円 (内海外) 395,700,900円 |
主な勝鞍 | 重賞9勝目(海外含む) 2018年 日刊スポーツ賞シンザン記念(GⅢ) 2018年 桜花賞(GⅠ) 2018年 オークス(GⅠ) 2018年 秋華賞(GⅠ) 2018年 ジャパンカップ(GⅠ) 2019年 ドバイターフ(G1)〔ドバイ〕 2019年 天皇賞(秋)(GⅠ) 2020年 ヴィクトリアマイル(GⅠ) |
騎手 | C.ルメール:5勝目 2018年(秋) レイデオロ 2019年(春) フィエールマン 2019年(秋) アーモンドアイ 2020年(春) フィエールマン |
調教師 | 国枝 栄:3勝目 2009年(春) マイネルキッツ 2019年(秋) アーモンドアイ |