今週の注目レース

3歳重賞馬連 毎日杯(GⅢ)

阪神競馬場 1800メートル(芝・外)別定 3歳オープン

出走馬情報

キングズレイン

牡3歳

調教師:手塚貴久(美浦)

  • 父:ルーラーシップ
  • 母:タッチングスピーチ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

始動戦として予定していた弥生賞ディープインパクト記念を熱発で回避したが、それ以降の調整は順調のようで、再三の併せ馬で強い負荷もかけている。初の長距離輸送も含め、当日のチェックは必要だろうが、問題のない仕上がりと判断したい。

前走のホープフルSは3着という結果に終わったが、GⅠとしては珍しいほどのスローペースで、上位の2頭は前に行った馬。大外からメンバー中最速の上がり3ハロンタイム(推定)で追い込んだレース内容だけを見れば、最も強いパフォーマンスをした馬のようにも思える。クラシック級の素材であることは間違いないだろう。弥生賞ディープインパクト記念を回避しての出走となるが、今回と同コース、同距離のローズSを勝ったタッチングスピーチを母に持ち、父ルーラーシップも阪神・芝1800メートル時代の鳴尾記念を制覇。舞台への適性はかなり高そうだ。重賞タイトルを獲得して、次へのステップに進みたい。

ノッキングポイント

牡3歳

調教師:木村哲也(美浦)

  • 父:モーリス
  • 母:チェッキーノ
  • 母の父:キングカメハメハ
ここに注目!

パドックでのテンションは常に高めで、それは結果を出した前走でも同様。過剰に気にする必要はないが、そのような気性の馬が初めての長距離輸送。現地に一泊の形がどのような影響を及ぼすのか、当日の気配はしっかりとチェックしたい。

2016年のフローラSを勝ち、オークスでも2着に好走したチェッキーノを母に持つモーリス産駒。デビュー当時から高い評価を得ていた馬で、実際にメイクデビュー東京(芝1600メートル)では、のちの重賞勝ち馬オールパルフェを3馬身差で一蹴しているほど。その後の2戦では勝ち切れなかったが、待望の2勝目マークとなった前走の1勝クラス(東京・芝1600メートル)の勝ちタイムは、1分32秒9という優秀なものだった。外から一気に差し切ったパフォーマンスからも、直線が長いコースへの適性は高そうだ。ここで重賞制覇を飾り、大舞台へと飛躍したいところだろう。

オメガリッチマン

牡3歳

調教師:安田翔伍(栗東)

  • 父:イスラボニータ
  • 母:エルカラファテ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

前走で収得賞金の加算に成功。目標のレースを定めて調整できたのは大きかったようで、この中間の動きは実にスムーズで活気がある。力の必要な馬場状態にさえならなければ、能力を十分に発揮できるはずだ。

父はイスラボニータ、母の父がディープインパクトという血統背景。牡馬にしては小柄なタイプで、気性も前向きなことから、ディープインパクトの影響が強い馬と言えるのかもしれない。スタートでつまずき流れに乗れなかった前々走のジュニアC(リステッド・中山・芝1600メートル)は7着という結果だったが、連闘策で挑んだ前走の京成杯では、スタートを決めて中団を追走すると手応え十分で直線に向き、しっかりと伸びて2着をキープ。9頭立ての9番人気という低評価を覆すパフォーマンスを見せた。今回の一戦でも好結果を出すことができれば、もう本物と言っていいはずだ。

ドットクルー

牡3歳

調教師:笹田和秀(栗東)

  • 父:ディーマジェスティ
  • 母:スターオブロゼッタ
  • 母の父:ロードカナロア
ここに注目!

ある程度のペースで流れたとはいえ、前走の1分46秒2という勝ち時計は水準以上。シャフリヤールの勝った一昨年を別格とすれば、例年の毎日杯の勝ち時計よりも速い数字だった。時計面の比較では上位と言えそうだ。

デビュー地の福島に始まり、2戦目が中京で3戦目は小倉。貴重な2戦目をマークした前走の1勝クラス・アルメリア賞(芝1800メートル)は、今回と同じ阪神・芝外回りコース。キャリア4戦の全てを違う競馬場を走り、崩れることのない堅実性は高く評価していいだろう。重賞挑戦でも自分の力を発揮できるはずだ。父は2016年の皐月賞を制したディーマジェスティ。その産駒はJRAでは2勝までが最高で、重賞を勝った馬もいない(3月15日終了時点)。このレースを勝てば、ディーマジェスティ産駒初のJRA3勝馬にして、初の重賞勝ち馬になる。孝行息子となれるかどうかにも注目したいところだ。

アドマイヤイル

牡3歳

調教師:友道康夫(栗東)

  • 父:Saxon Warrior
  • 母:アイムユアーズⅡ
  • 母の父:Invincible Spirit
ここに注目!

