阪神牝馬Sは2006年のヴィクトリアマイルの創設とともに、その前哨戦として開催時期が春に移された。2016年に距離が1600メートルに延長されて以降は、同年9着のストレイトガールを皮切りに、2017年2着のアドマイヤリード、2018年5着のジュールポレールと、当レースの出走馬が3年連続でヴィクトリアマイルを制するなど、本番との結びつきがより強固になっている。今回は芝1600メートルで行われた過去7年の結果を参考に、レースの傾向を探っていく。
過去7年の単勝人気別成績を調べると、3着内率は順当に1番人気、2番人気の順で高く、直近の2年はそろって馬券に絡んている。ただ、2018年から2020年は2桁人気馬が3着以内に入り、2021年は8番人気のドナウデルタが3着、2022年は9番人気のメイショウミモザが優勝と、伏兵にも台頭の余地があることを念頭に置いて予想を組み立てるべきだろう。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 2-2-1-2 | 28.6% | 57.1% | 71.4% |
2番人気 | 2-1-1-3 | 28.6% | 42.9% | 57.1% |
3番人気 | 0-1-0-6 | 0% | 14.3% | 14.3% |
4番人気 | 2-0-1-4 | 28.6% | 28.6% | 42.9% |
5番人気 | 0-0-1-6 | 0% | 0% | 14.3% |
6〜9番人気 | 1-1-2-24 | 3.6% | 7.1% | 14.3% |
10番人気以下 | 0-2-1-29 | 0% | 6.3% | 9.4% |
過去7年の前走別成績を調べると、最も好走例が多いのは京都牝馬S組の5頭。愛知杯組は優勝こそないものの2021年、2022年と続けて2・3着に入り、3着内率は66.7%をマークしている。好走率でこれを上回るのが有馬記念組で、出走した2頭がともに連対を果たしている。該当馬の参戦少ないが、出走してくるようであれば押さえておいた方がよさそうだ。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
有馬記念 | 1-1-0-0 | 50.0% | 100% | 100% |
ジャパンカップ | 0-1-0-1 | 0% | 50.0% | 50.0% |
京都牝馬S | 2-1-2-14 | 10.5% | 15.8% | 26.3% |
東京新聞杯 | 1-0-1-4 | 16.7% | 16.7% | 33.3% |
中山牝馬S | 1-0-0-8 | 11.1% | 11.1% | 11.1% |
愛知杯 | 0-2-2-2 | 0% | 33.3% | 66.7% |
京都金杯 | 0-0-1-3 | 0% | 0% | 25.0% |
その他のJRA重賞 | 0-0-0-18 | 0% | 0% | 0% |
オープン特別 | 1-0-0-10 | 9.1% | 9.1% | 9.1% |
3勝クラス | 1-2-1-11 | 6.7% | 20.0% | 26.7% |
地方海外 | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
年末の有馬記念や、1月に行われる愛知杯から臨んだ馬が活躍していることもあり、過去7年の3着以内馬延べ21頭中19頭は、前走との間隔が中6週以上だった。前走で3勝クラスのレースを勝ったばかりの馬も、中6週以上であれば〔1・2・0・4〕(3着内率42.9%)と健闘している。一方、中3週と間隔が詰まる中山牝馬S組をはじめ、中5週以下だった馬は3着内率6.5%と厳しい戦いを強いられている。〔表3〕
前走との間隔 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
中5週以下 | 1-0-1-29 | 3.2% | 3.2% | 6.5% |
中6週以上 | 6-7-6-45 | 9.4% | 20.3% | 29.7% |
過去7年の3着以内馬延べ21頭のうち11頭は、芝1600メートル以上のJRA重賞を優勝したことがある馬だった。中でも、前年9月以降に芝1600メートル以上のJRA重賞を勝っていた馬は〔3・4・2・9〕と半数が3着以内に好走しているので、これに該当する馬を馬券の軸としてみる手もありそうだ。〔表4〕
(高那実 マヤ)
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 4-4-3-25 | 11.1% | 22.2% | 30.6% |
なし | 3-3-4-49 | 5.1% | 10.2% | 16.9% |
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