2021年と2022年の阪神大賞典を連覇したディープボンドは、いずれの年も次走の天皇賞(春)で2着に入った。また、2015年の勝ち馬ゴールドシップ、2018年の勝ち馬レインボーラインは、それぞれ次走の天皇賞(春)でも優勝を果たしている。6週後の最強ステイヤー決定戦を見据えた強豪が集う伝統の一戦だ。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
年齢別成績を見ると、勝率、連対率、3着内率ともに4歳馬が最も高く、年齢が上がるほど数値が低くなっている。なお、7歳以上だったにもかかわらず3着以内に入ったのは、2013年3着のフォゲッタブルが最後である。比較的若い馬を重視するべきだろう。〔表1〕
年齢 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4歳 | 4-3-3-10 | 20.0% | 35.0% | 50.0% |
5歳 | 4-4-3-18 | 13.8% | 27.6% | 37.9% |
6歳 | 2-3-3-21 | 6.9% | 17.2% | 27.6% |
7歳 | 0-0-1-15 | 0% | 0% | 6.3% |
8歳以上 | 0-0-0-13 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中29頭は、2000メートル超のJRA重賞において4着以内に入った経験がある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率3.0%と苦戦している。2000メートル超のJRA重賞で好走したことのない馬は、評価を下げた方がよさそうだ。〔表2〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 10-9-10-45 | 13.5% | 25.7% | 39.2% |
なし | 0-1-0-32 | 0% | 3.0% | 3.0% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中15頭は、前走の着順が3着以内だった。該当馬は3着内率も45.5%と優秀な水準に達している。前走好走馬は高く評価したい。〔表3〕
前走の着順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3着以内 | 6-4-5-18 | 18.2% | 30.3% | 45.5% |
4着以下 | 4-6-5-59 | 5.4% | 13.5% | 20.3% |
なお、前走の着順が4着以下だったにもかかわらず3着以内に入った延べ15頭のうち12頭は、“前年以降のJRAGⅠ”において11着以内となった経験のある馬だった。2022年以降のGⅠで11着以内のある馬は、前走4着以下であっても巻き返しを警戒しておくべきだろう。〔表4〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 4-6-2-14 | 15.4% | 38.5% | 46.2% |
なし | 0-0-3-45 | 0% | 0% | 6.3% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中19頭は、騎手が前走と同じだった。該当馬は3着内率も47.5%と優秀な水準に達している。前走と同じジョッキーを鞍上に配した馬は、上位に入る可能性が高いとみてよさそうだ。〔表5〕
騎手 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
前走と同じ騎手 | 7-6-6-21 | 17.5% | 32.5% | 47.5% |
乗り替わり | 3-4-4-56 | 4.5% | 10.4% | 16.4% |
なお、騎手が乗り替わりだったにもかかわらず3着以内に入った11頭のうち8頭は、“前年以降のJRAのGⅠ・GⅡ”において2着以内に入った経験のある馬だった。2022年以降のGⅠ・GⅡで連対がなく、今回乗り替わりで臨む馬は過信禁物とみておきたい。〔表6〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 3-3-2-13 | 14.3% | 28.6% | 38.1% |
なし | 0-1-2-43 | 0% | 2.2% | 6.5% |
過去10年の優勝馬延べ10頭は、いずれも前走の距離が2600メートル未満だった。前走の距離が2600メートル以上だったにもかかわらず優勝を果たしたのは、2012年のギュスターヴクライ(前走3400メートル)が最後である。当レースよりもやや短い距離のレースを経由してきた馬を重視したい。また、この10頭は年齢が6歳以下だった点、“2000メートル超のJRA重賞”において2着以内に入った経験があった点も共通している。〔表1〕、〔表2〕などで挙げた傾向も考慮した方がよさそうだ。〔表7〕
(伊吹 雅也)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年次 | 優勝馬 | 前走の距離 | 年齢 | “2000メートル超のJRA重賞”における最高着順 |
---|---|---|---|---|
2013年 | ゴールドシップ | 2500m | 4歳 | 1着(2012年有馬記念ほか) |
2014年 | ゴールドシップ | 2500m | 5歳 | 1着(2013年宝塚記念ほか) |
2015年 | ゴールドシップ | 2200m | 6歳 | 1着(2014年宝塚記念ほか) |
2016年 | シュヴァルグラン | 2400m | 4歳 | 2着(2016年日経新春杯) |
2017年 | サトノダイヤモンド | 2500m | 4歳 | 1着(2016年有馬記念ほか) |
2018年 | レインボーライン | 2500m | 5歳 | 2着(2016年菊花賞) |
2019年 | シャケトラ | 2200m | 6歳 | 1着(2019年アメリカJCCほか) |
2020年 | ユーキャンスマイル | 2400m | 5歳 | 1着(2019年ダイヤモンドS) |
2021年 | ディープボンド | 2000m | 4歳 | 1着(2020年京都新聞杯) |
2022年 | ディープボンド | 2500m | 5歳 | 1着(2021年阪神大賞典ほか) |
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