競走中に斜行・押圧等により他馬の走行を妨害したケースで、裁決委員が以下の通り判断した場合、降着又は失格となります。
降着・失格のルールについて
降着・・・ |
裁決委員が、加害馬の違反行為により被害馬が走行を妨害されたと認める事象で、かつその妨害行為がなければ被害馬が加害馬より先に入線していたと判断した場合に、加害馬は被害馬の後ろの着順に降着となります。
なお、審議においては、加害馬・被害馬の着順や着差だけでなく、被害の程度、事象が起こった場所、事象前後の加害馬・被害馬の走行状況などの要素を総合的に勘案して、降着するかどうかを決定しています。
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失格・・・ |
「極めて悪質で他の騎手や馬に対する危険な行為によって、競走に重大な支障を生じさせた」と判断した場合、加害馬は失格となります。
注記:被害馬が落馬や疾病発症等により競走を中止した場合には、上記の「失格」に該当しない限り着順は到達順位のとおり確定します。
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- 「5位までに入線した馬について、着順変更の可能性がある場合」に審議ランプを点灯します。
<「着順変更の可能性がある場合」とは>
- 降着、もしくは失格となる可能性がある場合
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当該競走の出走馬の関係者から、降着・失格の裁決を求める申立てがあった場合
また、競走を不成立とする可能性がある場合や、裁決委員が特に必要と認めた場合にも審議ランプを点灯します。
(参考) 裁決委員が以下のいずれかに該当すると認めた場合、競走不成立となります。
1) 災害や投石等の妨害行為その他の事由により、競走または開催執務員の職務の執行に重大な支障があったとき
2) 競走が所定の走路と異なる走路で行われたとき
- 注記:6位以下に入線した馬の着順に変更の可能性がある場合や、加害馬が5位以内に入線した場合でも、着順変更の可能性がないと判断した場合には審議ランプは点灯しませんが、走行妨害等の状況については後刻パトロールビデオやホームページなどでお知らせいたします。また、加害馬の騎手には状況を精査のうえ、その違反行為及び被害馬の被害の程度に応じて厳正に制裁を科します。
クリックをするとリーフレットがご覧いただけます(PDFファイル 1.90MB)。
Q:走行妨害であっても降着とはならないケースがあるのですか?
A:はい。走行妨害であっても降着になるケースと、ならないケースがあります。また、走行妨害の被害馬が落馬・競走を中止した場合でも、必ずしも失格になるわけではありません。
しかし、加害馬の騎手に対しては、その違反行為及び被害馬の被害の程度に応じて厳正に制裁を科しています。つまり、着順を変更するかどうかと、違反行為を犯した騎手に対する制裁は別々に判断します。
Q:海外や地方競馬はどのようなルールですか?
A:海外の競馬主要国のうち、イギリス・アイルランドや、香港・ドバイ・オーストラリア・ニュージーランド・シンガポール・マカオなどアジアのほとんどの国において、同様のルールが採用されています。また、地方競馬も同じルールを採用しております。
Q:審議ランプの点灯をなぜ限定するのですか?
A:審議ランプは、5位までに入線した馬に着順変更の可能性がある場合に、お客様が勝馬投票券をお捨てにならないようご注意いただくために点灯するものです。したがって、走行妨害であっても、着順を変更する可能性がないものや、加害馬が6位以下に入線した場合については原則として審議ランプを点灯せず、すみやかなレースの確定と円滑な競馬の施行を目指します。なお、審議ランプを点灯しない場合であっても、走行妨害等の状況については後刻パトロールビデオの放映やJRAホームページでお知らせいたします。
Q:パトロールビデオはどのような場合に放映するのですか?
A:審議を行った場合や、走行妨害に該当する可能性のある事象及び特異事例(発走直後の落馬や著しい馬の癖など)については、当該競走終了後速やかにパトロールビデオを放映します。
また、上記の他、全レースのパトロールビデオ(全周)をホームページに掲載します。
Q:なぜ降着・失格のルールを変更したのですか?
A:競馬の国際化が進展するなか、降着・失格をはじめとした競走に関するルール全般について、国際的に統一されたルールとする必要性があることから国際会議で議論されるようになりました。
JRAはこの国際会議にメンバーとして参画しており、海外の競馬主要国におけるルールを参考にしてJRAのルールについて検証を行なった結果、馬がレースで見せたパフォーマンス(到達順位)が尊重され、シンプルで分かりやすい現在のルールに2013年から変更することにしました。