今週の注目レース

鳴尾記念(GⅢ)

阪神競馬場 2000メートル(芝)別定 3歳以上オープン

出走馬情報

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牡4歳

調教師:宮本博(栗東)

  • 父:ブラックタイド
  • 母:ピクシーホロウ
  • 母の父:キングヘイロー
ここに注目!

近2戦連続で逃げる形の競馬をしているが、重賞勝ちを決めたラジオNIKKEI賞は好位より後ろのポジションから。3着だった新潟記念は3番手でレースを進めていた。自在性に富むタイプという認識は持っておきたい。

ブリンカーを着用し、能力を発揮するようになった昨年3月からの成績は[2・1・3・1]。3着以内を外した唯一のレースは距離が明らかに長かった昨年の菊花賞(15着)で、適性距離に絞ってレースを選択している今年は、前々走の中山金杯が勝ち馬ラーグルフとタイム差なしの3着。前走の金鯱賞は勝ったプログノーシスに0秒1差の2着と、勝ち切れてはいないながらも強敵相手に堅実なパフォーマンスを見せている。阪神コースでのオープンクラス実績はないが、芝の育成が進んだ時期の開幕週で、直線の短い内回りコースが舞台。近2走で見せた先行力が生きる条件はそろっている。

牡7歳

調教師:辻野泰之(栗東)

  • 父:トゥザグローリー
  • 母:レディーノパンチ
  • 母の父:フレンチデピュティ
ここに注目!

左回りでコーナー通過2回のコースがベストというイメージが強く、実際に3度の重賞制覇もそれに該当しているが、昨年の中山記念ではパンサラッサの2着に好走。右回りをこなせないわけではなく、ここでも評価を下げる必要はないだろう。

2021年の東京新聞杯で初重賞制覇を果たすなどマイル路線で活躍していたが、栗東・辻野泰之厩舎への転厩後に中距離路線へと参入。この選択が正解だったようで、昨夏の新潟記念、前走の新潟大賞典と重賞タイトルの上積みに成功した。今年初戦となった前走の新潟大賞典では、トップハンデの59キログラムを背負い、タフな馬場状態(不良)を克服。2着セイウンハーデスとは僅差ながら、3着以下には8馬身以上の差をつけた。7歳を迎えても、高い能力と勝負根性が衰えていないことを証明。レース内容もインパクト十分と言えるものだった。重賞連勝の可能性は十分にあるだろう。

牝5歳

調教師:吉田直弘(栗東)

  • 父:クロフネ
  • 母:テンダリーヴォイス
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

直線に坂のあるコースがダメという戦績ではないが、阪神コースでは〔0・1・1・2〕と勝ち星がなく、一方で直線平坦の小倉記念(1着)では圧巻のパフォーマンスを見せた。阪神でもうひと押しが利くかどうかが今回のポイントになってくるはずだ。

馬体重430キログラムに満たない小柄なクロフネ産駒だが、持っている能力は非凡なものがあり、重賞初制覇を飾った昨年の小倉記念は、2着ヒンドゥタイムズに5馬身の差をつける圧勝だった。それ以降は2000メートルの距離にこだわり、強敵相手への挑戦を選択した天皇賞(秋)では7着。前々走の金鯱賞は直線で進路を見つけられず不完全燃焼の8着に敗れたが、前走の大阪杯では、中団で待機する形から直線で脚を伸ばして勝ち馬ジャックドールから0秒5差の5着に健闘した。GⅢのメンバーが相手なら、主役を張れる力を持っているはずだ。

牡7歳

調教師:池江泰寿(栗東)

  • 父:キングカメハメハ
  • 母:ポップコーンジャズ
  • 母の父:ダンスインザダーク
ここに注目!

