過去10年の出走馬から、5頭の皐月賞馬と2頭の日本ダービー馬が誕生している共同通信杯。クラシックの登竜門として知られる一戦には、どのような特徴があるのだろうか。過去10年の結果を参考に、レースの傾向を探っていく。
過去10年の前走別成績では1勝クラスと新馬から臨んだ馬の活躍が目立ち、1勝クラス組は最多の4勝を挙げ、新馬組は12頭が出走して6頭が3着以内に入っている。また、2018年から4年連続で1勝クラス組が優勝、2022年は新馬戦を勝ったばかりのダノンベルーガが優勝と、近年はこれ以外の臨戦過程で臨んだ馬が勝っていない。なお、前走がJRA重賞だった馬も14頭が馬券に絡んでおり、無視できない存在となっているが、そのうち単勝1番人気に支持された9頭中5頭が4着以下に敗れている点は気になるところだ。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
JRA重賞 | 2-5-7-35 | 4.1% | 14.3% | 28.6% |
オープン特別 | 1-1-0-4 | 16.7% | 33.3% | 33.3% |
1勝クラス | 4-2-1-21 | 14.3% | 21.4% | 25.0% |
新馬 | 2-2-2-6 | 16.7% | 33.3% | 50.0% |
未勝利 | 1-0-0-9 | 10.0% | 10.0% | 10.0% |
地方のレース | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の通算出走回数別成績を見ると、3着以内馬30頭中28頭はキャリア4戦以下だった。前走で新馬戦を勝ったばかりの馬が好成績を残しているように、キャリアが浅いことを気にする必要はなさそうだ。割り引きたいのはキャリア5戦以上の馬で、ここ5年は〔0・0・0・11〕と特に厳しい結果になっている。〔表2〕
通算出走回数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1戦 | 2-2-2-6 | 16.7% | 33.3% | 50.0% |
2戦 | 2-0-2-14 | 11.1% | 11.1% | 22.2% |
3戦 | 5-6-3-22 | 13.9% | 30.6% | 38.9% |
4戦 | 1-1-2-13 | 5.9% | 11.8% | 23.5% |
5戦以上 | 0-1-1-23 | 0% | 4.0% | 8.0% |
過去10年の3着以内馬30頭中20頭は、デビュー以来一度も4着以下に敗れたことがない馬だった。これに該当する馬は3着内率も43.5%と高い。一方、4着以下に敗れた経験があった馬のうち、その経験が2回以上あった馬は3着内率6.1%と苦戦を強いられているうえ、過去5年に限れば〔0・0・0・14〕とより厳しい成績になっている。クラシックに向けた重要な位置付けのレースだけに、4着以下に敗れた経験が複数回あるような馬は苦戦する可能性が高いようだ。〔表3〕
4着以下の回数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
0回 | 8-6-6-26 | 17.4% | 30.4% | 43.5% |
1回 | 2-3-3-21 | 6.9% | 17.2% | 27.6% |
2回以上 | 0-1-1-31 | 0% | 3.0% | 6.1% |
過去10年の優勝馬はいずれも前走で3着以内に入っていたので、まずは前走の着順を基準にしたい。優勝馬の前走をさらに詳しく見ていくと、2014年のイスラボニータ以外の9頭は前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位が1位だった。スローペースからの上がり勝負になることが多い一戦だけに、前走で鋭い末脚を発揮して好走していた馬に注目したい。〔表4〕
(高那実 マヤ)
年度 | 優勝馬 | 前走の着順 | 前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位 |
---|---|---|---|
2013年 | メイケイペガスター | 3着 | 1位 |
2014年 | イスラボニータ | 1着 | 5位 |
2015年 | リアルスティール | 1着 | 1位 |
2016年 | ディーマジェスティ | 1着 | 1位 |
2017年 | スワーヴリチャード | 2着 | 1位 |
2018年 | オウケンムーン | 1着 | 1位 |
2019年 | ダノンキングリー | 1着 | 1位 |
2020年 | ダーリントンホール | 3着 | 1位 |
2021年 | エフフォーリア | 1着 | 1位 |
2022年 | ダノンベルーガ | 1着 | 1位 |
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