2021年の中日新聞杯は、単勝オッズ19.7倍(8番人気)のショウナンバルディが逃げ切り勝ちを果たし、同154.0倍(17番人気)のアフリカンゴールドが2着に、同19.9倍(10番人気)のシゲルピンクダイヤが3着に食い込み、3連単236万8380円の高額配当決着となった。開催時期が12月となった2017年以降の3着以内馬延べ15頭中、単勝オッズが10倍以上だった馬は半数近い7頭に上っている。波乱含みの一戦を展望すべく、今回は3月に開催されていた2016年以前を含む過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
牡・せん馬の負担重量別成績を見ると、54キログラム以下の馬は3着内率8.9%と苦戦している。ハンデが比較的軽い牡・せん馬は、過信禁物とみるべきだろう。〔表1〕
負担重量 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
54kg以下 | 1-2-1-41 | 2.2% | 6.7% | 8.9% |
54kg超 | 8-6-8-87 | 7.3% | 12.8% | 20.2% |
また、牝馬の負担重量別成績を見ると、52キログラム以下および55キログラム以上の馬は全て4着以下に敗れている。牝馬の負担重量を比較する際は、ハンデが比較的軽い馬だけでなく、重い馬も評価を下げた方がよさそうだ。〔表2〕
負担重量 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
52kg以下 | 0-0-0-6 | 0% | 0% | 0% |
52kg超55kg未満 | 1-2-1-4 | 12.5% | 37.5% | 50.0% |
55kg以上 | 0-0-0-5 | 0% | 0% | 0% |
開催時期が12月となった過去5年の3着以内馬延べ15頭中10頭は、年齢が4歳以下だった。一方、5歳以上だった馬は3着内率9.6%と苦戦している。年齢の若い馬はひと通りチェックしておきたい。〔表3〕
年齢 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4歳以下 | 4-3-3-22 | 12.5% | 21.9% | 31.3% |
5歳以上 | 1-2-2-47 | 1.9% | 5.8% | 9.6% |
なお、年齢が5歳以上だったにもかかわらず3着以内に入った5頭のうち4頭は、“同年5月以降のハンデキャップ競走を除くJRA重賞”において5着以内に入った経験のある馬だった。同年5月以降にハンデ戦を除くJRA重賞で好走していない5歳以上の馬は、扱いに注意するべきだろう。〔表4〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 1-1-2-6 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
なし | 0-1-0-41 | 0% | 2.4% | 2.4% |
開催時期が12月となった過去5年の3着以内馬延べ15頭中12頭は、前走との間隔が中5週以上だった。一方、中4週以内だった馬は3着内率6.7%と苦戦している。臨戦過程を比較する際は、前走との間隔に余裕がある馬を重視したいところだ。〔表5〕
前走との間隔 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
中4週以内 | 1-1-1-42 | 2.2% | 4.4% | 6.7% |
中5週以上 | 4-4-4-27 | 10.3% | 20.5% | 30.8% |
なお、前走との間隔が中4週以内だった馬のうち、通算出走数が16戦以上だった馬は3着内率2.8%とより苦戦している。キャリアが比較的浅い馬でない限り、前走との間隔が詰まっている馬は過信禁物とみておきたい。〔表6〕
通算出走数 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
15戦以内 | 1-0-1-7 | 11.1% | 11.1% | 22.2% |
16戦以上 | 0-1-0-35 | 0% | 2.8% | 2.8% |
開催時期が12月となった過去5年の3着以内馬延べ15頭中13頭は、前走の4コーナー通過順が5番手以下だった。一方、4番手以内だった馬は3着内率8.7%と苦戦している。基本的に先行馬が苦戦気味なレースとみるべきだろう。〔表7〕
前走の4コーナー通過順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4番手以内 | 2-0-0-21 | 8.7% | 8.7% | 8.7% |
5番手以下 | 3-5-5-48 | 4.9% | 13.1% | 21.3% |
なお、前走の4コーナー通過順が4番手以内だったにもかかわらず3着以内に好走した2頭は、いずれも“同年のハンデキャップ競走を除くJRA重賞”において2着以内に入った経験がある馬だった。年明け以降にハンデ戦を除く重賞で連対した実績を持つ馬でない限り、前走で先行していた馬は割り引きが必要だ。〔表8〕
(伊吹 雅也)
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 2-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
なし | 0-0-0-21 | 0% | 0% | 0% |
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