近走は2400メートル以上の距離をターゲットにしており、この距離は2021年の中日新聞杯(4着)以来。重賞制覇を果たしている距離とはいえ、約1年5か月ぶりの2000メートルには不安が残る。流れに対応できるかどうかが鍵になる。

2020年の中日新聞杯、昨年の目黒記念とここまで重賞2勝をマークし、昨秋の京都大賞典、前走の日経賞では2着。今回のメンバーでは実績上位と言える存在だ。宝塚記念、天皇賞(秋)のGⅠ2競走を含む重賞6勝をマークしたラブリーデイは本馬の全兄で、鳴尾記念も2015年に制覇。今回の1戦で兄弟制覇に挑む形になる。陣営の想定より重かった59.5キログラムのハンデを理由に、予定していた先週の目黒記念を回避。スライドする形で今週の一戦に臨むことになった影響は気になるところだ。最終追い切りの動きと当日のパドックはしっかりとチェックしたい。

牡5歳

調教師:大竹正博(美浦)

  • 父:オルフェーヴル
  • 母:ソーマジック
  • 母の父:シンボリクリスエス
ここに注目!

前走の中山記念(9着)は、勝負どころを迎えた段階で手応えがなかった。初めての1800メートルの距離が影響したのか、それとも12キログラム増でキャリア最高の馬体重だったことが影響したのか。まずは当日の馬体重に注目したいところだ。

4歳以降は順調にレースを使えず、1年半で3戦を消化したのみ。レースの結果も浮き沈みの大きいものとなっている。骨折休養明けだった3走前のオールカマーでは心房細動を発症して離された13着と大敗したが、前々走のチャレンジCでは2着馬に1馬身3/4差をつけ、1分57秒5の好時計をマークして前年に続く同レース連覇を達成した。しかしながら、1番人気で出走した前走の中山記念では勝ち馬から0秒8差の9着に敗退。持っている能力は確かなものがあるだけに、得意とする阪神・芝2000メートルの舞台で巻き返しを果たしたいところだ。

牡5歳

調教師:大久保龍志(栗東)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:スウェアトウショウ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

以前から調教で動くタイプだが、長期休養明けの近2走は速い調教タイムこそ出ていても、本来の鋭さがない印象があった。休み明け3走目で状態面が上昇。若葉S(リステッド)を勝った阪神・芝2000メートルに替わるのもプラス材料と言える。

2021年の皐月賞で4着に入り、昨年の中山記念ではパンサラッサ(1着)、カラテ(2着)に次ぐ3着に好走した実力馬。約1年1か月の長い休養明けとなった前走の六甲S(リステッド・阪神・芝1600メートル)では12着と大敗したが、キャリア初のマイル戦に加えて、馬群の外めを回るコース取りも響いた印象。休み明け2走目となった前走の都大路S(リステッド・京都・芝1800メートル)では、一転して馬群の内を突く形を取り、勝ったエアファンディタとクビ差の2着に好走している。ここで待望の重賞制覇を果たすシーンがあっても不思議はない。

せん7歳

調教師:斉藤崇史(栗東)

  • 父:ハービンジャー
  • 母:マハーバーラタ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

重賞を制した小倉コースの適性が高い印象がある馬。だが、最も勝ち星を稼いでいるのは阪神コースで、リステッド勝ちに加えて重賞3着の実績もある。雨で時計がかかる状況になれば、さらにチャンスは広がるだろう。

16着だった前走の大阪杯は相手が強かっただけでなく、16頭立ての8枠15番も響いた印象。タフな馬場コンディションを得意にする本馬にとって、良馬場で速い時計での決着になった点もこたえたのかもしれない。重賞初制覇を果たした前々走の小倉大賞典では、中団のインで流れに乗って追走。序盤から緩みのないラップで進み、適度に上がりタイムがかかる展開もかみ合っての勝利だった。去勢手術をした昨夏以降は馬の雰囲気が良くなり、ウィークポイントだった硬さも取れてきている印象。馬場状態と展開次第で2度目の重賞制覇も狙えるはずだ。

(松浪 大樹)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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