今週の注目レース

日経新春杯(GⅡ)

中京競馬場 2200メートル(芝)ハンデ 4歳以上オープン

出走馬情報

ヴェルトライゼンデ

牡6歳

調教師:池江泰寿(栗東)

  • 父:ドリームジャーニー
  • 母:マンデラ
  • 母の父:Acatenango
ここに注目!

脚元の関係から、現状は坂路のみで調教されている馬。当日の気配はしっかりとチェックしたいところだが、前回に続いて今回も入念な乗り込みを消化しての一戦。仕上がりに不足なしと判断したい。中京コースとの相性も抜群だ。

6月の鳴尾記念で初重賞制覇を飾った昨年のハイライトは、勝ったヴェラアズールから0秒1差の3着に好走したジャパンカップだろう。直線入り口で前が壁になるシーンがあり、追い出しを少し待たされる格好にはなったが、スペースができてからの瞬発力は強烈。GⅠの舞台で勝ち負けを期待できる馬であることをあらためて印象付けた一戦だった。屈腱炎などの影響により出世は遅れてしまったが、ゆえに明け6歳ながらキャリアは12戦。まだまだ馬はフレッシュな状態のはずだ。今年初戦をきっちりと射止め、再び大舞台へと進んでいきたいところだろう。

プラダリア

牡4歳

調教師:池添学(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:シャッセロール
  • 母の父:クロフネ
ここに注目!

切れのある走りを見せていた昨年の春を思えば、併走馬に見劣りするシーンもあった昨秋は状態面の違いが歴然だった。調教の動きで状態の良し悪しを判断できるタイプだ。ラスト1ハロンのタイムよりも、手応えに注目したい。

未勝利(阪神・芝2400メートル)勝ち直後で挑んだ青葉賞を制し、頂上決戦の日本ダービーでも5着に入った実績を持つディープインパクト産駒。神戸新聞杯が8着、菊花賞が7着と、秋の競馬は期待したほどの戦績が残せなかったが、神戸新聞杯に関しては調教の段階から春の迫力と切れがうかがえず、菊花賞は休み明けを1度使った効果こそ感じられたものの、3000メートルという距離と展開が合わなかった。前走の菊花賞から3か月弱の間隔を空けて立て直し、左回りコースの中距離戦と条件的にも悪くない今回は見直しが必要だろう。明け4歳馬の成長力にも期待したいところだ。

ヤマニンゼスト

牡4歳

調教師:千田輝彦(栗東)

  • 父:シンボリクリスエス
  • 母:ヤマニンバステト
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

シンボリクリスエス産駒らしい見栄えのする馬体をした馬で、タフな洋芝コースも楽々とこなしていた。重馬場以上での出走経験はないが、マイナスには働かないはず。むしろ、速い上がりを求められる決着よりも適性がありそうだ。

2勝クラスからの格上挑戦で臨んだ前々走の神戸新聞杯は、勝ったジャスティンパレスには離されたものの2着に好走。菊花賞、有馬記念ともに2着の成績を残したボルドグフーシュ(3着)には先着を果たした。内ラチ沿いをキープし、距離ロスを徹底的に抑えた武豊騎手の好騎乗が大きかったのは確かだが、馬群を割って伸びたパフォーマンスはなかなかのもの。4コーナーでのスムーズさを欠いた前走の菊花賞でも、ゴール前はしっかりと伸びて6着まで押し上げている。持っている能力は今回のメンバーでも通用するだけのものがあるはずだ。重賞初制覇を期待したい。

ロバートソンキー

牡6歳

調教師:林徹(美浦)

  • 父:ルーラーシップ
  • 母:トウカイメガミ
  • 母の父:サンデーサイレンス
ここに注目!

約3か月半ぶりでの出走だが、休み明けは全く苦にしないタイプ。3勝クラスを勝ち上がった前々走も約3か月半の間隔が空いていた。時に馬体重の大幅な変動があるが、それも結果に大きく影響しない。常に能力を信頼できる馬だ。

レースを使い込むことができず、6歳を迎えた現在でも11戦というキャリア。しかしながら、その戦績は〔4・2・2・3〕と安定しており、5着だったデビュー戦を除けば、3着以内を外したレースはGⅠのみ。昇級初戦でのGⅡ挑戦となった前走のオールカマーでも、勝ったジェラルディーナから0秒2差の2着と堅実な走りを見せた。エリザベス女王杯を勝ち、有馬記念でも3着に好走したジェラルディーナのその後を見れば、本馬の実力も推して知るべしというところだろう。自身の名を全国区にした2020年神戸新聞杯(3着)と同じ中京・芝2200メートルの舞台なら、初の重賞制覇も十分にありそうだ。

ハヤヤッコ

牡7歳

調教師:国枝栄(美浦)

  • 父:キングカメハメハ
  • 母:マシュマロ
  • 母の父:クロフネ
ここに注目!

