いよいよ今年も若駒たちによる新馬戦が始まります。2012年以降、6月の東京・阪神開催に新馬戦が組み込まれるようになりましたが、当初は勝ち気でスタートの速い馬が活躍している印象がありました。しかし、近年では早期デビューの優勝馬が翌年のクラシック戦線で好成績を残しています。今年の桜花賞馬グランアレグリア、皐月賞馬サートゥルナーリアはどちらも昨年6月の新馬戦を勝利し、強い勝ち方を見せてくれました。
1970年生まれ。福岡県北九州市出身。
1989年に騎手デビュー。1996年にマイネルマックスでGI競走を初制覇。2000年代以降は数々のGI・JpnI競走を制し、タップダンスシチーとアーネストリーの管理調教師・佐々木晶三とも名コンビをうたわれた。2014年10月に引退。
10686戦954勝。GI級勝利 11勝(中央6勝、地方5勝)
引退後は主に競馬評論家として活動している。
現役時代に騎乗した今でも忘れられない新馬戦があります。その新馬戦とは、コンゴーリキシオーに騎乗したレース。ハナに立ちスローに落としてまんまと逃げきれそうな展開に持ち込めたのですが直線に入り軽快に逃げていたところ、急にコンゴーリキシオーが萎縮してしまい走りが変わってしまいました。萎縮させてしまうほどの威圧感を与えてきたのがディープインパクト。その感覚は日本ダービーでインティライミに騎乗した時にも感じました。自身のスピードで先行している馬にプレッシャーを与えることができる凄いダービー馬でしたね。
今年の新種牡馬の中で一番期待している馬はやはりキズナです。僕はデビュー2戦目まで騎乗していましたが、身体能力、バランス感覚はとても優れていました。そういった能力が産駒にも受け継がれることを期待しています。次に注目する馬はゴールドシップですね。現役当時、豪快な走りが印象的でしたが、どんな産駒が出現するのか凄く楽しみです。スーパーホースの誕生を期待します。
こればかりは言葉でお伝えする事は難しいですが、僕なりの注目ポイントは肩の可動域の広い馬。一例を挙げるなら肩幅が広い馬で、肩幅が広いと力を入れやすくなります。追い切りのフォームやパドックでの歩き方には、要注目です。たくさんの馬を見ることで強い2歳馬を見抜けるかもしれません。新聞などの情報と照らし合わせて、パドックで気になる馬を見つけられると凄く楽しめると思います。