中山金杯には中距離路線の有望株が集い、過去10年の優勝馬の中では2015年のラブリーデイと2019年ウインブライトが、同年に芝2000メートルのGⅠを制している。今年の中距離戦線を占ううえで注目の一戦をひもとくべく、過去10年の結果を分析していく。
過去10年の負担重量別成績を調べると、ハンデが57.5キログラム以上だった馬が3着内率54.5%と好成績を挙げている。一方、53キログラム以下だった馬は同8.7%と苦戦傾向にある。軽ハンデ馬の好走はあまり期待しない方がよさそうだ。〔表1〕
負担重量 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
53kg以下 | 0-1-1-21 | 0% | 4.3% | 8.7% |
54kg〜55kg | 2-4-3-46 | 3.6% | 10.9% | 16.4% |
56kg〜57kg | 5-3-5-57 | 7.1% | 11.4% | 18.6% |
57.5kg以上 | 3-2-1-5 | 27.3% | 45.5% | 54.5% |
なお、前走との負担重量の比較では重量増となった馬が8勝を挙げ、3着内率も60.0%と優秀な成績を収めている。中でも、前走から負担重量が増えて57.5キログラム以上となった馬は〔3・2・1・1〕と、3着内率は驚異の85.7%をマーク。該当馬がいれば高く評価すべきだろう。〔表2〕
負担重量の増減 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
今回増 | 8-4-3-10 | 32.0% | 48.0% | 60.0% |
増減なし | 0-3-4-55 | 0% | 4.8% | 11.3% |
今回減 | 2-3-3-64 | 2.8% | 6.9% | 11.1% |
前走の距離別成績を見ていくと、過去10年の3着以内馬延べ30頭中19頭は前走も芝2000メートルだった。侮れないのが芝1600メートル組で、該当する馬の出走は少ないが、2019年ウインブライト、2022年レッドガランと出走機会2連勝中で、好走率は芝2000メートル組を上回っている。なお、前走が芝2200メートル以上だった馬は25頭が出走して、馬券に絡んだのは2018年1着のセダブリランテスだけ。距離を短縮してきた馬は割り引きが必要だろう。〔表3〕
前走の距離 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
芝1600m | 2-1-0-7 | 20.0% | 30.0% | 30.0% |
芝1800m | 1-3-3-36 | 2.3% | 9.3% | 16.3% |
芝2000m | 6-6-7-58 | 7.8% | 15.6% | 24.7% |
芝2200m以上 | 1-0-0-24 | 4.0% | 4.0% | 4.0% |
ダート戦 | 0-0-0-4 | 0% | 0% | 0% |
血統面で見ると、3着内率が高いのはノーザンダンサー系種牡馬の産駒で、勝利数は1勝のみとやや勝ち切れない面はあるものの、3着内率は現在主流となっているサンデーサイレンス系に大きな差をつけている。2018年に10番人気で3着に入ったストレンジクォークや、2020年に11番人気で3着のテリトーリアルといった伏兵の好走例もあり、ノーザンダンサー系種牡馬の産駒は押さえておいて損はなさそうだ。〔表4〕
種牡馬の系統 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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サンデーサイレンス系 | 6-5-3-70 | 7.1% | 13.1% | 16.7% |
ミスタープロスペクター系 | 3-1-2-23 | 10.3% | 13.8% | 20.7% |
ノーザンダンサー系 | 1-3-5-14 | 4.3% | 17.4% | 39.1% |
上記以外 | 0-1-0-22 | 0% | 4.3% | 4.3% |
過去10年の優勝馬は単勝5番人気以内に限られるため、6番人気以下の馬は1着候補から外せそうだ。また、2014年のオーシャンブルーを除く9頭は馬体重が480キログラム以上だった。ここ5年は520キログラム以上の馬が3勝と、特に大型馬の活躍が目立つので、上位人気に支持されている馬のなかでも馬格のある馬に注目したいところだ。〔表5〕
(高那実 マヤ)
年度 | 優勝馬 | 単勝人気 | 馬体重 |
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2013年 | タッチミーノット | 2番人気 | 506kg |
2014年 | オーシャンブルー | 5番人気 | 440kg |
2015年 | ラブリーデイ | 4番人気 | 482kg |
2016年 | ヤマカツエース | 3番人気 | 492kg |
2017年 | ツクバアズマオー | 1番人気 | 480kg |
2018年 | セダブリランテス | 1番人気 | 522kg |
2019年 | ウインブライト | 3番人気 | 490kg |
2020年 | トリオンフ | 2番人気 | 554kg |
2021年 | ヒシイグアス | 1番人気 | 496kg |
2022年 | レッドガラン | 4番人気 | 520kg |
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