馬事振興・生産育成ベストターンドアウト賞

ベストターンドアウト賞とは

ベストターンドアウト賞とは、『最もよく躾けられ、最も美しく手入れされた出走馬を担当する厩務員』の努力を称え表彰する制度で、世界の主要G1レースにおいて実施されています。JRAでは2013年の第80回日本ダービー(GⅠ)から始まり、今日ではクラシックレースを中心に表彰を行っています。

2025年の開催予定と結果

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2025年の開催予定と結果
開催レース名 受賞馬名 受賞者名 調教師名
第55回高松宮記念 サトノレーヴ 齋藤 隆介調教助手 堀 宣行調教師
第20回ヴィクトリアマイル ボンドガール 田中 良太調教助手 手塚 貴久調教師
第86回菊花賞 レクスノヴァス 堂本 和裕厩務員 上村 洋行調教師
第172回天皇賞(秋) ソールオリエンス 名畑 俊調教助手 手塚 貴久調教師
第26回チャンピオンズカップ サンライズジパング 平井 裕介調教助手 前川 恭子調教師
第77回朝日杯フューチュリティステークス エコロアルバ 行方 慎調教助手 田村 康仁調教師
第42回ホープフルステークス バドリナート 田原 広大調教助手 松永 幹夫調教師

ベストターンドアウト賞審査のポイントと楽しみ方

「ターンドアウト」には「身なりを整える」「正装をする」といった意味がありますが、この賞の審査では「人馬の信頼関係」がしっかり構築されていることも重要な評価ポイントになります。競馬ファンの皆さまも、パドックにおいてサラブレッドの美しさを楽しむとともに、厩舎スタッフの「馬に対する愛情」や「人馬の絆の強さ」などを感じ取っていただき、受賞者を予想してみてはいかがでしょうか?

審査のポイント

パドックにおいて以下の点に着目し審査します。

1. 躾(しつけ)

(1)リーダーシップ

馬が担当厩務員を信頼し、その指示に従いパドックを周回していること。

(2)引き馬の技術

引き綱(リード)に過度の緊張がなく、人馬の位置が適切で馬が自主的に歩いていること。

(3)馬具の適切な使用

引き馬で馬を制御するための馬具(ハートバミやチェーンなど)を適切に使用していること。

2024年 第85回オークス(GⅠ) タガノエルピーダ

人は引き綱(リード)をゆったりと保持し、馬が自主的にのびのびと歩いています。人馬の信頼関係を感じさせます。

2016年 第83回日本ダービー(GⅠ) アジュールローズ

チェーンのついたリードでソフトに馬を制御し、人馬ともに美しく歩いています。

ハートバミ(チフニー)の使用(イギリスニューマーケット)

ハートバミ(チフニー)

ハートバミ(チフニー)を用い、適切に馬を制御しています。馬は人の指示に従い、従順に歩いています。

2. 美観

(1)馬の自然な美しさ

毛艶などから体調のよさが感じられ、レースに向けて気持ちを集中して歩いていること。

(2)馬体の手入れ

皮膚、たてがみ、尾、蹄などが適切に整えられ、馬体が見栄えよく手入れされていること。

(3)人馬の装い

レースの格式にふさわしい装いであること。

2014年 第19回秋華賞(GⅠ) オメガハートロック

馬を安心させるため、補助者が馬の右側に立ち、軽く手綱に手を添え歩いています。たてがみも綺麗に整えられています。

クォーターマークと毛先を整えられた尾(イギリスニューマーケット)

馬の腰に手入れブラシを用いてきれいな模様を入れることがあり、これをクォーターマークと呼びます。

尾の毛先を整えることも重要な手入れのポイントです。

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