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牡5歳
調教師:栗田徹(美浦)
一昨年の菊花賞馬。昨年は天皇賞(春)と宝塚記念を連勝した。その後は凱旋門賞(G1・フランス・芝2400メートル、11着)と有馬記念(9着)で敗れ、日経賞を連覇して臨んだ今年の天皇賞(春)は競走中止となった。復活を期すGⅠ3勝馬の秋初戦に注目したい。
一昨年の菊花賞を5馬身差で圧勝し、続く有馬記念は5着だったものの、昨春は日経賞、天皇賞(春)、宝塚記念と3連勝。天皇賞(春)は7馬身差、宝塚記念はコースレコードだった。昨秋の凱旋門賞(G1・フランス)は11着、有馬記念は9着と敗れるも、今年初戦となった前々走の日経賞では、それらのうっぷんを晴らすかのように8馬身差で快勝。“強いタイトルホルダーが戻ってきた”と思わせたが、その矢先、前走の天皇賞(春)では競走中止となった。幸い大事には至らず休養へ。夏場を順調に過ごしたようだ。9月14日の1週前追い切りでは、この馬らしい豪快な動きを披露。復活への態勢は整っている。
牝5歳
調教師:斉藤崇史(栗東)
昨年の本レース勝ち馬。重賞初制覇の勢いそのままにエリザベス女王杯も連勝した。今年は未勝利だが、3戦とも牡馬相手のGⅠで健闘し、力は示している。今年もここから上昇気流に乗りたいところだろう。
気難しさが出世を妨げていた本馬にとってブレイクスルーとなったのが、昨年の本レースだった。いつもより前のポジションを取って内ラチ沿いを進むと、最後は前2頭の間の狭いスペースを伸びて1着。心身ともに大きく成長したことを示す1勝となった。実際、次走のエリザベス女王杯を連勝。続く有馬記念では出遅れながらも3着に入り、日本を代表する牝馬へと上り詰めた。今年は3戦して6着、6着、4着と結果が出ていないが、前走の宝塚記念は早めに動いてのもので、見せ場十分だった。地力はもちろん、やはり2200メートルが合っているようで、ここは連覇が視野に入る一戦となる。
牡4歳
調教師:田中博康(美浦)
前走の函館記念は、勝負どころから馬群の大外を一気に進出して差し切る圧巻の競馬。距離ロスをものともせず、素質馬が開花の時期を迎えている。当コースはセントライト記念3着で経験済み。重賞連勝を狙う。
昨年のセントライト記念は、かなりの素質馬がそろった一戦だった。勝ち馬ガイアフォースは今年の安田記念で4着に入り、2着馬アスクビクターモアは次走の菊花賞を快勝。4着馬セイウンハーデスは今年の七夕賞を勝ち、5着馬ラーグルフは今年の中山金杯1着の後、強豪馬ぞろいの中山記念でも2着と好走した。このセントライト記念で3着に入った本馬も、重賞級の資質を備えており、それを示したのが前走函館記念の優勝だろう。その前走で見せたパフォーマンスを再現できるようなら、GⅠ勝ち馬が複数出走するここでも見劣りすることはないはずだ。
牝6歳
調教師:手塚貴久(美浦)
昨年はエリザベス女王杯2着の後、香港ヴァーズ(G1・芝2400メートル)で優勝。念願のG1制覇を海外で成し遂げた。今年2戦はもの足りないが、体調が本物ではなかったか。一昨年優勝の本レースで実力発揮といきたい。
一昨年の本レースは、逃げ馬の真後ろで折り合う絶好のポジション。直線を向き、1度は前が壁になる場面があったが、外に持ち出してから一気に突き抜けた。デビュー当時からセンスの良さと一瞬の脚の鋭さに定評はあったが、昨年暮れの香港ヴァーズの勝ち方には、あらためて驚かされた。10頭立てとはいえ、4コーナーはほぼ最後方という位置取りから豪快に突き抜けてのG1優勝。ひとつ殻を破ったかのような鮮烈なレース内容だった。近2戦は物足りないが、前々走はUAEでの競走、前走は遠征帰りで調整の難しさがあったのだろう。今回はホームとも言える舞台だけに、もっとやれていいはずだ。
牡5歳
