大阪杯は2017年にGⅠとなり、記念すべき“GⅠ昇格元年”は単勝1番人気のキタサンブラックが勝利を収めた。一方、昨年は8番人気のポタジェが優勝する波乱の決着となった。今年は上位人気馬が期待に応えるのか、それとも伏兵馬があっと言わせるのか。今回はGⅠ昇格後6回の結果を参考に、レースの傾向を分析していく。
過去6年の前走別成績を調べると、3着以内馬延べ18頭中12頭は前走が同年のGⅡ(金鯱賞・中山記念・京都記念)だった。3着以内馬が最も多いのは金鯱賞で、前出のポタジェや2019年に単勝9番人気で勝利を収めたアルアインも同レースから臨んでいた。一方、GⅠの有馬記念組は6頭中4頭が2番人気以内に支持されていたものの、昨年のエフフォーリア(1番人気9着)、2019年のブラストワンピース(1番人気6着)と、そのうちの2頭が1番人気の支持に応えられなかった。有馬記念組は過信禁物といえそうだ。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
有馬記念 | 1-1-0-4 | 16.7% | 33.3% | 33.3% |
ジャパンカップ | 0-0-1-2 | 0% | 0% | 33.3% |
金鯱賞 | 3-2-1-18 | 12.5% | 20.8% | 25.0% |
中山記念 | 1-1-1-6 | 11.1% | 22.2% | 33.3% |
京都記念 | 0-2-1-12 | 0% | 13.3% | 20.0% |
神戸新聞杯 | 0-0-1-0 | 0% | 0% | 100% |
チャレンジC | 1-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
小倉大賞典 | 0-0-1-8 | 0% | 0% | 11.1% |
その他 | 0-0-0-17 | 0% | 0% | 0% |
過去6年の年齢別成績を見ていくと、3着以内馬延べ18頭中17頭が4歳または5歳だった。6歳以上の馬は、2017年にステファノスが2着に入ったのみとなっている。今年も4歳と5歳の争いと考えた方がいいかもしれない。〔表2〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4歳 | 2-2-5-19 | 7.1% | 14.3% | 32.1% |
5歳 | 4-3-1-23 | 12.9% | 22.6% | 25.8% |
6歳 | 0-1-0-15 | 0% | 6.3% | 6.3% |
7歳以上 | 0-0-0-10 | 0% | 0% | 0% |
性別では、牝馬が3着内率44.4%と優秀な成績を収めている。2頭の出走でワンツーフィニッシュとなった2020年以降3年連続で連対を果たしているので、今年も牝馬の出走があればマークが必要だろう。〔表3〕
性 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
牡・せん | 4-4-6-62 | 5.3% | 10.5% | 18.4% |
牝 | 2-2-0-5 | 22.2% | 44.4% | 44.4% |
過去6年の3着以内馬延べ18頭中14頭は、前年に行われた芝2000メートル以上のJRA・GⅠで3着以内に入っていた。これに該当する馬は当レースで上位人気に支持された馬だけでなく、6番人気から9番人気だった馬も〔1・3・0・3〕(3着内率57.1%)と好成績を挙げている。中距離路線の強豪が集まる一戦ではGⅠ実績がものをいうようだ。〔表4〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 4-6-4-15 | 13.8% | 34.5% | 48.3% |
なし | 2-0-2-52 | 3.6% | 3.6% | 7.1% |
過去6年の3着以内馬延べ18頭のうち14頭は、阪神・芝コースにおける3着内率が75.0%以上だった。特に、優勝馬は6頭中5頭が同100%というコース巧者だった。一方、同75.0%未満または阪神・芝コース未経験の馬は好走率もかなり低いので、大幅に評価を下げた方がよさそうだ。〔表5〕
3着内率 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
75.0%以上 | 6-5-3-19 | 18.2% | 33.3% | 42.4% |
75.0%未満 | 0-1-2-36 | 0% | 2.6% | 7.7% |
出走経験なし | 0-0-1-12 | 0% | 0% | 7.7% |
〔表2〕のとおり、過去6年の優勝馬はいずれも4歳または5歳だった。また、いずれの馬も栗東所属だったので、まずは年齢と所属で絞り込みたい。さらに、前項で述べたように阪神・芝コースにおける3着内率が高かったこと、前走で単勝4番人気以内の支持を受け5着以内に入っていた点も共通している。これら全てを満たす馬となれば、候補は限られてくるのではないだろうか。〔表6〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 所属 | 年齢 | 阪神・芝コースでの成績 | 前走の単勝人気 | 前走の着順 |
---|---|---|---|---|---|---|
2017年 | キタサンブラック | 栗東 | 5歳 | 0-1-1-0(3着内率100%) | 2番人気 | 2着 |
2018年 | スワーヴリチャード | 栗東 | 4歳 | 1-1-0-0(3着内率100%) | 1番人気 | 1着 |
2019年 | アルアイン | 栗東 | 5歳 | 2-0-1-0(3着内率100%) | 3番人気 | 5着 |
2020年 | ラッキーライラック | 栗東 | 5歳 | 2-1-0-1(3着内率75.0%) | 2番人気 | 2着 |
2021年 | レイパパレ | 栗東 | 4歳 | 2-0-0-0(3着内率100%) | 1番人気 | 1着 |
2022年 | ポタジェ | 栗東 | 5歳 | 2-1-0-0(3着内率100%) | 4番人気 | 4着 |
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