昨年の優勝馬タイトルホルダーは続く天皇賞(春)と宝塚記念を連勝し、JRA賞最優秀4歳以上牡馬に輝いた。また、2013年、2014年と天皇賞(春)を連覇したフェノーメノ、2021年の同レースを制したワールドプレミアも前哨戦として日経賞に出走していた。春の長距離ナンバーワン決定戦と密接な関係にある一戦の傾向を、過去10年の結果から探ってみたい。
過去10年の前走別成績を調べると、3着以内馬延べ30頭中26頭は前走がJRAのGⅠまたはGⅡだった。GⅠから臨んだ馬は延べ25頭の出走で、約半数の12頭が馬券に絡む活躍ぶりだ。その中でも目立つのが有馬記念組で〔3-3-3-8〕(3着内率52.9%)と、9頭が3着以内に入っている。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 4-5-3-13 | 16.0% | 36.0% | 48.0% |
GⅡ | 5-4-5-49 | 7.9% | 14.3% | 22.2% |
GⅢ | 0-0-2-20 | 0% | 0% | 9.1% |
オープン特別 | 0-0-0-9 | 0% | 0% | 0% |
3勝クラス | 1-1-0-11 | 7.7% | 15.4% | 15.4% |
障害 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
海外G1 | 0-0-0-4 | 0% | 0% | 0% |
なお、前年秋のGⅠから臨んだ馬が活躍していることもあり、過去10年の3着以内馬延べ30頭中26頭は前走からの間隔が中6週以上だった。前走がGⅡだった馬も3着以内馬の中心は1月の日経新春杯組〔3-1-1-8〕(3着内率38.5%)とアメリカJCC組〔2-2-2-16〕(3着内率27.3%)になっており、間隔が空いている馬の方が成績が良い。中5週以下となる京都記念組や中山記念組は苦戦傾向にあるため、割り引いた方がよさそうだ。〔表2〕
前走との間隔 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
中5週以下 | 1-1-2-40 | 2.3% | 4.5% | 9.1% |
中6週以上 | 9-9-8-67 | 9.7% | 19.4% | 28.0% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中27頭は、芝2200メートル以上のJRA重賞で3着以内に入った経験がある馬だった。特に活躍が目立つのが芝2200メートル以上のJRA・GⅠで3着以内に入っていた馬で、該当馬は〔5-4-3-16〕と3着内率42.9%をマーク。2021年は3着以内を独占し、昨年は唯一の該当馬だったタイトルホルダーが優勝と、近年も存在感を示している。〔表3〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 10-8-9-60 | 11.5% | 20.7% | 31.0% |
なし | 0-2-1-47 | 0% | 4.0% | 6.0% |
過去10年の年齢別成績を見ていくと、12頭が馬券に絡んだ4歳を筆頭に年齢が若いほど3着以内馬の頭数が多くなっている。好走率でも4歳が群を抜き、特に芝2200メートル以上のJRA重賞で3着以内に入った経験のあった4歳馬は〔6-4-1-7〕で3着内率が61.1%と非常に高い。一方、7歳以上の馬は未勝利なうえに3着内率10.3%と若い世代に押され気味なので、評価は控えめにした方がいいだろう。〔表4〕
(高那実 マヤ)
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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4歳 | 6-5-1-15 | 22.2% | 40.7% | 44.4% |
5歳 | 2-2-4-26 | 5.9% | 11.8% | 23.5% |
6歳 | 2-2-2-31 | 5.4% | 10.8% | 16.2% |
7歳以上 | 0-1-3-35 | 0% | 2.6% | 10.3% |
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