馬事振興・生産育成ベストターンドアウト賞

ベストターンドアウト賞とは

ベストターンドアウト賞とは、『最もよく躾けられ、最も美しく手入れされた出走馬を担当する厩務員』の努力を称え表彰する制度で、世界の主要G1レースにおいて実施されています。JRAでは2013年の第80回日本ダービー(GⅠ)から始まり、今日ではクラシックレースを中心に表彰を行っています。

2024年の開催予定と結果

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2024年の開催予定と結果
開催レース名 受賞馬名 受賞者名 調教師名
第54回高松宮記念 メイケイエール 吉田 貴昭調教助手 武 英智
第85回オークス タガノエルピーダ 和田 保長調教助手 斉藤 崇史
第58回スプリンターズステークス ママコチャ 齊藤 勲調教助手 池江 泰寿
第85回菊花賞 アーバンシック 郡司 誠厩務員 武井 亮
第170回天皇賞(秋) ドウデュース 前川 和也調教助手 友道 康夫

ベストターンドアウト賞審査のポイントと楽しみ方

「ターンドアウト」には「身なりを整える」「正装をする」といった意味がありますが、この賞の審査では「人馬の信頼関係」がしっかり構築されていることも重要な評価ポイントになります。競馬ファンの皆さまも、パドックにおいてサラブレッドの美しさを楽しむとともに、厩舎スタッフの「馬に対する愛情」や「人馬の絆の強さ」などを感じ取っていただき、受賞者を予想してみてはいかがでしょうか?

審査のポイント

パドックにおいて以下の点に着目し審査します。

1. 躾(しつけ)

(1)リーダーシップ

馬が担当厩務員を信頼し、その指示に従いパドックを周回していること。

(2)引き馬の技術

引き綱(リード)に過度の緊張がなく、人馬の位置が適切で馬が自主的に歩いていること。

(3)馬具の適切な使用

引き馬で馬を制御するための馬具(ハートバミやチェーンなど)を適切に使用していること。

2024年 第85回オークス(GⅠ) タガノエルピーダ

人は引き綱(リード)をゆったりと保持し、馬が自主的にのびのびと歩いています。人馬の信頼関係を感じさせます。

2016年 第83回日本ダービー(GⅠ) アジュールローズ

チェーンのついたリードでソフトに馬を制御し、人馬ともに美しく歩いています。

ハートバミ(チフニー)の使用(イギリスニューマーケット)

ハートバミ(チフニー)

ハートバミ(チフニー)を用い、適切に馬を制御しています。馬は人の指示に従い、従順に歩いています。

2. 美観

(1)馬の自然な美しさ

毛艶などから体調のよさが感じられ、レースに向けて気持ちを集中して歩いていること。

(2)馬体の手入れ

皮膚、たてがみ、尾、蹄などが適切に整えられ、馬体が見栄えよく手入れされていること。

(3)人馬の装い

レースの格式にふさわしい装いであること。

2014年 第19回秋華賞(GⅠ) オメガハートロック

馬を安心させるため、補助者が馬の右側に立ち、軽く手綱に手を添え歩いています。たてがみも綺麗に整えられています。

クォーターマークと毛先を整えられた尾(イギリスニューマーケット)

馬の腰に手入れブラシを用いてきれいな模様を入れることがあり、これをクォーターマークと呼びます。

尾の毛先を整えることも重要な手入れのポイントです。

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