海外競馬発売

ドンカスターマイル(G1)

ランドウィック競馬場 1600メートル(芝)3歳以上

発売開始時刻
日本時間4月6日(土曜)
ネット投票:午前8時00分
UMACA投票:午前9時20分または午前9時30分
発走予定時刻
日本時間4月6日(土曜)午後3時15分

2019年ドンカスターマイルレース結果・回顧

ジョージライダーS2着のブルータルがドンカスターマイル制覇

現地時間4月6日、オーストラリア、シドニーにあるランドウィック競馬場でドンカスターマイル(G1。芝1600メートル)が行われた。

この時期のシドニーは雨季。昨年こそ例外的に晴天が続いたが、今年は例に漏れず、レース前の1週間にわたり雨の落ちない日はほぼないという天候が続いた。
レース前日の金曜日の馬場状態はsoft7(重馬場)。そこからさらに夜にも時に激しい雨が降ったため、当日の道悪は避けられない状況に。当然、重馬場への巧拙がカギを握る一戦になった。

一転して当日は快晴となり、気温は27度。汗ばむ陽気で風が心地良い一日となったが、馬場状態はやはりsoft7での施行となった。
春(日本とは季節が逆)にメルボルンで行われるメルボルンカップを中心とした“スプリングカーニヴァル”に対抗して、シドニー地区がG1レースを秋の2週(2日)間に集中して行う“ザチャンピオンシップスデー”を始めて今年で6年目となる。その初日(ドンカスターマイル当日)は10レース中4つのG3、1つのG2、そしてG1も4レース行われた。

オーストラリアンダービー(G1)、T.J.スミスS(G1)といったビッグレースに続き、第9レースに行われたのがドンカスターマイルだ。

出走馬は20頭。補欠馬が4頭いたが、出走予定の20頭の中から出た取消馬は1頭だけで、補欠1番手のバイオレートが滑り込みで出走できることになった。
さほど大きくないパドックにこの20頭の出走馬。さらには関係者も多く入るため、その密集度はいやがおうでも高くなる。これに敏感に反応したのが日本のクルーガー(牡7歳。栗東・高野友和厩舎)だ。慣れない環境で不測の事態が起きることを事前に考慮していた陣営はメンコ(耳覆い)を装着させていたが、それでも渋滞して強制的に止まらされる度にイレ込んで、後ずさりしながら植え込みに後肢を踏み入れてしまうシーンもあった。

  • ランドウィック競馬場のパドック。手前がクルーガー

  • クルーガーを管理する高野友和調教師と騎乗するT.ベリー騎手

「まさか、という感じでした。今までにないくらいイレ込んでしまいました」

同馬を曳いた小川洋平調教助手はそう言って「少し心配になった」と後に吐露した。
この事態に迅速に対応したのが高野友和調教師だ。
「急きょ、コースへの先出しを要求しました」
主催者であるオーストラリアンターフクラブがこの要求に応じ、クルーガーはT.ベリー騎手を乗せた後はパドックを半周ほどしただけで早々に馬場へ入って行った。
「おかげで返し馬あたりからは落ち着いてくれました」とベリー騎手。ゲートにもすんなりと収まった。

ゲートが開くとクルーガーのスタートが今ひとつだったのに対し、内からファンダメンタリスト、外からブルータルが好スタート。さらにこれも好発を決めたドリームフォースがその2頭の間を割るように進出してハナへ立った。

ドリームフォースが逃げてブルータルが2番手。前走ジョージライダーS組のこの2頭のすぐ後ろのインにファンダメンタリスト、さらにその後ろの外に大外枠から進出したフィフティースターズ。その後ろのインにハンデ頭のハートネル。先行勢がこういった隊列に落ち着いたとき、クルーガーは馬群の真ん中、中団まで上がっていた。

馬群は3コーナーから4コーナーへ。先行勢の隊列に大きな変化はない。中団にいたクルーガーはあまり良い手応えを見せない。ベリー騎手の手が早々に激しく動き始めたのだ。
しかし、後に彼は次のように語っている。
「日本とは違う流れで100メートルほどの間、戸惑っていた感じでした。でもその後エンジンがかかってくれました」

4コーナーをカーブして馬群が直線に向く。ラスト200メートルを切ってもまだ逃げ粘るドリームフォースを2番手にいたブルータルがかわしたのはラスト100メートル地点付近。その後ろにはハートネルが伸びそうで伸びず、しかしバテることもなく3番手を維持。
残り50メートルで上位の態勢は決した。抜け出したブルータルと同馬にこそかわされたものの必死に食らいつくドリームフォースが3番手以下にはセーフティーリード。焦点は3着争いに絞られた。

  • 粘るドリームフォース(内)をかわすブルータル(馬番20)

  • 直線で力強く伸びたクルーガーは4着

3着を死守せんと粘るハートネルに差を詰めてきたのは内からシレーリーとクルーガー。外からルロメイン。その中から先に脱落したのはルロメイン。最内を突くシレーリーをかわしたのがクルーガー。3、4コーナーでは手応えを悪く見せていたにも関わらず、息を吹き返すように伸び、最後はハートネルに迫る4着でフィニッシュラインを通過した。
末脚に見どころのあったクルーガーはこの1戦で帰国予定を変更し、急きょ残ってもう1戦するプランが浮上しているようだ。
結局、前残りの競馬で上位2頭は道中の先頭と2番手が入れ替わっただけ。勝ち時計は1分37秒65も要した。

