レパードSは2009年に創設された3歳限定のダート重賞で、第1回覇者のトランセンドは後にジャパンカップダート連覇などGⅠ・JpnⅠを4勝、それ以降もホッコータルマエ、インカンテーションといった、その後のダート戦線で活躍することになる馬が優勝している。未来の砂王がいるかもしれないレパードS、今回は過去10年のデータから傾向を探ってみた。
レパードS出走馬の大部分はJRAでの通算勝利数が3勝と2勝の馬が占めている。安定感があるのは3勝馬で、好走率で2勝以下だった馬を大きく上回っている。過去10年で3勝馬が連対していないのは2019年のみで、昨年は3勝馬が3着以内を独占している。とくに、3勝馬が1番人気に支持された場合の成績は【4・1・1・1】となり、3着内率が85.7%に跳ね上がるので軸馬には最適であろう。〔表1〕
JRAでの通算勝利数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3勝 | 8-3-3-25 | 20.5% | 28.2% | 35.9% |
2勝以下 | 2-7-7-93 | 1.8% | 8.3% | 14.7% |
過去10年の前走別成績で、3着内率45.0%と高い数字を残しているのが前走ジャパンダートダービー組。同組からは上位人気馬だけでなく、2017年に11番人気で優勝したローズプリンスダムのように、下位人気で好走した馬もいるので人気にかかわらず注目だ。また、前走ユニコーンS組は4勝を挙げているが、2014年のアジアエクスプレス(前走12着)、2018年のグリム(前走9着)のように大敗から巻き返したケースもあるので、前走の着順にこだわらず狙ってみたい。〔表2〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
ユニコーンS | 4-0-0-17 | 19.0% | 19.0% | 19.0% |
ジャパンダートダービー | 2-3-4-11 | 10.0% | 25.0% | 45.0% |
その他のレース | 4-7-6-90 | 3.7% | 10.3% | 15.9% |
過去10年のレパードSでは、4コーナーを3番手以内で通過した馬が毎年2着以内に入っている。どの馬が先行するのか展開を予想するのは難しいが、前走の4コーナーの通過順がヒントにはなりそう。前走の4コーナーを5番手以内で通過していた馬の好走率が高くなっているので、そのあたりを目安にしたい。〔表3〕
前走の4コーナー通過順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
5番手以内 | 6-9-7-69 | 6.6% | 16.5% | 24.2% |
6番手以下 | 4-1-2-49 | 7.1% | 8.9% | 12.5% |
過去10年の優勝馬のうち7頭には、2着馬に0.6秒以上の大きなタイム差をつけて勝った経験があった。まずは圧勝経験の有無をチェックしたい。そして残る3頭のうち、ローズプリンスダムには鳳雛S、グリムには青竜Sと、3歳限定のオープン特別勝ちの実績があった。残るケンシンコウは、オープン特別勝ちの実績こそないもののユニコーンSで3着と、既に重賞で馬券に絡んでいた。勝ち馬を予想する際は、これらの実績を持つ馬に注目したい。〔表4〕
(姫園 淀仁)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 2着馬とのタイム差が最も大きかったレース |
---|---|---|
2013年 | インカンテーション | 沈丁花賞(0.9秒差) |
2014年 | アジアエクスプレス | オキザリス賞(1.1秒差) |
2015年 | クロスクリーガー | 2歳新馬(2.1秒差) |
2016年 | グレンツェント | 3歳未勝利(0.7秒差) |
2017年 | ローズプリンスダム | 3歳500万下(0.1秒差) |
2018年 | グリム | 3歳未勝利(0.3秒差) |
2019年 | ハヤヤッコ | 3歳500万下(0.6秒差)ほか |
2020年 | ケンシンコウ | 3歳1勝クラス(0.2秒差) |
2021年 | メイショウムラクモ | 3歳1勝クラス(1.3秒差) |
2022年 | カフジオクタゴン | 2歳未勝利(1.0秒差) |
ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。