きさらぎ賞はクラシックの登竜門に位置付けられている。2020年までは京都競馬場の芝1800メートルで行われていたが、同競馬場の整備工事により、2021年からは中京競馬場の芝2000メートルで争われている。今年も中京での開催となるが、ここでは過去10年のデータを分析する。
過去10年で前走が重賞だった馬は計26頭が出走し、〔5・2・4・15〕(3着内率42.3%)という成績を残している。また、前走1勝クラス組は32頭が出走して3着内率40.6%と、重賞組と同等の成績を残している。一方、前走が新馬・未勝利だった馬は27頭が出走して〔1・2・2・22〕(3着内率18.5%)と、やや苦戦傾向にある。ちなみに、個別のレースで特に注目したいのがGⅠのホープフルS組で、きさらぎ賞が中京の芝2000メートルで行われた過去2年では、同レースから臨んだ馬が〔1・1・1・2〕(3着内率60.0%)と好成績を収めている。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 2-1-3-7 | 15.4% | 23.1% | 46.2% |
GⅡ | 0-1-0-1 | 0% | 50.0% | 50.0% |
GⅢ | 3-0-1-7 | 27.3% | 27.3% | 36.4% |
オープン特別 | 1-0-0-3 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
1勝クラス | 3-6-4-19 | 9.4% | 28.1% | 40.6% |
新馬 | 1-1-0-13 | 6.7% | 13.3% | 13.3% |
未勝利 | 0-1-2-9 | 0% | 8.3% | 25.0% |
地方のレース | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の出走馬についてデビュー戦の月別に成績をまとめると、該当馬が4頭の1月デビュー組を除けば、前年の12月までの各月はいずれも10頭以上が該当し、7月から10月に3着以内馬が集中している。中でも10月デビュー組が連対率46.2%、3着内率53.8%と最も高くなっている。各馬のデビュー月に注目してもみるのも面白いだろう。〔表2〕
デビュー月 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
6月以前 | 0-2-0-8 | 0% | 20.0% | 20.0% |
7月 | 4-1-3-9 | 23.5% | 29.4% | 47.1% |
8月 | 0-2-3-6 | 0% | 18.2% | 45.5% |
9月 | 1-1-1-7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
10月 | 3-3-1-6 | 23.1% | 46.2% | 53.8% |
11月 | 1-1-1-12 | 6.7% | 13.3% | 20.0% |
12月 | 0-0-1-9 | 0% | 0% | 10.0% |
1月 | 1-0-0-3 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
過去10年の出走馬について、当レースと同じ距離(2020年以前は芝1800メートル、2021年以降は芝2000メートル)での最高着順別に成績をまとめると、連対馬20頭中16頭は同距離のレースを勝った経験がある馬だった。中京・芝2000メートルで行われた過去2年においても、3着以内馬6頭中5頭が芝2000メートル戦で1着となった経験がある馬だったことから、今年も当レースと同じ芝2000メートル戦での成績をチェックしておきたい。〔表3〕
最高着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 7-9-2-21 | 17.9% | 41.0% | 46.2% |
2着 | 0-0-3-2 | 0% | 0% | 60.0% |
3着 | 0-0-0-6 | 0% | 0% | 0% |
4着 | 0-0-1-2 | 0% | 0% | 33.3% |
5着 | 0-0-0-0 | - | - | - |
6着以下 | 0-0-0-7 | 0% | 0% | 0% |
出走なし | 3-1-4-22 | 10.0% | 13.3% | 26.7% |
過去10年の優勝馬10頭中9頭は、前走が1勝クラスかオープンクラスのレースで、そのレースの4コーナーを4番手から9番手で通過していた。前走のクラスと4コーナー通過順がこれに該当する馬は、優勝候補の一頭としてマークしておくべきだろう。〔表4〕
(河野 道夫)
年度 | 優勝馬 | 前走とその4コーナー通過順 |
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2013年 | タマモベストプレイ | シンザン記念・4番手 |
2014年 | トーセンスターダム | 京都2歳S・6番手 |
2015年 | ルージュバック | 1勝クラス・9番手 |
2016年 | サトノダイヤモンド | 1勝クラス・6番手 |
2017年 | アメリカズカップ | 朝日杯FS・4番手 |
2018年 | サトノフェイバー | 新馬・先頭 |
2019年 | ダノンチェイサー | 1勝クラス・5番手 |
2020年 | コルテジア | シンザン記念・5番手 |
2021年 | ラーゴム | 京都2歳S・4番手 |
2022年 | マテンロウレオ | ホープフルS・9番手 |
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