530キログラム前後の大型馬で、フットワークも実に力強い。ヨーロッパ型のイメージが強く、ゆえに速い時計での決着になった場合の対応が鍵だろう。当日の馬場傾向などを見ながら、評価を考えたいところだ。

父のサクソンウォリアーはディープインパクト産駒で、日本生産馬として初めてイギリスのクラシック(英2000ギニー)を勝った名馬。種牡馬になってからも初年度産駒からG1勝ち馬を送り出し、その可能性の大きさを再認識させている。2021年のセレクトセールにおいて2億900万円(消費税込み)という高額で取り引きされた本馬は、日本における父の産駒の真打ちとも言える存在で、デビュー2戦目の未勝利(中京・芝2200メートル)で勝ち上がった。これがサクソンウォリアー産駒のJRA初勝利。今回のレースを勝つようなことがあれば、当然ながら産駒の重賞初制覇ということになる。

ドクタードリトル

牡3歳

調教師:今野貞一(栗東)

  • 父:デクラレーションオブウォー
  • 母:ブルックデイル
  • 母の父:キングカメハメハ
ここに注目!

前々走の内容から、水分を含んだ馬場状態はマイナス材料となりそう。良馬場が理想だろう。デビュー戦のラスト2ハロンのレースラップは10秒9、11秒3。速い脚が必要なレースのほうが、この馬のスタイルに合うはずだ。

今回と同じ舞台のメイクデビュー阪神(芝1800メートル)で勝ち上がりを決めているが、それ以降の3戦は惜しい競馬はするものの、勝ち切れずに終わっている。初の重賞挑戦となる今回のレースで、その悔しさを晴らしたいところだろう。GⅠ3勝馬マンハッタンカフェを産んだサトルチェンジを祖に持つ母系で、父のデクラレーションオブウォーは今年の3歳世代が日本供用後の初年度産駒。父はすでにトップナイフという活躍馬を送り出しているだけでなく、先週のファルコンSをタマモブラックタイが制してJRA重賞初勝利も挙げている。その勢いに乗っていけるかどうかにも注目したい。

セレンディピティ

牡3歳

調教師:音無秀孝(栗東)

  • 父:ドゥラメンテ
  • 母:ジェラシー
  • 母の父:ハービンジャー
ここに注目!

前走は、手前を替えたときに脚をひねったとのこと。不可解な敗戦の理由がわかったことで、評価を下げる必要がなくなった。放牧明けの一戦でも乗り込みは順調。コーナー通過2回の競馬が合いそうなイメージもある。

近親に活躍馬が多数の血統馬。リンカーンにヴィクトリー、アリストテレスなど、その多くが本馬と同じ音無秀孝厩舎の所属だった。デビュー2戦目の未勝利(阪神・芝2000メートル)を4馬身差で快勝した本馬に対する陣営の評価は高く、それは前述した活躍馬たちにも比肩するほど。未勝利を勝った直後でGⅠのホープフルSに挑戦させた理由もここにある。このレースでは8着に敗れ、1番人気に支持された前走の若駒S(リステッド・中京・芝2000メートル)でも5着に敗れたが、持っているポテンシャルは高いはず。ここで巻き返しがあっても驚けない。

フェイト

牡3歳

調教師:矢作芳人(栗東)

  • 父:リアルスティール
  • 母:サンタフェチーフ
  • 母の父:Wiesenpfad
ここに注目!

少しモタモタしていた近走時の調教と異なり、この中間は動きがシャープに。栗東CWコースで長めからしっかりと追い切った1週前追い切りでは好時計もマークしている。これまでとは違うパフォーマンスを期待してよさそうだ。

2021年のセレクトセールで1億7600万円(消費税込み)で落札された馬。父リアルスティールと同じ矢作芳人厩舎の所属馬であることから、同様の活躍を期待しているファンも多いだろう。鮮やかだったメイクデビュー新潟(芝1800メートル、1着)でのパフォーマンスを思えば、近走の結果は少し物足りないが、約3か月半の休み明けで5着に敗れた東京スポーツ杯2歳Sの時は、追い切りでデビュー前ほどの動きができていなかった。父リアルスティールは3歳時から活躍しながら、古馬になってさらに成長したタイプ。持っている資質の高さは、今回のメンバーでも引けを取らないはずだ。

(松浪 大樹)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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