5走前の日経賞から芝路線に本格参戦。5戦で2度メンバー中最速上がり3ハロンタイム(推定)をマークしているが、目立つような数字ではなく、33秒台をマークするほどの切れはない。タフな展開となり、上がりを要する状況での出番となる可能性が高そうだ。

雨の影響を強く受けた重馬場で、勝ち時計も2分03秒6と要した昨年の函館記念の勝ち馬。ダートで勝ち上がってきた過去の戦績も含め、時計を要する馬場に強いタイプとの認識を持っている人が多いはずだ。もちろん、そのような特徴もあるのだろうが、1分59秒台での決着だった前走の中日新聞杯でも勝ち馬と0秒1差の5着に食い込んでいるように、力の要る馬場コンディション以外では走れないわけでもない。近親のソダシ、メイケイエールは豊富なスピードを武器に活躍。潜在的なスピードは本馬も持っているはずだ。3度目の重賞制覇も十分に可能だろう。

アフリカンゴールド

せん8歳

調教師:西園正都(栗東)

  • 父:ステイゴールド
  • 母:ブリクセン
  • 母の父:Gone West
ここに注目!

今年で8歳。調教の動きは悪くないが、以前よりも良化に時間がかかる印象は否めない。中京は一昨年の中日新聞杯で2着がある舞台。すんなりと先行する競馬ができれば、粘り込みのシーンがありそうだ。

2014年のドバイワールドカップ(G1・UAE)を勝ったアフリカンストーリー(父Pivotal)を半兄に持つ血統馬で、昨年の京都記念では重賞初制覇も果たした。マイペースに落として逃げ切り勝ちを決めた同レースが、キャリアで唯一の“逃げ”を選択した一戦。もちろん、それ以降のレースでもハナを主張したい姿勢は見せているが、他馬との兼ね合いもあって2番手以降から進めることが多くなっている。前走のアルゼンチン共和国杯も2番手からの競馬で後退して10着と、持ち味を生かせなかった。積極的なレース運びができるかどうかが鍵となりそうだ。

ヴェローナシチー

牡4歳

調教師:佐々木晶三(栗東)

  • 父:エピファネイア
  • 母:アモーレエテルノ
  • 母の父:ゼンノロブロイ
ここに注目!

ハミを取らなかったり、耳を絞るような仕草を見せたりと気分屋な面はあるが、能力的にはここでも通用する馬。スムーズな競馬ができるかどうかがポイントになりそうだ。格上挑戦でも侮れない。

前走の3勝クラス・グレイトフルS(中山・芝2500メートル)は勝ったシルブロンと0秒1差の2着。1番人気の支持に応えられず、同クラスを突破することもできなかったが、キャリア10戦で〔1・4・3・2〕と勝ち味に遅い戦績の馬。キャラクターが出た結果と言えなくもないだろう。一方、京成杯で3着、京都新聞杯では2着に入るなど、重賞でも好走した実績がある。GⅡへの格上挑戦という立場となる今回、54キログラムのハンデを生かすことができれば、このメンバーが相手でも面白い存在となるはずだ。重賞初制覇を期待したい。

サンレイポケット

牡8歳

調教師:高橋義忠(栗東)

  • 父:ジャングルポケット
  • 母:アドマイヤパンチ
  • 母の父:ワイルドラッシュ
ここに注目!

今年で8歳となり、キャリアも今回が30戦目。以前のような決め手は発揮できないかもしれないが、ブリンカーを外した前走の走りを見れば、精神面の復調を感じ取ることもできる。差し脚の生きるレースになれば見限れない。

一昨年の秋はGⅠ戦線でも存在感を示していた馬。それを思えば、得意の左回りでベストの条件だった前々走の新潟記念での8着はパンチ不足の成績だが、昨年の夏は体調がひと息だったようだ。馬体調整のためのリフレッシュ期間を設け、約3か月ぶりの出走となった前走のチャレンジCでは、勝ったソーヴァリアントから0秒4差の4着とまずまずの結果。復活への足掛かりをつかんだように見えた。休み明け2走目の上積みと、左回りへの舞台替わりを考慮すれば、さらなる上昇カーブを描けるはず。一昨年の新潟大賞典に続くタイトル奪取の可能性は十分にありそうだ。

(松浪 大樹)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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