凱旋門賞は、第一次世界大戦後の復興ムードにあった1920年に創設された。当時のフランスでは春のパリ大賞が高い評価を受けていたが、このレースは3歳限定戦。秋にはコンセイユミュニシパル賞という古馬混合の芝2400メートル戦もあったが、こちらは過去の実績によって斤量が決まる別定戦だった。どちらもヨーロッパナンバーワンを決める舞台としてふさわしくはなく、そこで新設されたのが凱旋門賞であった。
凱旋門賞が、国際的にも極めて高い評価を受けるようになったのは1950年代以降のことであり、創設当初はパリ大賞の半額程度の優勝賞金だったのだが徐々に引き上げられ、現在では総賞金500万ユーロ(約6億円)とヨーロッパで1番の金額にまでなった。
なお、レース名の凱旋門とは、皇帝ナポレオン1世が建設を命じた、かの有名なエトワール凱旋門のこと。凱旋門賞の優勝トロフィーはエトワール凱旋門をかたどったものになっており、レース当日にはパドック近くに展示。ファンも間近で見ることができる。
凱旋門賞は、世界中のホースマンを魅了し続けており、近年では、実現こそしなかったものの、2007年のアメリカ二冠馬カーリンが2008年に挑戦を表明したこともあったほど。日本馬もこのビッグレースの優勝を目指して、1969年のスピードシンボリから2018年のクリンチャーまで延べ23頭が参戦したが、残念ながら1999年のエルコンドルパサー、2010年ナカヤマフェスタ、そして2012、2013年のオルフェーヴルの2着が最高成績となっている。
備考:1ユーロ=120円で換算