古来からの馬との絆。
未来へつなぐ、在来馬の今
日本で昔から人と共に生きてきた在来馬。
その中でも特に希少な、対州馬を守る人々の想いに触れました。
小さな島で生きる、小さな馬 『対州馬』
対州馬は日本に昔からいる"在来馬"のひとつ。対馬という島で、人と寄りそって生きてきた小さな馬です。体高は120?130cmほど。人の胸くらいの高さしかありません。
ですが、とてもタフで、山の斜面も難なく歩きます。
おとなしく、人が大好き。子どもでも近くで触れ合える優しい性格です。
島内にはわずか45頭!対州馬は今、絶滅の危機に
かつて対馬では、家に1〜2頭いるのが当たり前でした。
畑を耕し、炭を運び、日々のくらしを支えてくれる大切な家族。島の風景には、いつも馬がいました。
…ですが今、対州馬は絶滅の危機にあります。
島にいるのは、わずか約45頭。
「このままだと、もう戻れなくなる」。
そんな危機感を抱えながら、飼育管理を担当している対馬市自然共生課のスタッフは、たった8人のチームで対州馬を守っています。
島の自然の中で馬を守り、共に生きる
対州馬を守る活動は、命をそっとつなぐ作業の積み重ねです。
毎日のエサやり、体調のチェック、歯や蹄(ひづめ)のケア…。繁殖期には、相性や体の状態を見ながら計画的に種付けをします。
島の自然の中で、小さな頃から人の手で育てることで、馬は人を信じ、人もまた馬を信じるようになります。
知ってもらうことが、馬を守ること
また、対州馬を"知ってもらうこと"も大切な仕事です。
学校の授業に馬を連れていったり、島のイベントで体験乗馬会を実施したり。空港の近くの拠点では、観光客も気軽に馬と触れ合えます。
馬を知る人が増えるほど、馬を守りたいと思う人も増えていく。
その静かな広がりが、馬を未来へつなぐ道をつくっています。
JRAも支える、在来馬の"未来づくり"
JRAはこうした日本の馬文化を未来へつなぐ活動も行っています。
対州馬のような在来馬は、日本の"馬の原風景"。その保存や利活用のため、専門家の研修や技術支援を行い、より良い飼育や繁殖につながる知識を届けています。
飼育管理を担当しているスタッフは言います。
「馬と人のつながりを起点に、保存と利活用を両立して次の世代へつなぎたい」
「学びを積み重ねて、馬にとって一番良い環境を作りたい」
小さな島、小さな馬。でも、大きな意味がある
対州馬が日常の中にいる風景は、島で生きる人たちの"心の記憶"でもあります。
たとえ競馬に興味がなくても、馬とふれ合うだけで、ゆっくり心がほどけていくような体験があります。
「馬とともに暮らす」という生き方が、これからの未来の選択肢になるかもしれません。そして、その未来は、まだ消えていません。
対州馬を守る人たちと、それを支える活動がある限り、この小さな馬は、きっと次の世代へ歩んでいけます。JRAはそのそばで、静かに寄り添い、そして未来への歩みを支えていきます。