春の中長距離GⅠを狙う馬が始動することの多い重賞で、近年の優勝馬ではラヴズオンリーユー、クロノジェネシス、サトノクラウンが同年に国内外のGⅠを制している。京都競馬場の整備工事により、3年連続で阪神・芝2200メートルでの開催になるが、京都開催時も含めた過去10年のデータから傾向を探ってみた。
前走別成績では、前走がGⅠだった馬が3着内率45.7%と圧倒。また、前走が海外のG1だった3頭はいずれも3着以内に入っている。前走がGⅠだった馬から軸馬を絞り込むのが京都記念のセオリーになる。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 5-4-7-19 | 14.3% | 25.7% | 45.7% |
GⅡ | 2-2-2-35 | 4.9% | 9.8% | 14.6% |
GⅢ | 2-2-0-17 | 9.5% | 19.0% | 19.0% |
オープン特別 | 0-1-0-10 | 0% | 9.1% | 9.1% |
3勝クラス | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
海外G1 | 1-1-1-0 | 33.3% | 66.7% | 100% |
前走がGⅠだった馬の中でも、有馬記念、エリザベス女王杯、菊花賞、天皇賞(秋)など、前年秋のGⅠから臨んだ馬が有力。そのレースで2桁着順に敗れていた馬からも、2021年のラヴズオンリーユー(前走:有馬記念10着)、2016年のサトノクラウン(前走:天皇賞(秋)17着)が優勝するなど、巻き返す可能性は十分にあるので着順はあまり気にしなくてよさそうだ。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
有馬記念 | 2-0-2-4 | 25.0% | 25.0% | 50.0% |
エリザベス女王杯 | 1-1-0-4 | 16.7% | 33.3% | 33.3% |
菊花賞 | 1-1-0-1 | 33.3% | 66.7% | 66.7% |
天皇賞(秋) | 1-0-0-2 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
ジャパンカップ | 0-1-3-5 | 0% | 11.1% | 44.4% |
マイルCS | 0-1-0-0 | 0% | 100% | 100% |
宝塚記念 | 0-0-1-1 | 0% | 0% | 50.0% |
天皇賞(春) | 0-0-1-1 | 0% | 0% | 50.0% |
桜花賞 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
昨年は7歳馬アフリカンゴールドが逃げ切り、3着以内を6歳馬と7歳馬が独占したが、基本的には4歳馬と5歳馬が強いレース。その中でも2200メートルの重賞で連対した経験のある馬の好走例が多いので、人気の有無にかかわらず要注意だ。〔表3〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4歳 | 3-6-2-20 | 9.7% | 29.0% | 35.5% |
5歳 | 5-0-5-17 | 18.5% | 18.5% | 37.0% |
6歳 | 1-3-1-23 | 3.6% | 14.3% | 17.9% |
7歳以上 | 1-1-2-24 | 3.6% | 7.1% | 14.3% |
単勝人気別成績では、3番人気以内の勝率がそこまで高くない。勝率が最も高いのは6番人気で、2019年ダンビュライト、2016年サトノクラウン、2014年デスペラード、2013年トーセンラーと、過去10年で4勝を挙げている。これらの馬に共通するのは、重賞勝ちの実績はあるものの、前走の敗戦で人気を下げていた点。そういった馬がいたら穴馬の候補になる。〔表4〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 2-1-2-5 | 20.0% | 30.0% | 50.0% |
2番人気 | 0-2-3-5 | 0% | 20.0% | 50.0% |
3番人気 | 2-4-1-3 | 20.0% | 60.0% | 70.0% |
4番人気 | 1-1-2-6 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
5番人気 | 0-1-0-9 | 0% | 10.0% | 10.0% |
6番人気 | 4-0-2-4 | 40.0% | 40.0% | 60.0% |
7番人気以下 | 1-1-0-52 | 1.9% | 3.7% | 3.7% |
京都記念は11頭前後の比較的少ない頭数で行われることが多いためか、レースのペースが落ち着きやすい。過去10年のうち7回が、レース前半1000メートルのペースが後半1000メートルより2秒以上遅かった。スローペースは先行有利になりやすく、4コーナーを4番手以内で通過した馬の優勝が多くなっている。阪神・芝2200メートルで行われた昨年、一昨年も先行馬が勝利しているので、今年も先行できそうな馬から勝ち馬を予想したい。〔表5〕
(姫園 淀仁)
年度 | 優勝馬 | 4コーナー 通過順 |
前半・後半1000mの ラップ |
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2013年 | トーセンラー | 7番手 | 61秒8−58秒8 |
2014年 | デスペラード | 2番手 | 63秒7−59秒4 |
2015年 | ラブリーデイ | 2番手 | 61秒2−58秒1 |
2016年 | サトノクラウン | 先頭 | 63秒6−61秒4 |
2017年 | サトノクラウン | 3番手 | 60秒2−61秒3 |
2018年 | クリンチャー | 4番手 | 63秒0−60秒7 |
2019年 | ダンビュライト | 3番手 | 63秒3−59秒3 |
2020年 | クロノジェネシス | 3番手 | 61秒1−62秒7 |
2021年 | ラヴズオンリーユー | 3番手 | 59秒3−59秒2 |
2022年 | アフリカンゴールド | 先頭 | 61秒7−57秒5 |
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