2022年のマーチSで自身2度目の重賞制覇を果たしたメイショウハリオは、同年の帝王賞を制して初GⅠ・JpnⅠタイトルを獲得した。新興勢力にとっては飛躍の足掛かりとなるレースで、今後のダート路線を展望するうえでも注目しておきたい一戦だ。なお、2019年に3連単124万620円の高額配当が飛び出すなど、ハンデキャップ競走らしい波乱の決着となった年も少なくない。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬延べ31頭中21頭は、前走の着順が1着、もしくは2着以下で1着馬とのタイム差が0.4秒以内だった。一方、前走の着順が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0.5秒以上だった馬は3着内率10.4%とやや苦戦している。基本的には前走を勝っているか、勝ち馬と差のない競馬をしていた馬を重視したい。〔表1〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走の着順ならびに1着馬とのタイム差 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着、もしくは2着以下で1着馬とのタイム差が0.4秒以内 | 5-9-7-42 | 7.9% | 22.2% | 33.3% |
2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0.5秒以上 | 5-1-4-86 | 5.2% | 6.3% | 10.4% |
なお、前走の着順が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0.5秒以上だった馬のうち、前走が右回りのコースだった馬は、3着内率が5.7%にとどまっている。前走が今回と同じ右回りのコースで、なおかつ勝ち馬に0.5秒以上のタイム差をつけられてしまった馬は、評価を下げた方がよさそうだ。〔表2〕
前走のコース | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
右回り | 1-0-3-66 | 1.4% | 1.4% | 5.7% |
左回り | 4-1-1-20 | 15.4% | 19.2% | 23.1% |
過去10年の3着以内馬延べ31頭中29頭は、前走の馬体重が480キログラム以上だった。一方、480キログラム未満だった馬は3着内率7.7%と苦戦している。馬体重が480キログラムに満たない馬は過信禁物とみておきたい。〔表3〕
前走の馬体重 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
480kg未満 | 0-0-2-24 | 0% | 0% | 7.7% |
480kg以上 | 10-10-9-104 | 7.5% | 15.0% | 21.8% |
過去6年のマーチSにおける年齢別成績を見ると、連対馬は全て5歳から7歳の馬で、4歳馬と9歳以上の馬は全て4着以下に敗れていた。9歳以上のベテランと、若い4歳馬は上位に食い込む可能性は低いとみるべきだろう。〔表4〕
年齢 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4歳 | 0-0-0-16 | 0% | 0% | 0% |
5歳 | 2-2-2-17 | 8.7% | 17.4% | 26.1% |
6歳 | 3-3-2-23 | 9.7% | 19.4% | 25.8% |
7歳 | 1-1-1-10 | 7.7% | 15.4% | 23.1% |
8歳 | 0-0-2-7 | 0% | 0% | 22.2% |
9歳以上 | 0-0-0-4 | 0% | 0% | 0% |
過去6年の3着以内馬延べ19頭中13頭は、前走との間隔が中4週以上だった。一方、中3週以内の馬は3着内率14.0%とやや苦戦している。どちらかと言うと、前走との間隔に余裕のある馬が優勢だ。〔表5〕
前走との間隔 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
中3週以内 | 1-3-2-37 | 2.3% | 9.3% | 14.0% |
中4週以上 | 5-3-5-40 | 9.4% | 15.1% | 24.5% |
なお、前走との間隔が中3週以内だったにもかかわらず3着以内に入った6頭は、いずれも前走が総武Sもしくは仁川S、かつ5着以内だった。中3週以内の間隔で臨む馬のうち、前走が総武Sでも仁川Sでもなかった馬や、6着以下だった馬は疑ってかかりたい。〔表6〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走とその着順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
総武S・仁川S、かつ5着以内 | 1-3-2-11 | 5.9% | 23.5% | 35.3% |
総武S・仁川S以外、もしくは6着以下 | 0-0-0-26 | 0% | 0% | 0% |
過去7年の優勝馬7頭は、いずれも枠番が2枠から6枠だった。1枠や7枠、8枠といった内外極端な枠に入った馬は割り引くべきだろう。また、この7頭は前走の馬体重が480キログラム以上だった点や、年齢が5歳から7歳だった点も共通している。〔表3〕、〔表4〕などで挙げた傾向も加味した方がよさそうだ。〔表7〕
(伊吹 雅也)
年次 | 優勝馬 | 枠番 | 前走の馬体重 | 年齢 |
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2016年 | ショウナンアポロン | 2枠 | 518kg | 6歳 |
2017年 | インカンテーション | 2枠 | 506kg | 7歳 |
2018年 | センチュリオン | 4枠 | 536kg | 6歳 |
2019年 | サトノティターン | 5枠 | 572kg | 6歳 |
2020年 | スワーヴアラミス | 6枠 | 488kg | 5歳 |
2021年 | レピアーウィット | 2枠 | 546kg | 6歳 |
2022年 | メイショウハリオ | 6枠 | 508kg | 5歳 |
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