朝日杯フューチュリティS（GⅠ）では、デイリー杯2歳Sでレコードタイムを叩き出したレッドベルオーブ、サウジアラビアロイヤルCを豪快に差し切ったステラヴェローチェ、デイリー杯2歳Sアタマ差2着のホウオウアマゾン、京王杯2歳S勝ち馬モントライゼといった重賞上位馬が人気を集めた。

これらを相手に堂々の勝利を収めたのが、重賞初挑戦のグレナディアガーズだ。

モントライゼが後続を離して逃げたレース。好位には札幌2歳S3着のバスラットレオン、新潟2歳王者ショックアクション、そしてホウオウアマゾンら。デビュー2連勝中のドゥラモンド、さらにはレッドベルオーブやステラヴェローチェは中団からの追走だ。

好位で速い流れに乗り、リズムよく走っていたグレナディアガーズは、前との差を徐々に詰めながらコーナーを回り切る。後ろに有力馬がいることはわかっていたが、鞍上・川田将雅騎手は「待つよりも捕まえに行く」とピッチを上げ、直線半ばで先頭へと躍り出た。

そこからゴールまでは200メートル。「最後まで能力を出し切ってくれた」という川田騎手の言葉通り、グレナディアガーズは頑張り抜く。馬群を抜け出してきたステラヴェローチェ、外から伸びるレッドベルオーブの追撃を封じ込んで、先頭ゴールを果たすのである。

グレナディアガーズは、父が14戦14勝の名馬フランケル、母は米BCフィリー&メアスプリントを制したウェイヴェルアベニューという良血だ。川田騎手も「新馬戦の前から素質を感じていた」と語る。が、気難しさのせいか、新馬戦は2着、2戦目は4着と敗れ、ようやく前走で勝ち上がったばかりだ。ただしそこでは2着を3馬身も突き放していた。

「コントロールしながら気分よく走らせることが大切」という課題をクリアし、両親から受け継いだスピードを存分に発揮した結果の2連勝、そして重賞初挑戦・GⅠ初制覇と言えそうである。

（谷川　善久）