ベストターンドアウト賞とは、『最もよく躾けられ、最も美しく手入れされた出走馬を担当する厩務員』の努力を称え表彰する制度で、世界の主要G1レースにおいて実施されています。JRAでは2013年の第80回日本ダービー(GⅠ)から始まり、今日ではクラシックレースを中心に表彰を行っています。
開催レース名 | 受賞馬名 | 受賞者名 | 調教師名 |
---|---|---|---|
第54回高松宮記念 | メイケイエール | 吉田 貴昭調教助手 | 武 英智 |
第85回オークス | タガノエルピーダ | 和田 保長調教助手 | 斉藤 崇史 |
第58回スプリンターズステークス | ママコチャ | 齊藤 勲調教助手 | 池江 泰寿 |
第85回菊花賞 | アーバンシック | 郡司 誠厩務員 | 武井 亮 |
第170回天皇賞(秋) | ドウデュース | 前川 和也調教助手 | 友道 康夫 |
「ターンドアウト」には「身なりを整える」「正装をする」といった意味がありますが、この賞の審査では「人馬の信頼関係」がしっかり構築されていることも重要な評価ポイントになります。競馬ファンの皆さまも、パドックにおいてサラブレッドの美しさを楽しむとともに、厩舎スタッフの「馬に対する愛情」や「人馬の絆の強さ」などを感じ取っていただき、受賞者を予想してみてはいかがでしょうか?
パドックにおいて以下の点に着目し審査します。
馬が担当厩務員を信頼し、その指示に従いパドックを周回していること。
引き綱(リード)に過度の緊張がなく、人馬の位置が適切で馬が自主的に歩いていること。
引き馬で馬を制御するための馬具(ハートバミやチェーンなど)を適切に使用していること。
人は引き綱(リード)をゆったりと保持し、馬が自主的にのびのびと歩いています。人馬の信頼関係を感じさせます。
チェーンのついたリードでソフトに馬を制御し、人馬ともに美しく歩いています。
ハートバミ(チフニー)を用い、適切に馬を制御しています。馬は人の指示に従い、従順に歩いています。
毛艶などから体調のよさが感じられ、レースに向けて気持ちを集中して歩いていること。
皮膚、たてがみ、尾、蹄などが適切に整えられ、馬体が見栄えよく手入れされていること。
レースの格式にふさわしい装いであること。
馬を安心させるため、補助者が馬の右側に立ち、軽く手綱に手を添え歩いています。たてがみも綺麗に整えられています。
馬の腰に手入れブラシを用いてきれいな模様を入れることがあり、これをクォーターマークと呼びます。
尾の毛先を整えることも重要な手入れのポイントです。