2022年のフェブラリーSは、単勝オッズ5.1倍(2番人気)の支持を集めたカフェファラオが優勝を果たし、2021年に続く“連覇”を達成した。なお、2着には同8.9倍(5番人気)のテイエムサウスダンが、3着には同8.2倍(4番人気)のソダシが入り、3連単の配当は7万6940円にとどまった。3連単が発売されるようになった2005年以降の計18回中、3連単の配当が10万円を超えたのは5回、20万円以上となると2回だけである。堅く収まりがちな一戦を制し、2023年最初のJRAGⅠウイナーとなるのはどの馬だろうか。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬延べ30頭中27頭は、“JRAの左回りコースで行われた1900メートル未満の重賞”において1着となった経験がある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率4.3%と苦戦している。なお、2015年以降の過去8年に限ると、この経験がなかった馬の成績は〔0・1・1・55〕(3着内率3.5%)である。左回りコースの1900メートル未満の重賞における実績を重視したいところだ。〔表1〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9-9-9-62 | 10.1% | 20.2% | 30.3% |
なし | 1-1-1-66 | 1.4% | 2.9% | 4.3% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中24頭は、通算出走数が25戦以内だった。一方、26戦以上だった馬は3着内率9.5%と苦戦している。〔表2〕
通算出走数 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
25戦以内 | 10-7-7-71 | 10.5% | 17.9% | 25.3% |
26戦以上 | 0-3-3-57 | 0% | 4.8% | 9.5% |
なお、通算出走数が26戦以上だったにもかかわらず3着以内に入った6頭のうち5頭は、過去のフェブラリーSにおいて4着以内に入った経験がある馬だった。既にこのレースで4着以内に入ったことのある馬でない限り、キャリア26戦以上の馬は過信禁物とみるべきだろう。〔表3〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 0-2-3-17 | 0% | 9.1% | 22.7% |
なし | 0-1-0-40 | 0% | 2.4% | 2.4% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中24頭は、前走が国内、かつ前走の単勝人気が4番人気以内だった。一方、5番人気以下だった馬は3着内率9.7%と苦戦している。前走を比較する際は、当時の単勝人気もチェックしておきたい。〔表4〕
前走の単勝人気 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4番人気以内 | 9-7-8-71 | 9.5% | 16.8% | 25.3% |
5番人気以下 | 1-3-2-56 | 1.6% | 6.5% | 9.7% |
過去10年の馬番別成績を見ると、「最内」もしくは「大外」の馬番となった馬はいずれも4着以下に敗れている。「最内」の馬番だったにもかかわらず3着以内に入ったのは、2004年2着のサイレントディールが最後。「大外」の馬番だったにもかかわらず3着以内に入ったのは、2012年1着のテスタマッタが最後である。内外極端な馬番となった馬は割り引きが必要だ。〔表5〕
馬番 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
最内 | 0-0-0-10 | 0% | 0% | 0% |
大外 | 0-0-0-10 | 0% | 0% | 0% |
その他 | 10-10-10-108 | 7.2% | 14.5% | 21.7% |
過去5年の3着以内馬延べ15頭中9頭は、JRAのGⅠにおいて2着以内に入った経験がある馬だった。該当馬は3着内率も36.0%と優秀な水準に達している。既にGⅠで連対した経験のある馬は、相応に高く評価するべきだろう。〔表6〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 3-4-2-16 | 12.0% | 28.0% | 36.0% |
なし | 2-1-3-47 | 3.8% | 5.7% | 11.3% |
なお、JRAのGⅠで2着以内の経験がなかったにもかかわらず3着以内に入った6頭は、いずれも前走が“JRAの重賞、かつ前走の着順が6着以内”だった。まだGⅠで連対したことがない馬同士を比較する際は、前走がJRAの重賞、かつそこで6着以内だった馬を上位に取りたい。〔表7〕
前走とその着順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
JRAの重賞、かつ6着以内 | 2-1-3-17 | 8.7% | 13.0% | 26.1% |
JRAの重賞以外、もしくは7着以下 | 0-0-0-30 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の優勝馬延べ10頭は、いずれも前走がJRAのレースだった。前走がJRA以外のレースだったにもかかわらず優勝を果たしたのは、2009年のサクセスブロッケンが最後である。前走が地方のダートグレード競走などだった馬は、評価を下げた方がよさそうだ。また、この10頭は通算出走数が20戦以内だった点、馬番が2番から14番だった点も共通している。〔表2〕、〔表5〕などで挙げた傾向も考慮するべきだろう。〔表8〕
(伊吹 雅也)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年次 | 優勝馬 | 前走 | 通算出走数 | 馬番 |
---|---|---|---|---|
2013年 | グレープブランデー | JRAのレース | 15戦 | 2番 |
2014年 | コパノリッキー | JRAのレース | 8戦 | 13番 |
2015年 | コパノリッキー | JRAのレース | 15戦 | 4番 |
2016年 | モーニン | JRAのレース | 6戦 | 14番 |
2017年 | ゴールドドリーム | JRAのレース | 8戦 | 3番 |
2018年 | ノンコノユメ | JRAのレース | 20戦 | 12番 |
2019年 | インティ | JRAのレース | 7戦 | 6番 |
2020年 | モズアスコット | JRAのレース | 20戦 | 12番 |
2021年 | カフェファラオ | JRAのレース | 6戦 | 3番 |
2022年 | カフェファラオ | JRAのレース | 10戦 | 6番 |
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