調教師:奥村武(美浦)
昨年のエプソムCで重賞初制覇。今年初戦となったアメリカジョッキークラブCで重賞2勝目を挙げた。同じ中山・芝2200メートルで重賞を勝っている点は強み。大阪杯(8着)以来でも、適条件なら有力視できる存在だ。
強調材料になるのは、今年のアメリカジョッキークラブCの勝利だろう。今回と同じコース、距離だっただけでなく、勝ちっぷりも見事。好位のインで脚をためると、前が開いたところを逃さずにスッと進出。そこから早めに先頭へ立ち、一気に押し切る強い内容だった。体を大きく使ったフットワークが示すように、本質は東京向きの印象もあるが、一戦ごとに我慢と器用さを身につけ、抜け出してくる際の脚も鋭くなっている。前走の大阪杯は8着だったが、相手が強化されたうえに、時計が速すぎた印象もあった。今回も速い時計での決着になったときに、対応できるかどうかは鍵になりそうだ。
牡4歳
調教師:杉山晴紀(栗東)
昨年のセントライト記念の勝ち馬。今年の春はマイルへと路線を変更してマイラーズC2着、安田記念4着と健闘し、あらためて能力の高さを示した。今回は中距離に戻るが、前述のセントライト記念と同舞台。好勝負が可能だろう。
優勝した昨年のセントライト記念は素質馬がそろった一戦だっただけに、それを思えばもっと出世していいはずの馬だろう。とはいえ、近走のマイル2戦もかなりの強敵が相手だった。前々走のマイラーズC(2着)は、勝ち馬がシュネルマイスターで、3着馬ソウルラッシュは先々週の京成杯オータムHで優勝。前走の安田記念も、ソングライン、セリフォス、シュネルマイスターに続いての4着で、大阪杯の勝ち馬ジャックドール(5着)には先着した。これらのGⅠ勝ち馬と互角に戦えている点が、本馬の能力の高さに他ならない。強敵にもまれたことで、さらに進化を遂げている可能性もありそうだ。
牡4歳
調教師:昆貢(栗東)
今年は中山金杯5着、京都記念2着、大阪杯4着、天皇賞(春)5着と、距離や競馬場を問わず好走。久々だった前走の札幌記念こそ二桁着順(14着)に敗れたが、総合力の高さは光る。休み明け2戦目の今回は、躍進の可能性十分だ。
昨年春はきさらぎ賞で重賞初制覇を果たしてクラシック路線に乗ったが、皐月賞は12着、日本ダービーは13着。その後に骨折が判明し、再出発は秋のアンドロメダS(リステッド・阪神・芝2000メートル)だった。これを好位から抜け出して快勝すると、その後は重賞で連続好走。特に注目できるのが、ドウデュースの2着に好走した京都記念だ。3馬身1/2差をつけられたが、日本ダービー時の着差はもっと大きかった。続く大阪杯でも4着に健闘しており、確かな成長が感じられた。これまで中山では反応などを含めて力を出し切れていない印象だが、心身ともに大きく良化した今なら、上位争いに加わっても不思議はない。
牡6歳
調教師:森秀行(栗東)
昨夏の七夕賞で重賞初制覇。前走の小倉記念で重賞2勝目を飾った。2000メートルで実績を残すが、今年のアメリカジョッキークラブC2着があり、2200メートルも守備範囲。夏の勢いをぶつける一戦になる。
重賞初制覇となった昨年の七夕賞は、大外枠スタートから終始外を回りながらの快勝。重賞2勝目を挙げた前走の小倉記念は、好位のインから鋭く伸びて後続を2馬身1/2突き放した。振り返ると、3勝クラス・サンタクロースS(阪神・芝2000メートル)も2着馬に3馬身差をつけて圧勝しており、勝つ時はとにかく強いというのが特徴と言えそうだ。中山2200メートルは、4走前のアメリカジョッキークラブCでノースブリッジの2着があり、適性は証明済み。久々の実戦という馬も多い中で、本馬は夏場に2戦しており、前走を勝って臨めるのはプラス材料のはずだ。
(山下 健)
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