また、1、2着馬は前走のジョージライダーSでウィンクスの2、3着。例年、強いこの臨戦過程組がやはり今年も結果を残した。3着のハートネルは今年から新設されたオールスターマイル2着からの参戦。この馬も再三ウィンクスに負かされている馬で、終わってみれば女王ウィンクスの強さが改めて浮き彫りにされる結果となった。

勝ったブルータルはこれがまだデビュー7戦目の3歳馬。G1はもちろんのこと、重賞もこれが初制覇。49.5キログラムの軽ハンデにも助けられた面はあったにせよ、今後のオーストラリアの競馬界を引っ張っていく存在になり得る器だ。
騎乗したのはG.ボス騎手。同騎手はこれがドンカスターマイル7勝目。史上最多勝利記録を更新した彼は「減量してでも乗る価値のある馬だと思った」と満面の笑みで語った。

文:平松 さとし

  • 歓声にこたえるブルータル鞍上のG.ボス騎手

  • 優しく祝福されるブルータル

4着 クルーガー 高野 友和 調教師のコメント
「スタートは決まりませんでしたが、すぐに内枠を生かして良いポジションが取れました。このレースの流れには乗り切れませんでしたが、最後の直線のアクションは良く、気力を振り絞って頑張ってくれました。」

4着 クルーガー T.ベリー 騎手のコメント
「スタートして良いポジションを取ることが出来ました。直線手前でペースが上がった時に加速するのに100メートルほどかかりましたが、最後の200から250メートルは良い脚を使ってくれたので馬に感謝しています。」

2019年4月6日(土) ランドウィック競馬場(オーストラリア)

9R

第154回 ドンカスターマイル(G1)

3歳以上 ハンデキャップ 1600m 芝・右
賞金総額3,000,000豪ドル 発走  17:15 (現地時間)
1着賞金1,740,000豪ドル 天候:晴 芝:重
着順 馬番
(ゲート)
馬 名 (生産国)



騎手 タイム ・
着差



(kg)
調教師 (調教国)


1 20 (21) ブルータル(NZ) 牡3 49.5 G.ボス 1:37.65 M&W&J.ホークス(AUS) 1
2 5 (13) ドリームフォース(AUS) せん6 53.5 D.レーン 1 J.トンプソン(AUS) 8
3 1 (07) ハートネル(GB) せん8 58.0 H.ボウマン 2.5 J.カミングス(AUS) 5
4 8 (04) クルーガー(JPN) 牡7 53.0 T.ベリー 2.7 高野 友和(JPN) 6
5 7 (03) シレーリー(NZ) 牝7 53.0 C.ウィリアムズ 3.5 C.ウォーラー(AUS) 14
6 6 (14) ディキシーブラッサムズ(AUS) 牝6 53.0 C.リース 3.6 R.クイントン(AUS) 9
7 14 (22) シージオブケベック(AUS) 牡4 50.5 R.ドーラン 3.8 G.ウォーターハウス&A.ボット(AUS) 19
8 11 (10) ライフレスオーディナリー(IRE) せん7 51.5 C.ブラウン 3.9 C.ウォーラー(AUS) 17
9 2 (16) ルロメイン(AUS) せん6 57.0 J.マクドナルド 4 K.リース(AUS) 10
10 9 (17) ウィッジーターフ(AUS) せん5 52.0 B.イーガン 5.3 P.ペイン(AUS) 13
11 18 (02) ファンダメンタリスト(AUS) 牝3 49.0 B.トンプソン 5.6 D&Bヘイズ&T.デイバーニッグ(AUS) 4
12 15 (24) フィフティースターズ(IRE) 牡4 50.0 J.マクニール 5.7 D&Bヘイズ&T.デイバーニッグ(AUS) 2
13 10 (18) アンフォーゴトゥン(AUS) 牝4 51.5 K.マカヴォイ 6 C.ウォーラー(AUS) 7
14 21 (19) バイオレート(AUS) せん5 50.0 A.ギボンズ 7.5 B.スタンレー(AUS) 20
15 13 (06) アロイシア(NZ) 牝4 51.0 J.フォード 8 C.マー&D.ユースタス(AUS) 16
16 16 (01) アイアムシリアス(AUS) 牝5 50.0 K.ティータン 8.1 C.ウォーラー(AUS) 11
17 3 (12) アリーゼー(AUS) 牝4 56.5 B.シン 8.5 J.カミングス(AUS) 3
18 12 (15) エクスタイン(AUS) 牝5 52.5 S.クリッパートン 8.6 K.ゴールドマン(AUS) 18
19 4 (09) ランドオブプレンティ(AUS) 牡5 55.0 M.ロッド 9.9 P&P.スノーデン(AUS) 12
20 17 (05) ソーシボン(AUS) せん5 50.0 L.キング 10.9 D&Bヘイズ&T.デイバーニッグ(AUS) 15
取消 19 (20) エルドラドドリーミング(AUS) 牝3 50.0 A.ギボンズ K.リース(AUS)
取消 22 (23) フィアースインパクト(JPN) 牡5   M.スミス(AUS)
取消 23 (08) リンガーディングディング(AUS) 牡3   C.ウォーラー(AUS)
取消 24 (11) シーウェイ(NZ) せん4   C.ウォーラー(AUS)
 着差は1着馬からの着差を表しております(馬身表示)。
払戻金
単勝 20 580円 1番人気 馬連 5-20 5,420円 20番人気 馬単 20-5 10,410円 39番人気
複勝 20
5
1
230円
410円
290円
1番人気
8番人気
5番人気
ワイド 5-20
1-20
1-5
1,670円
1,440円
2,430円
17番人気
13番人気
32番人気
3連複 1-5-20 18,360円 62番人気
3連単 20-5-1 106,090円 362番人気

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